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第14話 最終回

★作者の考える最終回は前頁の第13話です。ここからはオマケとしてお楽しみください。

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 天国にて。再会する五人。


 サトシ

「久しぶりだなヨシタカくん! あの時は本当すまなかったよ」


 ミキオ

「おい、待ちくたびれたぜ。いつまでも変わんねーな」


 ミズハ

「ヨシタカ君! 嘘ついてごめんなさい! で、でも、あなた女神様と何イチャイチャしてたの?」


 ユアイ

「お、お兄ちゃん……会いたかったよぉ、ぐすん」


 ヨシタカ

「ぼくだけ遅くなってごめん」


 四人

「「老けたな~~!!!」」


 ヨシタカ

「ほっといてくれ」


 ★


 ミズハ

「あの時、魔王様は善い人って訳じゃないけど丸っきりの悪人でもなかったの。元は女神様の一部を貰った魔族だったから、女神様の影響で基本的な高潔さみたいなものがあったのよね。そして読書家」


 ユアイ

「ざっくり言うと魔王さん暇だったのよね」


 ミキオ

「悪を極めるにしても時間が必要というかな」


 サトシ

「暖炉の横に大量の書籍があって、貴重な本じゃないか? 燃やしていいのか? と自問自答しながら燃やしてたよ。本を書いた作者の筆跡は調べれば魔王かもしれない。僕たち千年以上の記録を燃やしたって顔引きつって焦ってた」


 ぼく「へぇ~」


 ミズハ

「それでね最後『お前ら走れ!』って言われて、私たちが走りだそうとしたら吹雪が入ってきて、サトシくんが急いで窓閉めて扉の下にもゾーキンとか詰めて暖炉の傍で結界を張ったのね」


 ユアイ

「ところがそれですら全く太刀打ちできなかったの……」


 ぼく

「今は平気で話してるけど当時は大変だったね」


 ミズハ

「その場では意外と冷静だったわ。現実味が無かったせいだけど。ふと考えると怖くなってきて、だって凍って死んだら二度と会えないんだよ?」


 ★


 ミズハ

「ところで貴方はどんな暮らしをしていたの? 私たちは女神様と違って直接見られなかったから」


 ユアイ

「わたしはお兄ちゃんの幸せしか考えてなかったなー」


 ぼく

「あんまり語ることがないんだよね。生涯独身、好きで辺境の村で仕事して頑張ってただけ。時々、ヘルプの依頼が舞い込んできて出張するという感じ。でもその代わり、皆の事を考える時間がたくさんあってさ。引き籠りヲタだけど個人的にはとても良かった」


 ミズハ

「女神様から一杯話を聞いてるよ。ラブラブだったとか惚気(のろけ)て色々と話を聞けました。浮気者! とは言いませんけど、ちょっと悲しかったな。後で慰めてね」


 ユアイ

「わたしも慰めて欲しいー」


 ★


 女神ハル

「みんな、また転移させてもいい? 記憶なくなるけど」


 ヨシタカ

「どこへ行くんですか?」


 女神

「みんな同じ高校の生徒で。ヨシくん高校二年生なら一番多感で面白くて、フラれて悲しんだり喜んだり楽しいわよ」


 ヨシタカ

「そ、そうなんですか……」


 ユアイ

「先生ハイ、ハイーーー!」


 女神

「はい、ユアイちゃん、どうぞ」


 ユアイ

「私、お兄ちゃんとは、幼馴染で恋人が良いです!」


 ミズハ

「はっ! それだと私が妹!? ええ、そんな、イヤ……」


 ユアイ

「キスが一年に一回というのは恋人じゃなくっても良くないですか?」


 ミズハ

「えええ、でも、だって、恋人じゃないとイヤ」


 ユアイ

「でもだっては禁止です。妹になれば、お兄ちゃんの秘儀”《妹殺し》”が体験できますよ」


 女神

「ユアイちゃん駄目ですよ、妹は貴女だけしかいません」


 ユアイ

「えーーーっ、()()()()じゃだめですか? 恋人になればキスできるのに!」


 ミズハ

「キスはかなりエッチな行為なんだよってユアイちゃん前言ってなかった? そんなエッチな描写、マズくないですか?」


 ヨシタカ

「キミたち」


 サトシ

「僕は女神様の指示に従うだけです」


 ミキオ

「俺にも彼女ください。恋人欲しいです」


 女神

「どこに転移しようと転生しようと、自分の努力で頑張ってね。恋人作りは自分の力でね」


 サトシ

「はい」


 ミキオ

「えーー」


 女神

「そうそう転送の時に紹介したい下級天使がいるの。この子たちよ」


 オジサン

()()トラック運転担当です」


 娘

「転移トラック助手席担当です」


 オジサン

「転移トラックを運転してると色んなことがあります。まず転送対象に当たるタイミングで衝撃を相手に与えないこと、転送相手を間違えない事です」


 娘

「何度か間違えたことがあって、修正するために奔走したよねオジ。ブラック企業の三十歳と聞いていたのに跳ねたのは優良企業の三十五歳の人でした、とか。泣きましたよ」


 オジサン

「なかには転移トラックに乗り込んできて人生相談を始めちゃった女子高生とかいましてね、イジメの境遇に思わずホロっと」


 娘

「私は仲良くなって別れるのが辛かったわ。オジは可愛い子には凄く甘いんです。まったく隣に座る仕事じゃなければ……」


 ミズハ

「あの、転送の人を跳ねた後はどうするんですか?」


 娘

「転移トラックに乗せるんです。そして雑談したりして転移を納得してもらい合法だと記録して一旦天界に戻ってチェックして新たな異世界へ送ります。そこで私達だけの記憶を消去します。異世界勇者のリクエストが多いですから大変ですよ」


 女神

「貴方たち、すごくウップン溜まっていませんか?」


 娘

「だって、だって女神様ぁ~~~」


 オジサン

「大変といえばクラス単位での転送ですね。転移トラックじゃなくて空間転移魔法の特別版しか利用できず、人も多人数の為、間違った人をよく巻き込みます。ボッチの人は予測できない行動をとられることがあって……」


 娘

「一人でも間違えたら大変な作業が発生するのよ。複数いたらお手上げなの。分かってくださいます? この苦労」


 ユアイ

「大変ですね、お手伝いしてあげたくなる……」


 ミキオ

「転移トラックか。俺も運転手やってみたいな」


 娘

「可愛い娘がヒッチハイクしてても停まったらダメですよ? 普通のトラックに仮装してますけど一般の人が普通に乗れますし、ウッカリ転送コースに間違えて入れちゃいますからオジが」


 女神

「ま、そういう事で、みなさんこの子たちを覚えておいて宜しくね」


 五人

「「ハイ!」」


 ヨシタカ

「ところで女神様、次行く場所で、女神様は出てきてくださるんですか?」


 女神

「もちろん! 名前はねぇ…ちょっと教えちゃうけど……稲垣華(いながきはる)よ。ハルって呼んでね。憧れのハグ+キスを今度こそ叶えるわ!」


 ★


 永遠の命を持つ女神さま。彼女は暇だった……。




【勇者たちの使命感:次なる異世界へにつづく】

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