第01話:退屈な教室.mp4
第01話です。
温かい目で見守ってくださると幸いです。
─ 無難に県内四番手の県立高校に進学した俺は、どんな高校生活を送れるのかとわくわくしながら教室に
入った。だが、その瞬間、嬉しさ、期待、そして少しの落胆を味わった。
教室は、THE普通な教室だった。
別に特段怪しいオーラを放っている奴なんていないし、もちろん宇宙人や超能力者だっていない。
ただ普通の高校生が普通の学校生活を送っているように見える。
しかし、心のどこかで非日常な存在との邂逅を願っていた俺は少しばかり落胆した。
やはり、そんなSF小説のような展開は現実には存在しないのだ。
結局、俺はポケットからスマートフォンを取り出し、Youtubeを見ていた。
だが、何だろうか、この言いようのない違和感は...。
今年の正月からずっとこれだ。
きっとデジャヴか何かの類だろう。
そう、俺は自分に言い聞かせた。
入学式が終わり、新しく着任した担任が新学期に必要なプリントを配っている最中も、どこか俺はやきもきして、この退屈な現実に対し落胆をしていた。
休み時間になると、新しいクラスメイトはそれぞれ仲良く盛り上がって話していた。
無論俺も例外ではなく、中学からの友達である九条と加美北と机を同じくしてくだらない話で盛り上がっていた。
しかし、その話をしている最中も、俺はどこか上の空だった。
..........。
「──なあヨッシー、聞いてるか?」
九条の声で、俺はようやく現実に引き戻された。
「あ、ああ……悪い。ちょっとぼーっとしてた」
「入学初日からそれかよ。らしくねえな」
加美北が笑いながらペットボトルのキャップを開ける。炭酸の抜ける音がやけに大きく聞こえた。
「──なあお前ら、」
「この正月からずっと違和感があるんだが、お前らもそういうの無いのか?」
九条と加美北は一斉にこちらを向き、そして吹き出した。
「何言ってんだよヨッシーw 御陵さんへの思いが熱くなりすぎて、遂に頭が沸騰しちゃったか?w」
因みに、御陵というのは幼稚園から仲がいい俺の幼馴染だ。
一応美人らしい。それは俺も認める。
そして何故か奴らの頭の中では、俺とあいつは小学校のころから付き合っているという設定らしい...。
しかし、あいつは性格が悪く、付き合った男は大体悲惨な運命をたどるという男たらしなため、
俺は絶対に付き合いたいとは
思わない。
しかし、彼女はこんな普通の高校では無く、県内トップの進学校・幸楽園高校に進学してしまったため、
今年からはほぼ会う機会は無くなり、きっと疎遠になってしまう事だろう。
話を戻すが、
あいつらの反応を見るに、この違和感を感じているのは、どうやら俺だけのようだ。
受験で鬱にでもなったのだろうか。
俺は、この退屈な教室に対して心の中で大きくため息をついた。
やはり、非日常な存在などいない。
そんなことは分かりきってたことじゃないか。
何で今更、こんな平凡で退屈な現実に対して落胆しているんだ。
そう自分に問いを投げかけながらも、俺は九条と加美北の話に頷いていた。
しかし、ただのデジャヴでは片づけられない違和感が、確実にこの現実を蝕んでいた事を、
この時はまだ知る由も無かった──。
お読みいただきありがとうございました!
スミルナです。
これからどうこの日常が非日常に変わっていくのか、、、
こうご期待!!!




