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短編集

太っちょと少年

作者: チャラン

小さな男の子が一人で遊んでいる

彼の幼さにしては複雑すぎるパズルをやっている

ピースの組み合わせをずっと考えているがうまくいかない

ピースが多すぎ完成させるのが大変そうだ


試行錯誤し悩みながらも男の子はパズルにずっと取り組んでいる

なぜそんなに一生懸命なのだろう?

そんな所に一人の太った大きなおじさんがやってきた

「行き詰まっているね。手伝おうか?」

「ああ、久しぶりだねおじさん。助けてよ」

太っちょと少年は顔見知りのようだ

それもかなり古くからの

少年は幼いながら少年ではないのだ


太っちょと少年はああでもないこうでもないと言いながら

一つずつピースを組み合わせとうとう複雑なパズルを完成させた

それは見るものを驚かせ感動させる何かを象徴したようなものだ

「これでやっとあそこに持っていけるね」

少年は太っちょにニッコリと笑うと太っちょも笑顔を返す

不思議なことにできあがったパズルは一つから二つになっていた

太っちょと少年はなんととても大きな白鳩に変わり

首からパズルをそれぞれ下げそれぞれある場所へ向かった


二羽の大きな白鳩が向かった所は2つの都市だった

大きな白鳩はその都市の上空まで来るとパズルをそこでするりと落とす

それは空で柔らかい風になり都市全体を優しくそよいだ

なんともいえない風の優しさでその都市の人々の心は穏やかになっていく

悩んでいた人や苦しみを持っている人の心の辛さも軽くなっていく

二羽の大きな白鳩は都市をゆっくり回ると天にどこまでも飛んでいき

そして虹の軌跡を残し消えていった

タイトルの太っちょは「ファットマン」少年は「リトルボーイ」のことです。

日本の長崎と広島に投下された二つの原爆のことですが

この二つの原爆が今、太っちょと少年として存在していたら

どういうことを考えるだろうと思いながら書いてみました。

難解な平和というパズルを二人で一生懸命解いているんじゃないかなという

私の願望が多分に入っています。

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