真夏とラジオ⑦(朝起きたらゾンビだった件)
流れ星の下
とある地下研究機関
白衣の上からエプロンを着た奇妙な姿の研究員が、ほくそ笑んだ。
キジバトが鳴いている声が聞こえる。
いつもより早く目が覚めた。
体が動かしづらい。
俺はゾンビになっていた。
朝食を食べようとリビングへ向かう。
両親がパニックになって警察に電話している。
妹の姿が見あたらない。
噛みつきたいが良心から両親に噛みつくのをやめた。
家を出た。
誰に噛みついたかで、なんだか自分が知られるようでやだな。
綺麗な女性。
俺は男色ではない。
子どもはかわいそうだし。
老人もなんだかな。
誰にも噛みつきたくないな。
徘徊してると警官隊に出くわした。
発砲された。
頭を撃たれるとヤバいことは本能的にわかったから、俺は逃げだした。
太陽が昇ってく。
俺の存在や記憶の涙が頬を伝い、地面に滲みこんでく。
波の音
白いカモメ
俺は、海へ身をなげた。