04話:なにがしたい?
「もう、いいよ。なんだかアホらしくなってきた。でも、聞いてもいいか?」
「なにを?」
「倒すべき魔王が仲間になって、勇者の俺がなにをしたらいいのかと、なんでお前の好感度がこんなにも高い!あとついでに、なんで過去に戻ったのかも教えろ!」
いつまで経っても俺の膝の上に寝転んだままの魔王に痺れを切らした俺。
「仕方がないな~」
それに対して魔王はゆっくりと起き上がり、本当に嬉しそうにニマニマと俺を見た。
「じゃあ、1個ずつ答えてあげよう。
まず、1つ目。勇者が倒すべき魔王がもう居ないわけだから、君は好きなことが出来る。
2つ目、好感度が高いのは、魔族は強い奴が好きだからだね。初めて会った自分より強い人を好きになるのは当然のことだ。
3つ目、なんで過去に戻ったのかは、僕にも分からない。神様なら知っているかもね~」
「そうか。もう王国に肩入れする必要もないわけだ」
「……そういえば、ソラは王国のことばかり気にしていたね。なにかあったのかい?」
「簡単に言うと裏切られたんだよ。魔王の次はお前が怖いって」
「なら、僕と一緒に王国を滅ぼしたりは……」
「しないよ!?一応お世話になった人もいたんだから!ほんの少しだけではあるけど…」
俺は鬼畜外道ではないのだ。魔王なのに鬼畜でも外道でもなさそうなやつもいる訳だし。
「そっかー。なら、なにがしたい?君が魔族側に来てくれるなら、僕が人間を攻撃する必要もないしね」
「なにがしたいと聞かれても、この世界に来てからは戦いしかしてこなかったし、強いて言うなら観光旅行かな」
「なら、そうしよう!」
明日か明後日には次の話を投稿できるかと思います。