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プロローグ
事件後はいつも、行きつけのショットバーで強い酒を飲むのがお決まりだった。
ガランガラン!
イタリア産まれのベルが建付けの悪い扉のノイズを相殺している。
「あっ先輩〜早いですねぇ!!」
後輩の新富だ。
「まぁ”大きなヤマ”の後はココと決まってるのさ」
「マスター!シャンディガフお願いします」
「今回も結構ヤバかったですもんね!」
彼は勢いよく背の高い丸椅子に腰掛ける。
「ああ。とはいえ、ひとつのヤマが1年以内に”解決”できたのは我ながら何処か嬉しいモノがあるな」
「おやおやドヤ顔ですねぇ〜!」
「五月蝿い...」
注がれたお互いのグラスをぶつけ合いながら、
達成感を噛み締めるようにニヤリと笑った。
続く...