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再会した幼馴染は☓☓オタクになっていました。  作者: 星空永遠
一章 高校生の春、私は貴方と再会した
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2話

星ヶほしがおか高校。


中高一貫の学校で、私立の中でもかなり偏差値が高い名門校で、元は超お金持ち学校。

だが、今は数多く私みたいな庶民も通っており、学費も庶民でも払える金額になったんだとか。

一部の生徒は、本当にお金持ちの御曹司や令嬢なんかもいたりすると噂で聞いた。


私は家から一番近いということもあり、この学校を選んだ。とはいえ、受験はめちゃくちゃ難しかったのはここだけの話。


「桜、きれいだなぁ」


学校近くまで着くと、桜の木があり、まさに桜並木の景色だった。

この桜並木を越えた先に、私の通う学校がある。


「黒炎くんもどこかで桜、見てるのかな」


私は立ち止まって、桜を眺めていた。

初恋の人、黒炎くんのことを想いながら……。


「そこ、どいてくれぇぇぇ!」


「!?」


桜を悠長に見ていたのも束の間、目の前には迫りくる自転車。

私はギュッと目を瞑り、(死ぬ)覚悟を決めた。


「間一髪、だな。そこのお前、大丈夫か!?」


「う、うん……」


ゆっくりと目を開けると、自転車は身体に触れるか触れないかの瀬戸際で止まってくれた。


(死ぬかと、思った……)


心臓の音がバクバクと鳴りやまない。心拍数が早いのが自分でもわかる。私は怖さのあまり、腰が抜けた。ペタリとその場に座る私。


自転車に乗っていた男の子は、自転車を止め、私のことを心配してくれてか傍に駆け寄ってきてくれた。


「急に自転車のブレーキがきかなくなってな。

そしたら、目の前に女子が止まってるのが見えて、さすがに声上げてしまった。本当に悪かった。怪我とかしてないか?」


「なんとか、大丈夫。そっちこそ、怪我とかしてない?」


「俺は大丈夫。って、男は傷くらい残ったって平気だ。

お前は女子なんだから、傷なんか残ったら大変だろ?」


「そう、だよね……」


あれ、なんだろう。さっきから違和感を覚えるのは。

私、この男の子の事、知ってる気がする。


「あの、助けてくれてありがとう。

私、霧姫朱里! 今日から星ヶ丘高校の1年生になるの」


「朱、里……? 俺は黒炎」


「やっぱり! 黒炎くんだよね!?  

私のこと、覚えてる? 幼稚園からの幼馴染で‥‥」


さすがに覚えてるわけないか……と諦めかけてたそのとき、「ああ、ちゃんと覚えてる。久しぶり、朱里」と微笑んでくれた。


声色も高校生らしく大人で、身長もかなり高くなってる。

サラサラの黒髪で王子様のようにカッコいい顔。

だが、他の高校生より若く見えて、童顔だ。


そんな黒炎くんを私が間違うはずがない。


「会いたかった……黒炎くん!」


やっと会うことができた。私の初恋の人に。

私は嬉しさのあまり、黒炎くんに勢いよく抱きついた。


「!? あ、朱里……ここ、一応、通学路なんだけど」


「え?」


私はハッとあたりを見渡した。すると、「きゃー。カップルがいる」などと女の子たちが顔を真っ赤にさせて、こちらを見ているのに気付いた。


いくら久しぶりに会えたからって、大胆すぎたかな、私///

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