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エッセイ書いたんだよ!  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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とっても面倒な取り調べ

 今回は、友人たちから聞いた刑事の取り調べについて語ります。ただ、友人や知人らは基本的に話を盛る人間が多いので……そのあたりを差し引いて読んでください。




 悪いことをすると、警察に捕まります。その時点では容疑者なので、まずは怖い刑事さんに取り調べられることとなります。

 しかし、この取り調べというのは厄介らしいんですよ……刑事は暴力こそ振るいませんが(例外はあります)、心理的な駆け引きは上手いですね。少なくとも、そこらへんの兄ちゃんがネットで覚えた「弁護士呼べや」などという言葉には怯んだりはしません。

 いきなり余談で恐縮ですが、刑事の取り調べに対し「弁護士」だの「法律」だのという言葉を持ち出して刑事をビビらせた……などとネットなどで自慢げに語る人がいます。

 しかし、これは真似しない方がいいでしょうね。言うまでもないことですが、刑事は取り調べのプロです。相手が弁護士だの法律だのといった言葉を持ち出すのは、最初から承知の上です。そこで、いちいち怯んでいては取り調べになりません。

 刑事さんたちは、いろんな連中と渡り合っています。ヤクザや半グレ、さらには生き馬の目を抜く商売人たち等々。取り調べの際の戦法をいろいろと知っていますし、その戦法を時と場合に応じて使い分けることも出来ます。そんな人たちに、ネットで学んだ付け焼き刃の知識で対抗しても、勝ち目は薄いでしょうね……。

 少なくとも、そこから刑事たちの繰り出してくる言葉の応酬に、きちんと対応できる自信のある人でない限り「弁護士を呼べ! でなきゃ何も話さねえ!」などという、イキがった態度は取らない方が賢明でしょうね。

 もう一度書きますが、弁護士だの刑法だのという言葉を持ち出しただけで、刑事は怯んだりひれ伏したりはしません。

 ネットなどでは「刑事をビビらせてやった」などと自慢げに語る人もいますが、そのほとんどがフィクションです。分かる人が読めば、嘘と分かるのですが……ともかく、そんな話を真に受けて「弁護士を呼べ!」などとイキるのはやめた方がいいでしょうね。


 話を戻します。取り調べは基本的に、調書というものを作成するために行います。これは容疑者の供述や被害者および証人の言葉、さらに状況証拠などが書かれています。警察は、取り調べで調書を作成して検察に送ります。

 ここで問題となるのが、容疑者の供述と被害者および証人の証言との食い違いです。特に事件の根幹に関わるようなものの場合、徹底的に調べます。加害者の発言や行動次第で、窃盗および傷害が強盗傷害になったりします。当然ながら、強盗傷害の方が遥かに重いです。なので、犯罪の際に「殺す」などといった不用意な発言は慎みましょう……それ以前に、犯罪に関わるのをやめるべきですが。

 別の問題もあります。以前、私の友人のデビ(仮名です)が喧嘩で逮捕されました。

 デビはバス乗り場の列に並んでいたところ、横入りをしてきた男がいたので注意をしました。すると男が「はあ? お前、並んでたのかよ?」などと小馬鹿にしたようなセリフを吐いたため言い合いになり、挙げ句に乱闘になったそうです。デビは怒りに任せて相手をボコボコにしましたが、駆けつけた警察官に捕まりました。

 で、取り調べとなったわけですが……ここで、相手の証言との食い違いがありました。


刑事「お前、相手にもたもたしねえで後ろに並べ! と言ったんだな?」

デビ「はあ? んなこと言ってませんよ」

刑事「嘘つくな! 向こうはそう言ってるんだよ!」

デビ「言ってないです!」


 この「もたもたするな」という一言を巡り、言った言わないのやり取りが延々と繰り返されたそうです。

 やがて刑事は、こんなことを言いました。


「お前が実際に何と言っていようが、刑には何の影響もないんだよ。だから、ここで言った言わないのやり取りしても時間の無駄だ。さっさと進める方が、お前も早く出られていいだろ。どうせ、お前は執行猶予なんだし」


 デビは面倒くさくなり、「もたもたすんな」と言った……と認めて取り調べを終わらせました。こんな些細な言葉であっても、言った言わないで揉めるようです……。

 ちなみにデビは執行猶予で出ましたが、本人いわく「俺は絶対に、もたもたすんなとは言ってない」とのことでした。裁判後も、そのことが引っ掛かっていたようです。なんだか「それでも地球は回っている」と呟いたガリレオみたいですね。もっとも、その内容は比べものにならないですが……。








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