3話 ないぞうがないぞう
「内臓がないぞう」
授業中、僕の隣の席にいる友人が急に立ち上がって叫んだ。
『何が起きたんだ』そんな顔をしつつ、クラス中が友人を見た。
そして友人は、ポケットからサバイバルナイフを取り出して自分の腹を勢いよく切った。
鈍い色の血と臓器がこぼれ落ち、友人は絶命した。落ちた臓器の中に内臓は無かった。
「内臓が・・・ないぞう・・・」
床に血溜まりを作る友人に向かって、誰かが小さな声でそう呟いた。
その瞬間扉が勢いよく開き、
「キャッハー!ないぞうはないぞおおおおお!!!」
校長先生が日本刀を持って入ってきた。
「ないぞうはないぞおおおお!!!」
抜群の切れ味を誇る日本刀がヤンキーの体を十字に切り裂いた。
「ないぞうはないぞおおおお!!!」
勢い余ってクラス委員長をを真っ二つにした。
「ないぞうはないぞおおおお!!!」
校長先生は虐殺の限りを尽くした。
皆の首が飛び、喉が裂け、四足をバラバラにされ、体が半分になっていく。
生徒達は、何もわからないままに殺されていった。
数分が経過した。
クラスは臓器と血があたりに飛び散って真っ赤に染まっていた。
ただ、その中には内臓がひとつもなかった。