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09話:姫、どうかお幸せに

「ま、まさかここまでやるとは思いませんでしたよ」


顔も体もぼっこぼこなマジシズが起き上がり、そう漏らす。


「心苦しゅうございますが、姫、どうかお幸せに」


「うう、ありがとうねマジシズ。僕、幸せに……って違うよ!完璧に無視されてたから、止めるタイミングが掴めなくなってただけだよ」


「つまりご結婚はなされないと?」


「うん、だってまだ早いと思う」


「ぐはっ」


『マ、マジシズ(様)!』


悲報、マジシズ吐血。


「このマジシズ、なんたる不覚。そちらの殿方にもご迷惑をおかけ致しました」


「え?あ、いや」


「はて?ご返答からするとそういうわけでもないようですね?なら、一体?」


「魔王、なんて説明したらいいと思う?」


「そうだね、なら、僕が一言で説明しよう。簡単に言うと僕はこの男に負けたんだよ。だから連れてきた」


「はて?本当に分からなくなりましたな」


なぜか首をかしげるマジシズ。


「どうして?」


「その物は既に魔王様より実力がお在りなのでしょう?」


「うん」


「この国の法では来るべき災厄に向けて、王となるべきものはこの国で最も強き者がならなければいけません」


「うん」


「では、次の王はそのお方ということではございませんか」


「……あ、ほんとだ」


「えーと、つまりどういうことだ?」


(来るはずだった災厄)は魔王に聞いてみる。もう、来てしまっているわけだし。


「君と僕が結婚してしまえばなんの問題も起こらないということさ!」


「おい、待て。今、お前、結婚はまだ早いと言ったところじゃないか」


「そうだね、結婚は()()()()と言ったんだよ?」


「それなら……」


「うん、少し早まってもなんの問題もないね」


「そういうことかぁぁぁ!」


こいつらとんでもないな!


「俺、勇者だよ。君は魔王だ。お互いの全てを出し切って戦った。その時に心臓をさし貫いたのは俺だぞ?」


「その時僕は、君に心を奪われてしまったという訳だ!」


誰が上手いこと言えとぉぉぉおおお!


俺は心の中で叫び声をあげた。


「それとも君は嫌なのかい?君はこの僕を綺麗だと言ってくれたじゃないか」


「そうだな」


「僕の求める答えとは少し違うのだけれども?」


「ああ、ああ、仕方ねえなぁ!


そうだよ!ここ(この世界)に来て、最後にはお前に会って、戦って、その剣の真っ直ぐな剣筋に惹かれた!


崖から飛び降りて、起きたら何故かお前がいて、これは夢かなんかじゃないかと自分自身を疑った!


でも、話して、過去に戻ったんだって言われて、最初は信じられなかったけど、お前がいるってだけでも嬉しかった!


これが夢でも、夢じゃなくてもずっと一緒にいたいと思えた!


それにドレスを見た時なんか……」


「もういい、もういい。君の気持ちは分かったから!もうやめて!」


自分の思いの丈を全てぶつけていたら、顔を真っ赤にした魔王に止められてしまった。


「きき、き、君には恥じらいというものがないのか!あ、あんな大きな声で愛の告白をされてみろ!みんなにも聞こえてしまっているじゃないか!」


「別にいいじゃないか」


俺はもう開き直ることにした。


「俺が君を妻にして、王になるんだろ?」


「早めるって言っても、別に今すぐにというわけでもなかったんだよ?僕が君を説得して、お互いが好きになって、自然と惹かれ合うようになって、それから……みたいな形にしようと思っていたんだよ!?そ、それなのに君ってやつは!乙女心の”お”の字も知らないのか!」


「知らないな!お前に会うために(を倒すために)戦い続けていた訳だしな!」


「ああ!もう!裏の意味を知らなければ誰でもこころ動かされるようなことを易々と!君はあれか!?魔王を倒して姫を助け出した時の勇者か!?」


「いいや、魔王を倒して、姫様を虐めている勇者だよ」


「ば、ばかぁぁ」


さて、周りの目を気にせずこんな夫婦芝居を続けていたところ、またいらない手を回していたマジシズ他四天王たちがいたらしい。次の朝の朝刊が『魔王様、ドS勇者とご結婚!』の大見出しになっているのを見た時は笑ったよ。


俺が呼ばれたダンジョン奥底のパーティー会場に何人か記者が来ていたらしい。おお、怖い怖い。

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