監督はストーカー?
監督は大夢に対して興味津々だ。というと、語弊しか生まれないが。
まぁ小柄ながら高い野球センスに恵まれているし、
生活態度も素晴らしいから気になるっちゃ気になるわなそりゃ。
親父が高崎商業のOBで箱根にも出てる。
その後サラリーマン、タレントや俳優を経て海外へ。
異色の経歴の持ち主の息子である。
そもそも監督は大夢を体験入学の時から気になっていた。
非常にオーラを感じる。
監督のアンテナが大夢に異常に反応するのである。
しかも、野球部に見学に来ていた中で唯一陸上部に入りたいと言っていたそうだ。
野球部の走り込みでは足りないということか・・・何か少し寂しかった。
ある日、監督はある情報を手に入れる。
大夢に彼女がいるという噂だ。
ソフトボール部に所属してるという。
ソフトボールは野球から派生してできたスポーツだ。
とある名言には「男性は作品を創る。しかし女性は男性を創る。」とまで言われている。
よもやまさかと思い、監督は野球部の自主練を口実に、こっそりソフト部の練習を視察する。
大夢はグラウンドで芸術的な野球を披露する。
大夢の彼女は大夢のありのままの姿を・・・。
監督は一瞬いかがわしいことを考えてしまった。
いや、そんなことよりも、大夢の彼女がどんな人か気になるのだ。
背が高く、胸はそれなり、いかにもファーストを守ってそうとまでは聞いてある。
髪は最近ショートカットにしたそうだ。
まぁどうでもいい情報も混ざってはいるのだが。
その日の昼休みの大夢と何気ない会話。
「ねぇ、ひろくん」
「んー」
「暇だねー」
「うんー」
「友達いるの?」
「いないよー」
「そー」
「友達いるの?」
「いないよー」
「仲間だねー」
「うんー」
「最近いいことあった?」
「うーん、特にないかも」
「そー」
「ひろくんは?」
「うーん、ないかなー」
「ふーん」
「あっ」
「んー?」
「強いて、言うなら」
「なになにー?」
「こうして関口さんと話してることくらいかな」
「!!」
「どしたの?」
「ううん、別に・・・」
「どうした?顔赤いぞ?」
「・・・ふふふー、ひろくんに褒められちゃったー」
「なんだよう、こっちまで恥ずかしくなるじゃんよう!」
自主練終えた大夢と裕登の何気ない会話。
「よう、博麗のミコライオ~、大夢」
「変な呼び方すんなよー裕登~」
「えへへ、時々自分頭おかしいんじゃないのって自覚してる」
「時々も何も、いつもそういう風に見えるよ」
「ひどいなもう!真面目に練習しててもそう見えるんか!?」
「まぁまぁ落ち着けって、良い意味で言ってるんだよ。裕登は個性あるなって」
「あっ、そういうことか、確かに今日の自分は個性的な持ち味が出せてた気がする」
「そうだよ、背も大きいし指も長いし、いっそフォークボール極めちゃいなって!」
「そうか、迷いが吹っ飛んだよ、これで今夜も大夢ちゃんとちゅっちゅできるぜよ~」
「そこ霊夢の間違いじゃないのか?」
「はっ!そうだった!あゆみちゃ~ん、ロリ巨乳、かっわうぃ~よ~」
「うっせぇぞ裕登、少しは自重しようよ。てか俺の妹言うほどそんなでもないし(ボソッ」
一方の監督。
罠にハマって抜け出せないでいた。
背が高いってどこの情報だ。今年の1年生は割とほぼ背が変わらないぞ。
それとも俺が見逃したのか?あぁ・・・今日のこの時間を無駄にしてしまったorz
まぁいっか、今回の視察で野球にも活かせそうだし、取り入れられる部分は取り入れてみようかね。
結局大夢の・・・大夢の根本的な原動力はああああああああああああああああああああry
監督はチームの指揮を執って結果を表す。ソフト部女子はチームの指揮を執る監督を・・・




