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再会した幼馴染は☓☓オタクになっていました。  作者: 星空永遠
十二章 友チョコと本命チョコと甘いキス
106/112

106話

「あのね、今日はバレンタインデーだから、焔さんに教えてもらいながら、黒炎くんのために手作りチョコを作ったの。紅蓮会長にも作ったんです。黒炎くんのと違って、本命チョコではないですけど。……私も二人には喧嘩してほしくない」


私も自分の思ってることを言った。私なんかの言葉は焔さんに比べて弱いし、説得力なんてないかもしれないけど。


「朱里……悪かった。俺も会長のことは嫌いじゃないんだ。本当に感謝してて。けど、朱里は俺の恋人だから、その……渡したくなかった」


「っ……そ、そんなこと」


焔さんと紅蓮会長がいる前で、そんな恥ずかしいこと言っちゃうの? やっぱり前に比べて、黒炎くんは大胆だ。


「惚気、ご馳走様でした。……このチョコは有難く受け取っておきます、先輩として」


「紅蓮会長、ありがとうございます」


「良かったですね、朱里様」


「はい!」


どうやら解決したようで、私も安堵の声を漏らす。焔さんも普段通りの口調に戻ってるし、良かった。さっきと違って、怒ってないみたい。


「黒炎。霧姫朱里と二人きりになることを認めてあげてもいいですよ。今日は、せっかくのバレンタインデーですから」


「会長。そうですね、せっかくですし二人になれる場所にでも行ってきます。朱里、とりあえず外に行くか」


「え? う、うん」


私が焔さんと話している間に、黒炎くんと紅蓮会長の会話が終わったようだけど、私は黒炎くんに二人きりにならないか? と誘いを受けた。あと、紅蓮会長が妙な口調というか……こういうのツンデレっていうのかな?


「朱里様、私と紅蓮様のことは気にせず楽しんできてください」


「霧姫朱里。コレを忘れていますよ」


「紅蓮会長、焔さんありがとうございます! 楽しんできます」


私は紅蓮会長から言われて紙袋を受け取る。これって、私が黒炎くんに作ったチョコだ。二人きりになってから渡せってことだよね。気が効くというか、さすが紅蓮会長。


「このへんでいいか」


とある公園。私たちはベンチに座った。二月なので、外はまだ寒い。


「黒炎くん、その……コレ受け取ってください!」


もう二人きりなったんだし、と私はバッ! と紙袋を黒炎くんの前に差し出した。恥ずかしさのあまり、つい敬語になってしまった。声も裏返っている気がする。


「さっき俺のために作ってくれたっていう本命チョコか。ありがとな、朱里」


「ど、どういたしまして」


黒炎くんが微笑んでる。カッコいい……。

私は心臓がバクバクいってるのに、黒炎くんは余裕そう。


「今、開けてみてもいいか?」


「うん、大丈夫だよ。でも、初めてだから上手くできたかどうか……」


「朱里が作ったものなら、どんなものでも嬉しいぞ」


うぅ。そうやって、嬉しい言葉をかけてくれる黒炎くんが好き。そんなこと言われたら、もっと好きになっちゃうよ……。


「可愛いチョコだな。……ん、美味しい。上手に出来たな、朱里」


真ん中にLOVEって書いてあるのに可愛いチョコだなんて、黒炎くんはどれだけ心が広いの? 普通なら笑われても仕方ないような感じになっちゃったし。自分で言うのもなんだけど、今になってみるとこれはあまりにも恥ずかしいチョコだ。


だけど黒炎くんが美味しいって言ってくれたし、そんな悩みも吹っ飛んだ。手料理なら、黒炎くんのほうが上手なのになぁ。前に食べたオムライスもフワフワで美味しかったし。

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