趣味は意外と大切です
以前にも書きましたが、犯罪者あるいは元犯罪者には、キャバクラ好きが本当に多いですね。さらに、ギャンブル好きも少なくありません。
キャバクラもギャンブルも、金がかかるのは間違いありません。自分の身の丈を超えた遊び方をしていれば、あっという間に借金地獄からの自己破産……というコンボが待っています。まあ、こんなことは今さら言うまでもないことではありますが。
ただ、犯罪者ないし元犯罪者の中には、暇な時間をどう過ごしていいのか分からず、最終的にパチンコに行く……という人たちもまた、少なからずいるんですよね。
結果、熱くなった挙げ句に生活費が無くなる……こんなのは、よくあることです。私自身も経験があります。今は、全てのギャンブルから縁を切っておりますが。
朝に職場へ行けば、夕方になると家に帰ってきます。さて、ここからどうするか……その過ごし方は、人それぞれです。家族との団らんの時間を楽しむ人もいるでしょう。あるいは、習い事にいそしむ人もいるかもしれません。何もせず、ぐだ〜っとしているのが幸せ……という人も、いてもおかしくはありません。
どんな暇の潰し方をしようと、それは個人の自由です。
しかし、その暇の潰し方が自身の生活を圧迫するようでは、何の意味もありません。
前にも書きましたが、犯罪者はキャバクラ好きが多いです。中には、住所不定であるにも関わらずキャバクラに行く者までいます。私の知り合いにも、キャバクラで月に数十万遣った……と言っていた人もいました。
私はキャバクラに行ったことはありません。場末のスナックのような店なら行ったことはありますが、明らかにキャバクラとは違うものですよね。
スナックはともかくとして、私はキャバクラの楽しさについて語ることは出来ません。しかし、かつての友人や知人にはキャバクラ好きもいました。キャバクラで破産した者はいませんが、そういう人間の噂も少なからず聞いています。
実際、キャバクラは依存症のようになってしまう魅力があるのかもしれません。さすがに本格的な依存症になってしまうと、医者の治療が必要でしょうが……そうなる前の段階でしたら、他の趣味があれば何とかなったのかもしれません。
趣味というものは、案外バカには出来ません。時間を潰す手段を知らない人間は、ほとんどの場合ロクなことをしないからです。たとえば酒は気軽に手に入り、いい気分になれますが……飲み過ぎればアルコール依存になります。ギャンブルは手軽に行き、スリルを味わうことが出来ますが……これまた、過ぎれば依存症になりますね。
基本的に、犯罪者という連中は暇を潰す手段を知りません。金があって暇がある時はパチンコやキャバクラに行けますが、暇があって金がないと何も出来ません。せいぜい安酒を煽って寝る、それくらいでしょうか。
金がなく、暇だけはある。こういう時こそ、彼らは悪さをします。普通の人なら、仕方ないと割りきりますが……なまじ悪さ慣れしてしまっている連中は、罪を犯すことにためらいがありません。
小銭を稼ぐために万引きをしたり、自販機を壊したり、車上荒らしをしたり……まあ、たいがいは小さな犯罪ですね(罪は罪ですが)。ひったくりや強盗のような人を傷つける可能性のある犯罪までいくケースは稀ですが、0ではありません。
そして……罪を犯して得た金を、彼らはキャバクラだのギャンブルだのにつぎ込みます。ひどいのになると、その金で覚醒剤のような薬物を買う者もいます。
この繰り返しの先に何があるか、いちいち説明するまでもないですよね。彼らは最終的には逮捕され、刑務所に送られることとなります。
さすがに依存症までいってしまうと、専門家の助けが必要かもしれません。また薬物にハマったとなると、確実に一度は地獄を見ることになるでしょうね。
しかし、その前の段階でしたら……他の趣味を持つことで、この負のスパイラルから逃れられるのではないかと思うんですよね。
少なくとも、私が見てきた連中には趣味と呼べるものが無かった気がします。私の知人たちは刑務所を出た後、建設現場の作業員やトラックの運転手などをしていました。勤勉に働く、という点に関しては出来ていた気がします。
しかし、仕事が終わった後に暇を潰す方法を知らなかったのです。いえ、正確に言うと「上手く暇を潰す方法」とでも言えばいいのでしょうか。暇潰しの手段が、ひたすら金を浪費するものだった……そんな気がします。
彼らは有り金を使い果たし、結局は犯罪に走る。あるいは上手く暇を潰せず安酒を煽り、挙げ句につまらない罪を犯して警察に捕まる。バカみたいに見えるかもしれませんが、こういったケースは世の中に多いんですよ。
身の丈に合い、かつ本人が心から楽しいと思えるような趣味……法に触れたり、度を超して他人に迷惑をかけるようなものでなければ、どんなものでも構いません。犯罪者という人種は、本当に趣味と呼べるものを持っていない人間がほとんどなんですよ。
日常の嫌なことを忘れられるような何かがあれば、罪を犯そうなどという気にはならないでしょう。人生におけるスパイスの役割を果たせるなら、ゲームだろうと格闘技だろうと地下アイドルの追っかけだろうと、何でも構わないと思います。
もっとも、楽しさを理解するには、それなりの継続を要するものもあります。また、好き嫌いという部分はどうしようもないですからね……最終的には、自分にぴったりマッチした趣味と出会えるかどうかは運次第ということになるのでしょうか。こう言ってしまうと身も蓋もないですが。




