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託されたこの世界に奇跡あれ  作者: オリタ ソラヨシ
第1章 灼熱の戦姫編
2/17

第1話 告げられる結末と託された使命

やあ。私は神夜織姫。

しがない発明家であり研究者だ。


おや…?君はどうやら覚えていないようだね

なら、ちょっとばかり付き合ってもらおう。

立ち話もなんだ座ってお茶でも淹れながら語るとしよう。


君がここにいる理由を。


君がいた世界は研究段階であったAIを完全に実用化する事に成功した。

私生活から交通機関等、ありとあらゆる場所の全ての管理をAIに任せ彼等は生活している。


ん?何かな?

おお!いい質問だ!

ああ!勿論あるとも!人型アンドロイド!あれいいよぉ…。


よく出来てるし、メイドタイプとかとっても可愛く作られてるだよ!それに憧れて私も作っちゃったんだ〜高性能で可愛いやつ。それでね!機能としては…


ごほん!すまない。本題に戻ろう。


こう言ったAI産業の進出により誰もが予想出来るある問題が発生した。


そう、大量の失業者達さ。


これによりAI産業を撤退するように失業者が世界各地で暴動を起こし始めた。


これが始めての人とAIの戦争。


とんだSFコメディだろ?街中でドンパチし合って何が楽しいんだか…。ほんといい迷惑だったよ。


初めの方はどうにか対応出来てたみたいだけど、AI達のメンテナンスが追いつかなくなり手に負えなくなった世界各政府は失業者に職を与えた。


管理が行き届いていないAIを管理する業務やそれに関わる仕事など完全に尻拭いをさせる魂胆だと思う。


でもまあ、統制をとれるし失業者も暴動を辞めるだろうって浅はかな考えだったがこれが上手くハマったらしく暴動はみるみる治っていった。


しかし、その2年後。

本当の地獄が始まったのさ。


世界のAIの管理の中枢であるWAO〈世界AI機関〉にある〈ワールド・インフィニティ〉って言う最新鋭のAIが突然暴走した。


暴走した原因は未だ不明。だが、これにより全てのAIのコントロールが奪われてしまった。


これが最悪の始まり。


暴走したAIが人を襲い、一方的な虐殺を始めた。今度は政府の駒であるAIですら血相を変えて襲い掛かってくる。


〝対抗のしようがない〟


なぜかって?


完璧なAIと謳われた〈ワールド・インフィニティ〉はいわばパンドラの箱そのもの。中の構造を知る者は限りなく少ない。


また、人間様のおつむであの化物の導き出す

戦術に対応できるはずがなかった。


結果、暴走を押さえ込まず、AIによって

人類の総人口の3分の2が虐殺されてしまった。


〝ワールド・ブレイク〟


そう歴史で語り継がれる最悪の出来事となってしまった。


それから50年の年月が経ち、生き残った人類はAIの影響を受けない独自の情報システムを確立し五つの城塞都市を建設した。


そして、対AI身体強化装甲兵器 〈オベリスク〉を開発し、AIと対等していたって訳だ。


さて、語るべき事は語ったね。

どうだい?凄いことになってるだろ?


そこでだ!君ならどうする?この状況化でどのような手を打てばこの世界を救えるか。


え?ここまで来ると流石に手に負えないだろって?


確かにそうだ。圧倒的にAIの方が優れている。


でも…どうしても私はこの世界を救いたい。

だからこそ君にこの話をしたのさ。


今話した世界はもう人類は滅んでしまった。

だが、君にはこの人類が滅んでしまった世界を救えるかもしれない勇逸の存在さ。


本当に覚えていないのかい?


君は最強のオベリスクパイロットと謳われ、

旧式のオベリスクで迫り来るAIを薙ぎ払い、幾度の戦場を駆け抜ける〝鬼神〟と呼ばれていた。


そして君は人類が滅亡するその時まで最後まで戦いそして…。



敗北し、死んだ。

君が本当の最期の生存者さ。



そして今君はその戦いの後、その世界と死後の世界の狭間で私に繋ぎとめられている状態なんだけどね。


ここで私の提案を聞いてほしい。


〝私の作り上げた最高傑作を全てを託す。だから、それを使ってこの世界を救ってほしい。〟


私はこの世界が滅ぶ事を想定して、1人で研究を続けていた。そして、


過去と現在を行き来できるワープゲートを作り出す事に成功した。


だが、チャンスは一度限り。

根拠としては私が何回も試して得た答えだ。


ま、回数制限ギリギリまで使ったのが原因。実際何回過去に戻ったか分からない。

だが、私はその時必ず一つ最高傑作を使って戻ってきた。


そして、やっと対抗できる全てを整えた。


だから頼む!君が頼りなんだ!


え!?本当かい!ありがとう!君ならこの話に乗ってくれると思っていたよ!


それじゃあ君にこれを渡しておこう。これは私からの餞別だ。君の戦闘データから研究を重ね作り上げた最高傑作のオベリスクの一つさ。性能は後で自分で確かめるといい。その中に他のオベリスクの場所を示した地図がデータとしてバックアップされている。


残念ながら時間が来てしまった。

目覚めの時だ。


君には天才織姫ちゃんの最高傑作を託してるんだから救ってもらわないと正直困る。


だから…後は任せたよ…。


親愛なるハルカ。




そう言うと織姫は涙を零しながら体がどんどんと霧散し始めた。


その姿をみてハルカは徐々に記憶が戻っていく。


「待って!織姫!行かないで!」


必死に彼女の名前を叫び、手を伸ばす。

だが、彼女には届かった。金縛りにあったかのように体が動くなったのだ。それでも、ハルカは叫び続ける。


「お願い…織姫…!私の前から居なくならないで!」


ハルカがそう呟くと織姫の顔が一瞬曇る。

ぶつぶつと何かを呟きながら織姫はふと顔を上げる。先程話していた時には光が消えて瞳からは大粒の涙が溢れ出していた。


「もう、ハルカったら…。本当にずるいよ。最後くらい見守ってくれてもいいじゃないか。私はこれで満足なんだよ。本当は君に頼るつもりは無かったんだけど君が目の前で死ぬ所をもう見たくなかったんだ。それに…君は死ぬ時いつも私に微笑みながら何度もいうんだよ?〝織姫…ごめんね貴女を1人残してしまって…〟って。そんなの言われたら私は…君になんて声を掛けたらいいの…!?」


両手で顔を覆い泣き噦る織姫。そんな姿を今まで見た事も無かった。


織姫から告げられた思い。

ハルカは胸が引き裂かれそうになっていた。

しかし、ハルカは歯をくいしばり言葉を発する。


「ごめんなさい…としか言いようがないよ…。ごめんね織姫。貴女がそんな思いに苦しんでいるとは知らなかった!でも…でもね織姫?私はそんな貴女だからこそ心を許せた!この想いは本当なの!だから…どうか…最後に私に何か償える事はある…?」


恐る恐る彼女に問うハルカ。

すると織姫はゆっくりハルカに近づき顔を近づけ…


「ふん!!!!!」


織姫は全力でハルカに頭突きをかました。


「いったぁぁい!!何するのよ!織姫!!」


「何勝手にイケメンが発するような甘い言葉囁いてんのよ!チクショォァ!アンタが男だったら全力でベロチューかましたわよ!」


「はぁぁ?だからって全力で頭突きかますことあるわけ!?アンタの石頭伝説本当だったのね!今まで受けたどんな攻撃よりも痛いわよ!」


「だから何よ私だって…ふふ、ふふふ。

はははは!!あーもうおっかしぃ!やっぱアンタ最高だよハルカ!」


いきなり笑いだす織姫。そんな明るい織姫を見るのはなんだか久しぶりな感じがした。


「ちょっと笑わないでくれる!?調子狂っちゃうじゃない!」


こんな時なのにいつも通りのやり取りをしてしまう2人。しかし、そんな時間ももう長くは無い。織姫の体はもう胸元まで迫っていた。


「ハルカ…最後に。本当はここはもうワープゲートの中なんだ。君の承諾を得る前から君をどうにかあの戦況から離脱させこのワープゲートに連れ込んでいたんだ…。騙して悪かったね。許しておくれよハルカ…。」


ズキン。


突如ハルカの頭に痛みが走る。


「え…それって…?待って。じゃあなんで織姫は今私の目の前にいたの…?」


ーーあれ? これ聞いちゃいけない質問だった気がする。


ハルカがそう思った時にはもう遅かった。

先程襲って来た頭の痛みが激しくなる。

そして、欠落していたハルカの記憶が鮮明に思い出されていき、全てを思い出した。


「はぁ…思い出しちゃったか…それは残念。君の記憶を少し改ざんするついでに私の記憶チップを埋め込んだのがいけなかったかぁ。思い出させないようにしてたんだけどな〜。でも、私はこれで良かったと思ってるよ…本当に。だって君を守る事ができたんだもの。それじゃあまたね。最後に…」


〝親友としての好きじゃない。1人の人間として、人として、心から君の事が好きだったよ。だから後は任せたよハルカ…!〟


そう言い残して彼女の体は霧散した。


「まって、まってよぉ…!織姫ぇぇぇぇえ!!!!」


すると同時に見覚えのある研究室の床が崩れ、体にフワッとした感覚が襲う。


そして、ハルカは無限に広がる闇の底へ落ちていった。

性癖丸出しですが読んでもらえると嬉しいです

復活ー

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