始まりの予感
すみません。どうしてもラブコメディが書いてみたくなったんです
暖かい目で見てくれると恐縮です
あ、気軽にコメントお願いします!
私立鳴海山高校は日本でも有名なバスケットボールの強豪校である
また、独自の教育法で未来のエリート達を育て、その結果この学園に通う生徒の平均偏差値は60前後だという。
その中でも桜の舞い散る中、校門を潜り女神のような立ち振る舞いを見せ周りにいた老若男女を魅了する彼女、冬美 楓は容姿端麗、才色兼備、おまけに校内学力テストでは毎回1位を取り続ける完璧人である
だが、そんな彼女を嫉妬やら複雑な気持ちで見つめる俺、末永 裕翔は幼少の頃からスポーツばかり…例を挙げるならサッカー、バスケ、野球、水泳などの運動ばかりに全力で打ち込んできたため運動神経はいい方だとは思うのだが、勉強がまるでからっきしだ。
なら何故この割と偏差値の高い高校に受かったのかって?
そりゃもちろんスポーツ推薦だよ
俺一応今バスケで推薦貰ってるから
まぁ元々家は貧乏で本当は行きたい高校もあったんだけど家のことを考えると
ある程度の学力があれば学費を免除するというこの高校の方針が何よりも魅力的だったってわけ
だがあるギリギリ2年生になれて迎えた春休みが終わって3日…
休み明けテストが返却され担任に呼び出された俺は、大きな壁にぶち当たった
それは俺の心を揺さぶるには十分すぎる発言だった
「…このままの成績でいくと、進級どころか学費免除も厳しくなってくるわよ」
「え?」
ガクヒメンジョキビシイ?
思わず聞き返してしまう
「確かに部活で忙しいのは分かるけど、さすがにオール赤点は私も庇いきれないの」
思考が停止する
確かに自分は頭が悪い
だがここまでとは思っていなかった
しかも自分でも今回のテストは点を取らないとやばいと分かっていたため、春休みは割と勉強した方なのだが
やばい
頭の中に色々な最悪の事態が浮かぶ
赤点、学費免除無効、高校中退、中卒、家族に迷惑…
「…何とか…なりませんか?」
「えぇ、その話だけど、校長が放課後に校長室に来てくれとのことよ」
…素直に怖い
退学宣言とかだったらどうしよう。
震えた足取りで午後の授業を受けるべく教室へもどる
「あ、すえちゃーん!まじどこ行ってたん?一緒に昨日買ったえろ本達を吟味しようと思ってたのに」
「…あぁ、悪い…」
「…?どした?なんかあったん?」
「あぁ、末永家の未来に関わることがな」
「はぁ!?ほんとに何があったの!?」
こいつは俺の幼馴染で親友の戸邊 明と言って変態だが根は優しい奴だ。補足すると、イケメンでこいつの変態な内面を知らない高校入学時や進級した後の一学期の間は結構な数の告白を受けている
俗に言うリア充でヤリティーンなわけだ
…羨ましい
「まぁ、無理はすんなよ。すえちゃん昔っから1人でなんでも抱え込む癖あるから」
「明…」
「無理に詮索はしないけど、本当に辛い時は頼れよな。幼馴染だし」
こいつやっぱ良い奴だ
俺が女だったら確実に告ってる
「ありがとう、そうするよ」
「うむ、それでいい。それで昨日買った新作エロ本なんだけどさ、なんと今度は熟女ものーー」
ーーふわっーー
後ろから甘い風を感じた気がし、振り返る
そこには、何もかも完璧にこなせる超絶美人冬美 楓がいた
「今日カフェ行かない?新作出たらしいよ!」
「え!それまじ!?いくいく!楓は?」
「ごめん、今日校長室に呼ばれてて…」
そんな談笑が聞こえる
冬美も校長室に呼ばれてるのか…
でもあいつは大学推薦とかその辺の方だろうな。
俺とは全く住む世界が違う……
「…はぁ」
自分で考えたことに自分で凹む
「ちょっとすえちゃん?話聞いてる?で、その人妻がねーー」
正直、今は隣に引っ越してきた夫婦の人妻が誘惑してきて旦那が単身赴任の間に一線を超えてしまうなんてどうでもいい(しっかり聞いてる)
俺は窓の外の景色を見ながら、放課後の呼び出しのことと人妻の誘惑についてばかり考えていた
ーー放課後ーー
他よりもダントツで迫力のあるその扉を前に、俺は頭を抱えていた
どうしよう…まじでどうしよう…!
ここに来てほんとに怖くなってきた
もし退学になったりしたら…
母さん、父さん、悠斗、俺…退学になるかもしれません。
若干涙目になりながら何故かとても重く感じるその扉を開けると…
そこには校長と冬美がいた