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エッセイ書いたんだよ!  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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普通とは違う薬物の使い方

 最近(二〇一七年の十月)、またしても覚醒剤で逮捕された芸能人がいました。捕まった経緯を聞く限りでは、何とも言い様のない話ですが……今回は、この事件についてコメントするのが目的ではありません。


 ちょっとダークがかった創作物やドキュメンタリーが好きな人ならば、誰しもが一度は耳にしたことがあると思う話なのですが……ターゲットとなる人物に濡れ衣を着せ、刑務所へと送る稼業が存在するそうです。私は直接、そういった人物に会ったことはありません。

 しかし、ブラックがかった商売に足を突っ込んでいる人によれば……「ムカつく奴を薬で眠らせ、ポケットに覚醒剤を入れて警察に通報してくれ」くらいのことを頼む人間はいるらしいですね。

 我々のような一般人からすれば「おいおい、そんなの上手くいくかよ。警察だってバカじゃないんだぜ」と思いますが、その筋の人に言わせると「いやいや、そうでもないんだよ」という言葉が返ってきました。


 基本的に、薬物依存症の人間は嘘つきが多い……というより、百人中百人が嘘つきです。ただ付き合う上で問題ない嘘つきと、問題だらけの嘘つきがいる、というだけです。

 この人たちに向かい、「お前(薬物を)やってんだろ?」と聞くと、ほぼ一人の例外もなく「やってない」と答えます。まあ、正直に「やってるよ」などと言えば、逮捕に繋がるかもしれないのですが。

 この、嘘を吐くのが当たり前という生活スタイルは……当然ながら、刑事や検事による取り調べでも発揮されます。彼らは、刑事の前でもベラベラ嘘を吐きます。


「覚醒剤みたいなものが、何で僕のポケットに入っていたのか分かりません」


「これは濡れ衣だ! 誰かが、俺をハメようとしてるんだよ! 俺は覚醒剤なんか、やったこともないんだよ!」


 こんなことを、刑事さんたちは毎日のように聞かされているわけです。信じろと言われても、無理がありますよね。

 ましてや尿検査の結果、薬物反応が出た……となると、これは無実を訴えたところで何もなりません。百パーセントとまではいかなくても、九十九パーセントはまず無理でしょうね。


 別の問題もあります。以前に『冤罪の怖い話』の章でも書きましたが、いったん逮捕され起訴されると、これを覆すのは非常に難しいです。

 逮捕された直後の、厳しい取り調べ……そこで、最後まで否認し続けるのは至難の業でしょうね。さらに、刑事や検事は「犯罪者は嘘を吐く」という事実を骨身に染みて知っています。どんなに否定しようとも、「ポケットから覚醒剤が出てきた」という事実がある以上、向こうは犯人だと決めつけてきますから……これは厳しいです。

 しかも無実を主張する選択をすると、イバラの道が待っています。このあたりは『冤罪の怖い話』の章と被りますので、詳しくは書きません。ただ、無罪を主張し最後まで戦う……というのは、非常に困難であるということは知っておいて損はないでしょう。


 基本的に、警察は犯罪者がどうしようもないクズで嘘つきであることを知っています。そのため、容疑者の「僕はやってない」という言葉は信用しません。

 また、警察は他に幾つもの事件を抱えています。彼らから見れば、覚醒剤など取るに足らない罪なんですよ。したがって、出来るだけ事務的に終わらせようとします。結果、こちらが何を言っても潰しにきます。

 さらに言うと、弁護士もまた敵に回ります。こちらが年収ウン十億の社長なら、資金に物を言わせて無罪を勝ち取ることも出来るでしょう。

 しかし一般人の場合、国選弁護士に頼むこととなります。この場合、お金は0で済みますが、ほとんど動いてくれません。仮に「僕はやってません」と主張しても「そんなこと言ったら、刑が重くなるだけだよ。それより罪を認め、執行猶予で出た方が得だから」と言われるのがオチです。

 結局は、やってもいない罪を認めることとなる……これが現実なのですよ。一般人がいったん起訴された場合、それを覆すのは至難の業です。

 まして、それが薬物となると判事もいちいち取り上げたりはしません。こんな下らない罪、さっさと認めちまえよ……それが本音でしょうね。


 ここまで書いたことを信じるか信じないか、それは読む人の判断に任せます。ただ、世の中には「復讐屋」と呼ばれる業種があるのは確かです。

 また知人の便利屋は「ムカつく奴がいる。そいつの車のガラスを割って、覚醒剤を入れておいてくれ。十万払うから」という依頼を受けたそうです。断ったそうですが……その依頼人は諦めたのか、それとも他の業者に頼んだか気になるところです。

 今のところ、そうした「復讐代行業」が薬物を使い誰かをハメた……という話が公になったことはありません。ただ、そうした類いの話をあちこちで聞くのは確かです。あるとも言えませんが、ないとも言い切れません。

 最後に念のため書きますが、冒頭で挙げた芸能人の件は冤罪だ、などというつもりはありません。しかし、尿検査で覚醒剤の反応を出させるのは簡単らしいです……。







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