表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/268

奴隷……欲しいですか?

 奴隷。

 この二文字は、なろうでは人気のキーワードのようですね。トラックに跳ねられ、異世界にチート能力を持って転生する。直後、市場で女奴隷を買うというのは、ありがちな展開のようです。

 事実、書籍化されたなろう作品の中にも、奴隷の登場するものがあるとか。皆さん、本当に奴隷がお好きなようですね。


 さて、これだけ奴隷の登場する小説が好きな人が多い……となると、現実にも奴隷が欲しい! などと考えるバカ者がいたとしても、一向に不思議ではありません。

 しかし我々の住んでいるのは、まがりなりにも法治国家です。奴隷などというシステムは存在しません。もし奴隷なるものが欲しいのであるなら、法を逸脱しなくてはなりません。

 そこまでして、奴隷を欲しがるような物好きはいないだろう……と思ったら、世の中には少なからず存在するようです。奴隷というアホな脳内ファンタジーを、現実のものにしてしまおうと企む愚か者が。




 二〇〇〇年の一月、新潟県のとある一軒家にて、十九歳の女性・A子さんが保護されました。このA子さんですが、驚くべきことに一九九〇年にBという男によって誘拐され、九年二ヶ月もの間、外出したことが無かったのです。まるでB級映画のような事件ですね……。

 犯人であるBの家を訪れた保健所職員の機転により、A子さんの存在は明るみに出ました。言うまでもないことですが、もしこの職員の機転がなかったら、A子さんの奴隷生活は続いていたのでしょうね。

 このA子さんですが、長らく発見されなかった理由として、完全に「洗脳」されていたことが挙げられるでしょう。「Bから、常々ひどい暴力を受けていた」と説明しています。また、「俺に逆らったら、親兄弟や友だちもさらってやるぞ」との脅しも受けたそうです。

 余談ですが、私もかつて軟禁生活を送っていた時、似たような文句で脅されました。これらは、人をさらった時に必ずといっていいほど使われる文句です。私の場合、二十歳を過ぎていたので相手の嘘に気づけましたが……当時、九歳のA子さんには無理な話だったのでしょうね。

 奴隷と化したA子さんをBがどのように扱っていたのか、想像するのは難しいことではありません。ただ、それを書くのは控えます。一つ言えるのは、BはA子さんに生涯消えないであろう傷を負わせたということです。

 ちなみに、このBは刑を終え、現在は出所しています。ネットで調べれば実名は簡単に分かりますが、ここではあえて伏せました。




 この『新潟少女監禁事件』に影響を受けたとしか思えない事件があります。

 二〇〇〇年の六月三日、愛知県豊橋市に住むCは、同市内の小学校付近で道を尋ねるふりをして少女に近づき、カッターナイフを見せ「言うことを聞かなければ殺すぞ」と脅し、自転車で連れ去りました。

 しかし今回は、警察の連携が見事でした。隣接する警察署から類似の事件を起こした人間の情報が入り、Cの存在がクローズアップされます。

 結果、Cは任意同行により自供し、少女は警察官により保護されました。この少女は、体のあちこちに打撲痕や刃物による傷がついており、しかも三日間なにも口にしていなかったそうです。




 これらは、被害者が助かった事件ですが……さらにひどい話があります。『女子高生コンクリート詰め殺人事件』は、被害者が亡くなってしまいましたが……これは鬼畜の所業としか言い様がないですね。

 アルバイト帰りの女子高生に言葉巧みに近づき、倉庫内へ連れ込み「俺はヤクザだ」などと言って脅し、監禁しました。

 その後のことは……ここでは書けません。気になる方は自己責任で調べてみてください。あまりにも不快な出来事のオンパレードですので。一つ言えるのは、彼女は奴隷として扱われた挙げ句、その命を散らせました。

 この犯人らに対し、個人的には非常に不愉快な想いを抱いていますが、それをここで延々と書き連ねるのはやめておきましょう。ただ、被害者はどんな思いで亡くなったのでしょうね……彼女は、何も悪いことはしていません。その場を自転車で通っただけで加害者に目を付けられ、人生を終えることになってしまったのですから。

 運がいいとか悪いとか、そんな簡単な言葉では片付けられないものがありますね。




 正直、奴隷というテーマからは逸脱してしまった感がありますが……最後に言いたいのは、男女を問わず夜道の独り歩きは気をつけて下さいということです。

 知人が言っておりました。刑務所の中には、女を車でさらって集団で強姦した挙げ句に山に捨ててきた……などと言うことを、自慢気に話す者が少なからずいたそうです。

 果たして、彼らが本当にそんなことをしたのかは分かりません。だが、してもおかしくない人間が大勢いるのも確かです。

 さらに、今のなろうにおける奴隷というキーワードの人気ぶりを見るにつけ……実際に行動に起こそうと考える馬鹿者がいても不思議ではありません。

 皆さん、外を歩く時はくれぐれもお気をつけを。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ