あるアニメを観て、思い出したこと
前半には、『魔法科高校の劣等生』に対する悪口……のようなものが書いてあります。ファンの人は不快になるだけですので、ここから先は読まないことをオススメします。
先日、『魔法科高校の劣等生』なるアニメを初めて観ました。夜中、地元のローカル局でなぜか再放送していまして、設定も前後の話もほとんど分からないまま、途中の一話だけを観てしまったのです。
この作品に関しては、いい噂はあまり聞いていませんでした。私がなろうに登録した直後、お世話になった師匠のようなユーザーさんが御自身のエッセイにて、かなり辛口の評価をしていました。そのため、私は観る気になれなかったのです。以前に放送されていた時、OPだけ観たことはありましたが。
ところが先日、全くの偶然から観てしまいました。正直、バトルは後出しジャンケンの感じが強いという印象を受けましたね。また、魔法というある意味では反則な単語が連呼されている世界観には、付いて行けないものを感じましたが……それよりも、強く印象に残った部分があります。主人公とその仲間たちが、テロリストのような連中を制圧していたのですが……高校生でありながら、テロリストの片腕を切断したり命を奪ったりしていたのです。
まあ、バトル系のラノベが原作です。そこは良しとしましょう。私が気になったのは、その後のことでした。
主人公とその仲間たちは、何事もなかったかの如く……普通の高校生のように友人との会話を楽しんだり、彼女や女友だちとイチャイチャしたり、誰が誰を好きという会話で盛り上がったり、グループ内のカップルをからかったり……そうした会話をしていたのです。端から見れば、よくある若い男女のグループにしか見えません。
しかし、彼らはほんの少し前、魔法で人を殺したり刀で腕を切断したりしていたのです。
プロの傭兵や少年兵ならともかく、人の命を奪ったり、敵の片腕を切断した刀を握っていた手で何事もなかったかのように好きな女の子に触れる高校生……私はふと、かつて会った人間を思い出しました。
以前にも書いた通り、ヤンキーは基本的には大して強くありません。彼らはもともと、体力も根性もありません。部活動でガンガン体を鍛えている体育会の学生の方が、喧嘩では確実に強いでしょうね。
ところが、中には化け物みたいに強い者もいます。それも、ただ強いだけではありません。とんでもないことを平気でやらかす者が、ごく稀にではありますがいるんですよね。
例えば、イタズラと称して後輩に酒をかけ、ライターで火を点ける。結果、本物の炎上となるわけですが……シャレになりませんよね。しかし暴走族やチーマーやギャングといった不良集団には、こんなことをする輩が一人や二人はいます。それも、普通のテンションで出来るんですよ。まるでタバコに火を点けるような感覚で、ヘマをした後輩に火を点けるようなキチガイが……。
この「普通のテンションで無茶苦茶が出来る」という特性を持った人間は、本当に怖いです。彼らは、とんでもないことを平気でやらかします。喧嘩でも、殺す寸前まで相手を追い込みます。土下座している相手を鉄パイプや木刀で滅多打ちにし、病院送りにしたりします。
しかも、その直後に平気な顔をして友人と談笑したりするのです。一人の人間に対し、下手したら死ぬかもしれないような重傷を負わせた直後に、です。
こうした人間については、いろんな解釈が出来るでしょう。生まれつき他人に共感する能力がない、いわゆるサイコパスなのかもしれません。あるいは、仲間内で「俺って凄いでしょ」というアピールをしたいがために無茶苦茶をしてきた結果、非人間的な人格が出来上がってしまったのかもしれません。それとも、何か他の理由があるのかもしれません。
真相は不明ですが、こうした「人の腕を切り落とした直後、楽しそうに仲間たちと会話をしながら恋人とイチャイチャできる」神経の持ち主は、不良集団の中に確実に存在しています。夕方のニュース番組にて報道されるような、リンチ殺人事件や集団強姦事件をやらかす集団の中には……こんなタイプが一人や二人は混じっているものです。
このタイプは、どんな状況においても真っ先に行動します。しかし、世間によくいる単なるお調子者とは決定的に違う点がありまして……お調子者は、基本的に周りから軽く見られています。そのため、暴走しそうになっても「いい加減にしろバカ」と言って、誰かが止めに入ります。
しかし、ここで挙げたようなサイコなタイプは、周囲から恐れられています。そのため、無茶苦茶をやり始めても、誰も止めに入れないことがあります。初めは単なる小競り合いだったのが、最終的にリンチ殺人になるケース……加害者の中に一人、サイコなタイプがいるような気がしますね。サイコが先陣を切って被害者を痛めつけ、周囲も止めることが出来ない。あるいは、周囲も影響されて被害者を痛めつける……もちろん、私の想像の域を超えていませんが。
こうした人間への対処法は、私には分かりません。ただ、不良の集団の中には、サイコなタイプが一人は紛れています。一般の学校もしくは会社にいたとしたら「ちょっと変な人」くらいの評価で、大した害にはならないかもしれません。しかし、不良集団の中にいると……周囲から「あいつ、超やべえよ」という評価を得て、とんでもないことをしでかす可能性が高いですね。とはいえ、我々のような一般人には気をつけようもないのですが。
前半ではいろいろ書きましたが、『魔法科高校の劣等生』は大変な人気を博した作品であり、映画化もされるようです。観ても損はないかと……私は観ませんが。




