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趣味
「ふえっへっへっへっへっへっへたまらんの」
しおしおな干からびたおっさんが本を熱心に読んでいた。
これ以上無く熱心に読んでいた。
彼は賢者ラーヴァ。
魔導を悟った最高位の魔術師と呼ばれる男だった。
「このラインの感じ、ええのぉ、儂大好き。」
視線の先にあるのは分厚い本。
重厚な革の表紙に虹色に煌めく印字。
年季は古く、とても高価そうに見えた。
かなり貴重で高難易度か、そうでなければ解読不能の魔術書なのだろう。
「フェッヘッヘッヘッヘ。この太もも。ええのぉ。」
ガッカリしてくれ。
この男が読んでいたのはアレな本だ。