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神樹の巫女  作者: 昼行灯
30/32

30:カーサ

 「リンー、」

 「なあにー?」

 「リンもハーブティーでいい?」

 「他には何があるの?」

 「えー、紅茶もあるけど」

 「じゃあ紅茶で」

 「えー、ハーブティーオススメなんだけど、」

 「えー、じゃあハーブティーで、冷たいのが良いな」

 「あったかい方がオススメなんだけど!」

 「えー、じゃあそれで」

 「なによー、それじゃあ私が無理やり(すす)めたみたいじゃないの!」

 「えー、その通りじゃん」

 「もー、リンのばか!」

 「なにそれひどーい」


 「テレスはなににする?」

 「じゃあ、私もハーブティーでいいわ」

 「わかったわ!」


 「じゃあ俺もハーブティーで!」

 「フジワラは水ね!」

 「は? なにそれ、差別はんたーい!」

 「じゃあ泥水でいい?」

 「やだ、俺もハーブティーがいい!」

 「やだ」

 「何だよ、ひどいぞ扱いが」

 「だってフジワラ誘ってないもん」

 「リンさんに誘われましたー」

 「もーリン、なんでフジワラなんか連れて来たのよ!?」

 「えー、来る途中でばったりあったから」

 「リン、小僧は待ち伏せしてたのだ!」

 「そうよ、フジワラはいつもリンをつけまわしてるんだから気を付けないと!」

 「最低ねフジワラ」

 「ちょ、ちげーって、今回は本当に偶然だってばよ」

 「小僧、語るに落ちたな! 今回は、とは何事かああああ! しねー!」


 クロちゃんの必殺ネコキックがフジワラに命中する!


 ポンッとフジワラが消えて、紙兵(しへい)が破れる。空蝉の術だ!


 「チョ、マテヨ!」


 「逃さないわ死になさい!」


 少し後ろに現れたフジワラにテレスの鉄山靠(てつざんこう)が炸裂する!


 ポンッとフジワラが消えて、紙兵(しへい)が引き裂かれる。


 「まだよ!」


 ボッとテレスのマッハパンチがフジワラの顔面を撃ち抜く!


 ポンッとフジワラが消えて、紙兵(しへい)が吹き飛ぶ。


 「シャレになんねーんだけど!」


 これで、三回空蝉で避けた事になる。もう空蝉は切れているはず!


 「この時を待っていたわ! 死になさいフジワラ! 必中発動! パワーショット!」


 「チョ、ザケンナ! 必中とかザケンナ!」


 文句を言っているフジワラの左胸に矢が刺さり。ポンッとフジワラが消える。


 「空蝉は三枚じゃなかったの!? ずるいわよフジワラ!」


 「ハッ? ザケンナ! バカ、バーカ、バカバカばーか!」


 「フジワラのくせにムカつくわ! リン、トドメを刺して!」


 フジワラのすぐそばにいるリンに、トドメを譲る。


 「え?」

 「え?」


 フジワラとリンが顔を見合わせる。


 「……」

 「……てぃ!」


 ペシっと、フジワラにデコピンをするリン。


 「アウチ!」


 オデコをおさえるフジワラ。


 「もーリン、なんで手加減するのよ!」

 「え、いや、なんで本気で殺そうとしてんの?」

 「フジワラだからよ!」

 「そうだそうだ、小僧だからだ!」

 「そうね、フジワラは殺すべきね」

 「えー、なにそれ」

 「見るのだリン、小僧デコピンされて喜んでいるぞ! ヘンタイなのだ!」

 「え? ホント?」

 「え、喜んでねーし! 全然嬉しくねーし!」

 「えー、、」

 ドン引きしているリン、けど今回はちゃんとトドメを刺さなかったリンも悪いんだからね!


 「リン、今回の件は貸しね」

 「え、なに言ってんの?」

 「ダメよ許さないわ、折角フジワラを()れるチャンスだったのに、リンが手加減したせいで全てが台無しよ!」

 「え、怖いんだけど」

 「リン、カーサの言う通りなのだ。今回はリンが悪いのだ!」

 「そうね、今回だけはリンちゃんを庇えないわね」

 「え、なにそれ?」

 「バツとしてリンは私のお願いを何でも一回聞かなくちゃいけない券の刑を受けないといけないの」

 「えー、ちょっと無理やりすぎるんですけど」

 「ダメよ、これは決定よ」

 「えー、別に私に出来る事ならいいけど」

 「じゃあ決定ね」

 「じゃあ我もきかなくちゃいけない券を獲得するのだ! 巨大肉を食べたいのだ!」

 「じゃあ私も、今度一緒に買い物にいきましょう」

 「じゃあ俺も、今度一緒にデートを、ヘブシッ!」

 「フジワラは死んでなさいよ、じゃあ私はね、、」



 リン、、


 会いたいよ、、


 リン、、、、


 「カーサ」


 何度も聞いたその声に、意識が浮上する。


 「リン?」


 「うん、カーサ。遅くなってゴメン」


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