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第2話 村を探す件

 「よしっ!ここは右に行こう」



 僕は右に行くことにした。何故かって?理由は特にない。ただの勘だ。まあクラ〇カ理論とかではない。影響されているのは確かだけど…。人は道に迷ったりすると左を選ぶケースが多いみたいだけど。まあ今はそんなこと関係ないけどね。人がいることを祈ることしかできない。当たってるといいけど…。






★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆



 「何もない…」



 森から出て1時間、人影はおろか道すらない。



 「ここにきてもまだハードモードかよ。道ぐらいあってもいいでしょ…」



 つい嘆いてしまった。異世界に来たときは「キターーーーーー」とか思ったけどさ…。その時は何かあると思ったんだよ。普通、高校生を未知の場所に独りぼっちにする?しないよね…。



 「足痛いな…」




 仕方ないか…。靴を履いていないし…。まだ平原で草があるから良かったけど、もし転移したところが岩山とかだったら。怪我だけじゃすまなかっただろうしね。



 「あーあ、新しく買った靴下に穴が開いちゃった」



 はぁ、もう急にやる気が…。こういう時、ほんと人間ってなにもできないよね。看板でもあれば…。



 「いや、まだ1時間だ!諦めるのは早い!」



 嘆いていてもしょうがない…。今はとりあえず人を探そう!お城とか見えたら最高なんだけど…。王族とかって勇者とか召喚してるイメージあるし、帰る方法とかも知っている可能性が高いしね。



 まぁ、僕が読んでいた小説なんかは帰れない方が多いし、王族にいいイメージないけど…。例えば魔王が実はいい人で人間側が領土を広げたいだけとか…。自分達のために動いてることが多い気がする。まぁこれは小説の中の話だし、僕はそういう種族間の争いとかに巻き込まれたくないし、戦いたくない。



 こんなことを考えているけど人間以外にいるか分からないし。エルフとかドワーフとか獣人とか。ましてや、戦いとか…。僕何もできないし。…悲しいな、魔法とか使えると思っていたのに。



 いやまだ僕は諦めていない。絶対に使えるはずだ!



 「ここは恥を忍んで叫んでみるか?」



 今、誰もいないし…。少しぐらい試してみてもいいよね。ステータスオープンに関しては忘れよう。うん、そんなこと言った覚えはない。そうだよね?



 「よしっ!やってみるか」



 「コホン…え~」



 「火球ファイアボール



 ……………………………………………恥ずかし~、って何も起こらないのかい!



 ここ本当に異世界か?それとも魔法を使うためには何か条件でもいるのか?考えてもしょうがないことばかりだ。はぁ、また1つ歴史が生まれたよ…。それも黒いやつね。



 「もう歩いて探すしか方法はないのか?」



 少し魔法に期待してたところはある。空を飛んだり、サーチ的な何かで人を発見できたり。異世界ならではの方法でね…。結果は何も起こらなかったけど…。



 「はぁ、今あるのはスマホと開かない手紙だけ…」



 そうだ、異世界に来たのもこの手紙のせいだ!これに触った瞬間にこっちに来たんだ。じゃあこの手紙で元の世界に帰れるんじゃないのか?



 …でも触れただけで転移したし、触れるだけなら今もしてるしね。転移するには何か条件を満たさないといけないのか?



 はぁ、今頃、元の世界では、授業中か…。向こうではどうなっているんだろう。無断欠席だから家に電話がかかっているんだろうな。母さん心配してるかな?学校は…まあ友達も少ないし心配とかないよな。1日も経ってないし。このままいくと行方不明者だよなぁ。急に現れたりしたら色々な人に迷惑かけてるよな。憂鬱だ…。



 「こんなこと考えていても仕方ない。今は、道を探そう」






★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆



 森を出てから3時間が経った。



 「左が正解だったのか?いや今は進むしか…な……い」



 遠くの方を見てみると草ない部分があった。



 「道だ!!」



 ついに道を見つけた。人工的なものだと思う。これで村か街にいけるな。しかも歩いていたら人が通るかもしれない。幸運だ。



 「ついに僕にも運がついてきた!」



 街がいいな~。なんならお城とかあったら最高なんだけど…。






★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆



 「甘かった、本当に甘かった。何故僕は道があったらすぐ街や村があると思ったんだ?こういう道って馬車とかで移動するものだよな…。はぁ…」



 運がついていると思っていたけどやっぱり運がなかったみたいだ。もういいけどね、ここまでくれば。…いやでもよく考えてみたら、数時間魔物らしきものに出会ってないから幸運といえるのか?分からないな。平原地帯には魔物が出ないかもしれないし。まあでも動物らしきものはいたからそういうことはないだろう。…何故動物か分かったって?そりゃ、襲って来なかったから。…もしかしてあれは魔物だったのか?まあ襲って来なかったし良しとするか!うん、そうしよう。



 「お腹すいたな。もうお昼時だよね、そろそろ見つけないと危ないな…。夜になるまでになんとかして街か村を見つけないと」



 「もうそろそろ見つかってもいいと思うんだけどな。結構歩いたと思うし。スマホのバッテリーはまだ半分ある」



 この世界は1日24時間でいいのかな。そうじゃなかったらすごく困るな。もし1時間もしないうちに夜になったら…。そこは信じるしかないな。



 「よし、行くか!」






★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆



 数時間ずっと同じ景色だったけど、遠くの方に建物らしきものがあった。



 「おっ!もしかして村か?」



 「助かった~これで飢え死にせずにすんだ~」



 嬉しいという感情が込み上げてきて思わず駆け出した。



 「お~い、お~い、誰かいませ…ん……か」



 僕は言葉を失った。



 何故かって?そりゃ村じゃなかったからだ。いや元村だ。人が住んでいた形跡がある。しかし木でできた家々は崩れていて、焦げた跡もあった。人が住める雰囲気じゃないな。



 「はぁ…今日はとことんついてないな」



 魔物に襲撃されたのかな?それなら早くここから逃げた方がいいよな。まだいるかもしれないし、魔物が…。でもここに村があるってことはもしかして近くに他の村があるかも。希望が見えてきた!



 「よしっ!もう少しだ!もう少しで人に会える!」


 

 はあ、やっとか、やっと…………………………?



 「…………なんだあれは?」 






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