11話 うろおぼえブロッコリー
「ひろくーん」
あ、僕を呼ぶ声が聞こえる。
「はーい」
時計を見ると7時を指していた。
ご飯だろうと思い、ゲームの電源を落とす。
「ご飯よー」
「今行く」
時間を置かず聞こえてきた声に返事を返し、僕は階段を下り始めた。
「うわっ…」
食卓に着くと、豪華な食事が並んでいた。
何故か、ほとんど全ての料理がみどり色を帯びている。
『もしかしてブロッコリーが使われているのか』
僕は不意に、そんな事を考えた。
15歳になっても未だに苦手で、見るだけで吐き気を催す食材。
ブロッコリー。
そんな最も嫌な想像をしていると、母さんが笑顔で話しかけてきた。
「実は今日はお隣さんから沢山ブロッコリー貰ったから、ご飯に沢山使ってギュイ
母さんが言い終わるのを待たずに、戸棚に隠しておいた鉈で母さんの頭を思いっきり殴った。
「ブロッコリーって二度と言うんじゃねぇ!」
叩く叩く。頭蓋骨が陥没し、首に下顎がめり込んだ。
「ブロッコリー嫌いなの知っているだろうが!」
叩く叩く。叩きすぎてぐちゃぐちゃになった頭蓋骨が裂けた胸から溢れ出す。
「ブロッコリーなんて無くなればいいんだあああああああ!」
叩く叩く。肉塊になった母を見下ろし、一息つく。
暴れるだけ暴れて、だんだん落ち着いてゆく。
これから先はどうするかで頭を悩ませながら、取り敢えず空いた腹を満たそうと、ブロッコリーの入っていない料理に手をつけた。




