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43話 TV中毒
ドアの隙間から母が見える。
「あはははは」
母が笑っている。
どうやらテレビ番組を見ているらしい。
そのテレビの内容は、雪男がミイラ男になんでやねんと突っ込んでいるだけで僕には到底面白いとは思えなかった。
「はははははは」
休む暇なく母は笑い続けている。
口内が見えるくらいに口を大きく開けて、笑い続けている。
「はははははははは」
ビチビチと音を立て、母の頬が裂け始めた。
「はばばばばばばばば」
少しづつ笑い声が濁ってきている。
その上、勢いが落ちることなく口が裂け続ける。
「ばばばばばばぼぼぼぼぼ」
とうとう上唇と下唇の角度が180°になった。
「ぼぼぼぼぼぼぼぼばばぶぶぶぶぶぎょっ」
上唇と下唇が1回転してくっついたと同時に、母は絶命した。
ピンク色の口内を外部に晒し、喉を露出したまま母は絶命した。
「やはりテレビの見過ぎは体に悪いんだな」
僕は改めてそう思い、静かに部屋のドアを閉めた。




