50話 僕は他人
鏡を見てるといつも思うんですよ。
『ここに映ってるコイツは誰だ』…ってね。
例えば、僕には○○君っていう友達が居るんですけど、
僕はその子の特徴はスラスラ言えるわけです。
「○○君って誰だ?」
「勉強が出来てイケメンだけど、ちょっと抜けてる所がある子」
みたいな。
で、鏡に向かってもう一回尋ねる訳ですよ。
「じゃあお前は誰だ?」
「かっこよくもないし、勉強が出来るわけでもない。基本的に中途半端な奴」
答えるんですよ、そいつが。
それで、何が不満かっていうと、いかにも客観的に答えやがるんですよ、そいつは。
○○君と何が違うんだよ。
『顔は○○君の方が素敵』
いや、そうじゃなくて。
なんだか自分が他人に思えてくるんですよ。
でも、そう言ってたら堂々巡りじゃないですか。
だから、こう質問するんですよ。
「お前は俺だろ?」
そしたら決まって、
「ああ、俺だよ」
って返ってくるんです。
でもこれって当然ですか?
鏡に映っている○○君は別になんとも思わないんです。
そりゃあ、他人だから。
自分から見てこんな奴、だから鏡に映ってもこういう奴なんだってわかるんです。
じゃあ自分は?
わかりません。
鏡を見ても、携帯で写真を撮っても、僕は僕を他人としか思えません。
自分が自分であることがわかりません。
自分を主観的に見れないからですか?
それとも自分が自分であるのに納得していないからですか?
わかりません。
誰か教えてください。




