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再会した幼馴染は☓☓オタクになっていました。  作者: 星空永遠
最終章 再会した幼馴染は……
110/112

110話

「だって、黒炎くんと春休みにたくさんデート出来るって想像したら、それだけで嬉しくて……」


「俺の恋人は本当に可愛いな」


「……!?」


頬にキスをされた。やっぱり、黒炎くんには敵わない。


「不意打ちの上目遣いには少しクラっときたが、今の朱里のほうがお前らしいかもしれないな。余裕ない朱里のほうが俺は好きだぞ」


「むぅ……」


いつか、黒炎くんが驚くような綺麗な女性になってみせる! とひそかな決意をする私。


「って、悠長に歩いてると遅刻だな。走るぞ、朱里!」


グイッと腕を引っ張られた。


「うん!」


さすがに三年生の卒業式に遅刻はまずい。しかも、紅蓮会長の卒業なら尚更。


「穏やかな日差しが差し込み、桜が咲き、春の訪れを感じる季節となりました」


卒業生代表が在校生とお世話になった先生に答辞を読み上げる。もちろん、代表は紅蓮会長だ。噛むことはなく、答辞の紙も下に置いて見ることはない。完璧な答辞にさすがとしか言葉が出てこない。


(紅蓮会長、おめでとうございます)


私は心のなかで呟いた。色々あったけど、お世話になったし。


そして、長い卒業式が終わった。


「紅蓮会長、卒業おめでとうございます!」


「霧姫朱里。ありがとうございます」


生徒会室。私と黒炎くんは紅蓮会長にあらかじめ用意しておいた花束を渡す。


「これは俺たちからの気持ちです。署名活動のときもそうですけど、俺は小学生の頃からお世話になったし、それも含めて」


「黒炎もありがとうございます。それは今更、気にしないでください。僕は親じゃないから言う資格なんてないかもしれませんが……貴方は成長しましたよ、黒炎」


「そんなこと……それに会長のお陰です」


「っ……」


私は目頭があつくなる。今にも泣いてしまいそう。黒炎君と紅蓮会長の過去を聞いたから、それはなおさら。


「霧姫朱里。これからは黒炎と高校生活を楽しんでください。だけど、最後に一つだけ」


「なんですか?」


「僕はさらなる高みにいきます。もし、黒炎が貴方を傷つけるようなことがあったなら、いつでも駆けつけます。そして、隙あらば貴方を奪います」

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