07話:いや、出来ない!
2019/10/19 2本目
「ふははは!どうですか姫!姫に相応しい、ご結婚発表の場に出来たと自負しておりますぞ!」
魔王と俺が呆然と立ち尽くしている中、声をかけてきたのは四天王の1人、マジシズだった。老魔道士といった雰囲気でめっちゃ強い。肉体派だけど。肉体派だけど。
「お、おいマジシズ!あああ、あ、あれはどういうことだ!?」
「決まっているではありませんか!魔王様が勇者なる者を連れてくるということでこのようにさせて頂いているのではありませんか!」
「それとあれとでなんの関係があるんだ!」
「魔王を妻に貰うというのです。その方を真に勇気ある者、つまり夫にするのだと悟った我々がこのような行動に出ることなど魔王様なら初めから気がついておられたでしょうに」
「いや……」
「ですが、お許しください我らが魔王よ。流石にこの者がどれ程の者であるのかを図らずして、誰が四天王を名乗れましょうか!いや出来ない!」
「だから……」
「さあ、勇者よ。我らの王を妻に、と言うのであれば今ここでわれら四天王を全て倒してみせよ」
完全に無視され、相手にもされない魔王。……は置いておいて、俺は急な戦闘に巻き込まれることになった。
俺も無視かというツッコミはなしだ。
なしだ!ナシだ!梨だ?