仲間想いのBig Dream
試合終了後、若駒杯のベンチに入れなかった選手たちに謝罪し終えた後の大夢の心の声から始まる。
結局彼らほとんど黙ってたけど・・・
気まずい、気まずさしか残らない・・・
でも脅されてる、っていうより、
俺だったらこうするよ、ああするよ、
って色々物言いしてきそうで怖いなぁ
全ての部員に言い分はあるだろうに、
それを全て叶えられるかどうかわからない
まるで、アルバイト一人一人の意見を店長が渋々耳を傾けてるようだ・・・
何だろう、この強迫観念・・・
俺、殺されるんじゃないかな・・・
う~、いやいやダメだ、悪いことは考えないようにしよう
人生だもの、うまくいく時もありゃいかない時だってあるさ
まだあいつら高校生だもの、俺も同じ立場だけど
そうだ、裕登、打たれまくったり乱しまくったりで落ち込んでたよな
ちょっと様子見に行くか、俺だっていつまでも倒れてばかりじゃない
大夢と莉香子との何気ない会話。
「あのさ、ひろくん。もし私が野球部に来て何かすることない?」
「何って、あぁ、ちょうど良かった。もし関口さんが野球部に来たら何がやりたい?」
「うーん、ピッチャーかな!」
「はっ、何それ!」
「ピッチャーやってひろくんをピッチャーゴロに打ち取りたい!」
「なんだよう、それじゃ全力疾走で内野安打にしてやるぞっ」
「うふふー、ひろくん面白ーい」
「てかさ、関口さん背高いんだしファーストの方がよくない?」
「えー、もう飽きたよー、あっ、たまにはライトもいいかも」
「このやろー、俺の定位置好きだね~まったく(笑)」
「うふふー、ひろくんからレギュラー奪っちゃう!」
「俺の妹よりたち悪いぞあんた・・・」
とりあえず莉香子から見た大夢の性格は面白いという一言に集約されるらしい。
大夢は冷静になって考えた。
まっ、倒れたって支えてくれる仲間が居るさ。
その存在に気付けるのかな、一生気付かないで終わっちゃうのかな。
目標に向かって突き進むのは大歓迎さ。
目標に向かって突き進めるありがたみってのを分かってるのかな。
俺は薄々感づいてはいたんだ。
裕登、俺が助けに行く・・・喧嘩沙汰になっても怖くねぇよ