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森の中の管理人は世界を知らず  作者: 煉双 戯六
1/3

1.問題発生

長編初投稿です。

不定期になりそうですが、目標は一週間に一度くらいのペースということで頑張って行こうと思っております。


@syosetu_rensou

Twitterやってますので、フォロー待ってます!

銀色髪の子どもは青い空 探す。

闇中の一匹狼 光の中に友 求む。

鏡に舞う虚の花 真の太陽 欲してる。

現実に夢を叶えよう。

絶望に希望を与えよう。

さすれば君に器を授けよう。


夜に浮かぶ星達は心の中に潜んでる。

堕ちた天使は泣き喚く赤子を喰らい嗤う。

血に飢えた刃は集い軋轢を生ずる。

無表情には笑顔を咲かせよう。

雲掛かる明日を輝かせよう。

さすれば君に水を送ろう。


海底に沈む骸骨が蘇る時 世界から色 消える。

目覚めた神々が戯れる時 世界から音 消える。

滅び行く魔が運命に抗う時 世界から光 消える。

自然へと愛情を注ごう。

万人に幸福を捧げよう。

さすれば君と乾杯を。


赤い糸を見失っても自分をも見失ってはいけない。

決して切れた訳ではないのだから。

大きな選択を迫られても迷ってはいけない。

決して何かを失う訳ではないのだから。

さあ歌え。

さあ翔けろ。

君の思うがままに。


雷雨が轟いても涙を見せてはいけない。

決して他所までも悪天である訳ではないのだから。

疑心暗鬼になっても信じることを忘れてはいけない。

決して裏切らない人がいない訳ではないのだから。

さあ踊れ。

さあ叫べ。

君の気が済むまで。



大樹に身を委ねた還暦の詩人は最後にそう歌ってこの世を去った。

亡骸と化した詩人の頭上を、宙に浮かぶ不安定に明滅する光の球体がくるくると円を描くように廻る。

やがて光の球体は弾けるようにしてその場を離れた。


日が傾き、山の向こうへと吸い込まれていく頃。

野太い樹木に覆われた一帯は、互いの陰に身を落として色を黒くしており、日中の鋭い日差しもものともしないほど鬱蒼としている。

まして斜陽が消えれば言うまでもない。

常に暗いか闇かのこの地では昼夜問わず弱肉強食の世界が繰り広げられているのだが、そんな世界を無防備に浮いている渡る存在がいた。

規則的に明滅する光の球体である。

だが、光の球体に手を出すものはいない。

それがこの世界に欠かせない存在であり、また弱肉強食の摂理から逸脱した存在であるということを皆本能で理解しているからである。


光の球体の正体とは森の精霊だ。

言うならば大森林の管理人といったところだろう。

精霊とは世界の存続のために世界を管理する役割を担う、世界によって産み出された存在である。

管理するために管轄の場を一望できない地上に姿を現わすことはまずない。

例外があるとすれば、管轄地に問題が発生した場合のみくらいであろう。

そんな精霊達は問題発生に備え、直ちに駆けつけることができ、さらには管轄地を一望できる上空に腰を据えているのが大体である。

その他の場合は地中深くに滞在している、などであろう。

しかし、この森の精霊は異質であった。

上から眺めるようなことはせず、大森林で暮らす生物と同様に大森林を歩き廻っているのがその所以である。

この管理方法は大森林の生物と森の精霊の関係が良くなり、大森林の生物を介して問題発生の情報を素早く入手できているため、他と違えども間違っているとは言えない。

むしろ他より優れているのかもしれない。


そして、世界に縛られているはずの異質な精霊の元に魔物発生という問題の知らせが届くのはもう間もなくのことである。


御指摘、御感想、などあれご教授願います!

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