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エッセイ書いたんだよ!  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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護身のための道具

 今回は、身を守るための道具について語ります。世の中には、様々な護身具が発売されているのは皆さんもご存知でしょう。しかし、これらは扱いを間違えるととんでもないことになります。ですから、その危険性を少しでも知っておいていただきたいですね。

 なお、念のために書いておきますが、私はプロのボディーガードであるとか元・傭兵であるとか武術の達人であるとか、そういった者ではありません。ただ、一般人ではない人たちとの付き合いはありました。中には、強盗で捕まり服役した人もいまして……そういった人たちから聞いた話を参考にしています。「それは違うよ」という意見もあるかもしれませんが、あくまでも私個人の意見として捉えていただけると幸いです。


◎警棒


 制服警官は皆、警棒を所持しています。これは、警棒という武器の実戦性を証明しているから……と言いたいところですが、正直に言うなら、素人が警棒を持ったところで有効には使えません。

 棒で何かを殴るというのは簡単ではありません。相手が生きている人間なら、なおさらです。また、棒で硬い物を叩くと、手がジーンと痺れることがあります。叩いた衝撃により、棒が手からスッポ抜けてしまうこともあります。

 まず警棒は、非力な女性にはオススメできません。また、非力な男性にもオススメできません。剣道や棒術の経験がないと、宝の持ち腐れでしょうね。


◎スタンガン


 ボタンを押すと、バチバチと電気が流れるスタンガン。護身具としてはポピュラーなものですね。ただ、私はスタンガンを使ったことがありません。そのため、ここから先は想像によるものですが……スタンガンは、リーチが短いのが最大の欠点ですね。また、ドラマなどでは大男を一撃でノックアウトさせていますが、実際にはそれは不可能に近いそうです。これも素人が使うには、不向きな護身具でしょうね。


◎催涙スプレー


 催涙スプレーもまた、ポピュラーな護身具ですね。小さなものなら、ポケットにも入ります。万一、暴漢が現れた場合、ボタンを押して催涙ガスを噴射させます。そうなると相手は涙が止まらなくなり、動きが完全に止まります。

 一見すると便利に思える、この催涙スプレーですが……実は場所と距離を間違うと、自分もダメージを受けます。私は以前、誰もいない自室で催涙スプレーを噴射したことがありますが、自分の目がダメージを受けました。相手の視力を奪った代わりに、自身の視力も奪われては話になりません。

 また、どういう原理かは知りませんが、催涙スプレーには使用期限があるようです。私は以前、数年ほど放置していた催涙スプレーのボタンを自室で押してみたところ、空気しかでませんでした。説明書をよく読んでいなかったので不明ですが、どうもガスが抜けてしまうようですね。


◎刃物


 正確には、護身具とは言えませんが……やはり刃物の敵に与えるインパクトは大きいです。日本の強盗事件は、刃物によるものが多い気がしますね……統計を取った訳ではないので、正確ではありませんが。

 また刃物の殺傷力は、護身具の中でも群を抜いております。突いてよし、切ってよし……ただし、どんな状況であれ刃物で相手を殺してしまったら、その時点で正当防衛の成立は難しくなるでしょう。銃刀法などの兼ね合いもありますし、刃物だけは持ち歩かない方がいいかと。


◎防犯ブザー


 ひも状のスイッチを引けば(機種によって違うかもしれませんが)、大音量を鳴らして周囲に危険を知らせてくれる道具です。これは、相手を直接傷つけたりはしません。また、使用に際し強い腕力も必要ありません。

 なので女性向き、と言いたいですが……これも宣伝文句のように役立つかどうかは難しいですね。正直な話、外で防犯ブザーの音が鳴っていたからといって、近所の住民が通報したり助けに出てきてくれるとは思えません。「いたずらか?」の一言で終わりそうな気はします。ただ、けたたましい音が鳴っていれば、犯罪者も嫌になってくれる可能性はあります。無いよりは確実にマシでしょうね。




 様々な護身具を紹介してきましたが、護身具を正当な理由なしに所持していると、警察に引っ張られて注意を受けます。下手をすると、調書を書かれる可能性もあります。さすがに起訴されたりはしないとは思いますが、護身具の没収は避けられません(防犯ブザーは除きます)。

 さらに、別の問題もあります。例えば、護身具を相手に奪われてしまった場合……その時は、こちらが護身具によって傷つけられることになります。これは非常に怖いですね。

 これは特殊な事例かもしれませんが、念のため書いておきます。私は、相手を掴んでいる状態ならば、目をつぶった状態でも関節技や絞め技を掛けられます。これは私に限った話ではありません。ある程度の心得のある柔道家やレスリング選手なら、目をつぶった状態でも投げることは可能です。そんな人間は、探せばいくらでもいますので……仮に催涙スプレーで視力を奪ったからといって、完全に無力化したわけではありません。

 また、これは有りがちな話なのですが……護身具を持っているからといって、気が大きくなってしまうケースもあります。例えば、道を歩いていて柄の悪い兄ちゃんと肩がぶつかったとします。普段なら「すみません」の一言がすぐに出ていたのに、気が大きくなっていたばかりに要らぬトラブルを招いた……これ、有りがちなんですよね。 たまに、電車の中や店の中などで催涙スプレーが噴射された……などという事件が起きますが、恐らくは催涙スプレーを所持していることから気が大きくなり、下らない理由から揉めてしまったのではないかと推察します。あるいは、関係ないトラブルに自ら首を突っ込んで行ったか……いずれにせよ、誉められたものではありませんね。


 最後に、私なりの護身具についての意見を述べさせていただきます。基本的には持たない方がいい、というのが私の考えです。しかし、様々なデメリットを承知した上で、どうしても持ちたいというのでしたら……どれか一つだけを所持する、というのはやめた方がいいです。催涙スプレー、スタンガン、防犯ブザーという感じで複数を携帯しているのがいいかと。護身具は一長一短ですから、短所を補うためにも、最低でも二種類は持っておくのがいいかと思われます。


 護身具を持ち歩いているのが警察に見つかれば、没収された上に注意されます。さらに、度重なれば何らかの形でペナルティを受けることになるかもしれません。私は法律の専門家でないので、詳しいことは分かりませんが。

 ですので、どちらを選ぶかはあなた次第です。警察との面倒なトラブルを避ける代わりに、護身具を携帯することによる安全および安心感を捨てるか。あるいは、護身具を携帯し安心感を得る代わりに警察とのトラブルを覚悟するか。

 おまけで付け加えますと、私の経験上、職務質問をする警官はほとんどの場合、足首までは調べません。なので、足首に護身具を隠しておけば見つかりにくいとは思います。ただ、これも百パーセントではないので……。






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