王さまと花売り娘
伸ばした手が空を切った。そこにあると思い込んでいた枝がなかった。マリーの身体は宙に投げ出された。
「きゃああああ!」
落ちれば大怪我、という高さまで登っていた。思わず目を瞑った時、危ない! という男の声が聞こえた気がした。
「わああっ!」
地面に激突する筈だったマリーの身体は逞しい腕でしっかりと受け止められ……なかった。駆け寄って来た人物は受け止めきれずにぶつかって、二人はもつれあいながら丘の斜面を転がった。柔らかな草と土が衝撃を随分と吸収してくれたのが救いだった。
「痛ったぁ……」
身体中擦り傷だらけだったけれど大怪我はせずに済み、マリーは呻きながら起き上がる。そして隣でのびている恩人を見た。整った顔立ちの金髪の若者だった。
「あっ……ねえちょっと! だ、大丈夫、あなた?!」
若者が動かなかったので、もしや死んでしまったのではと不安になったマリーが声をかけると、蒼ざめた頬にようやく血の気がさし、瞼がぴくりと動いた。
「うーん……」
「大丈夫? 怪我は?」
若者は身体についた泥や草を払いながらゆっくりと起き上がった。
「ああ。とくに怪我はしてないみたいだ。きみこそ大丈夫?」
「あたしは大丈夫。じょうぶなのが取り柄だもん。でも、あなたがいなかったら怪我してたと思う。本当にありがとう」
「いや、咄嗟に身体が動いただけだよ」
そう言って若者は曖昧に笑った。細身の身体もさっきマリーを受け止めようとした腕も、ろくに筋肉はついていない。
「まあ、あなたったら、そんなに細い腕で。ちゃんとごはん食べてるの?」
思わずマリーはそう言った。食べるのには困っていない、と若者は答えた。
「きみ、いったい木の上で何をしていたんだ?」
「木の上でする事は木登りに決まっているでしょ。あの木の上はすごく眺めがよくって大好きで。でも、この間の大風で枝が折れてたみたい」
「なるほど。きみ、そこの村の子? 名前はなんていうんだ?」
「花売りのマリーよ。あなたは?」
「ぼくは……シリルだよ」
ちょっと目を伏せながら若者は名乗った。なんだか訳ありみたいと感じたマリーは、それ以上身の上は追及せずに、お礼をしたいので両親のいる家に来て欲しいと申し出た。
「お礼なんかいいよ。ぼく、本当はこんなところにいちゃいけないんだ。怪我だってしちゃいけないし……でも二人とも無事で済んでよかったよ」
そう言って顔を上げて、シリルは初めて笑った。なんだかマリーもほっとして、つられて笑う。笑いながら、思う。
(きれいな服を着て力仕事もしてないみたいで、怪我もしちゃいけないなんて、どこかのお坊ちゃまなのかな?)
貴族のお坊ちゃまだとしたら、貧しい家に来て欲しいなんて身の程知らずだったかも知れない、なんて思っていたら、シリルは言った。
「ねえマリー、この辺りの森を案内してくれない?」
◆◆◆
「ねえ見て、きれいでしょ、この花畑! みんなにも内緒なの。あたしが山の奥で見つけた、あたしだけの場所なんだよ!」
それは、奥に冷たい湧水が迸る泉があって、季節の花が咲き誇る、ふだん誰も立ち入らない秘密の花園だった。シリルは喜びに目を輝かせ、その顔を見たマリーは、彼を連れて来てよかった、と思う。
「きれいだねえ、マリー、ありがとう! でも、マリー」
「なに?」
「きみは仕事で花を売っているのに、仕事じゃない時まで花なんて、嫌にならないの?」
「あら、あたし花はいつだって大好きよ。でも、ここの花は摘んで帰らないようにしてるの。いつまでもこのままであって欲しいから」
「そうか。ぼくも花は好きだよ。好きな花を仕事で扱うなんていいな。ぼくもそんな仕事を出来ればいいのに」
そんな事を言ってどこか寂し気な目をするシリルの事がマリーは心配になる。
「どうしたの。あのね、なにかもやもやする時は、身体を鍛える運動をするといいよ。あなたは少し華奢過ぎると思う。あの、助けて貰ってこんな事言っちゃ悪いけど」
抱きとめられて――うまく抱きとめられはしなかったけれども――感じた事を、思わずマリーは口にする。シリルはそれを聞いて苦笑する。
「ぼくはそういう事はしちゃいけないんだ」
「えっ。あなた、身体が悪いの? あの、余計な事言ってごめんなさい!」
はっとして口を押えて謝るマリーに、シリルも慌ててそれを否定した。
「いや、病気じゃないよ。ただ、ぼくには自由がないんだ。今日は本当に久しぶりに外に出た。従者……いや周囲に気の毒がってくれる人がいて、一日だけこっそり抜け出してきたんだ」
「自由がない……そんな、食べるのには困ってないのに、自由がないだなんて」
「しかたないよ、ぼくを必要としているひとたちがいるんだから。でもマリー、今はその事は考えたくないな。こうやって外で、きみみたいな素敵な女の子と花畑にいるんだからさ」
きみみたいな素敵な女の子、という言葉にマリーはぽうっとなる。村の男の子たちはみんな幼馴染の悪戯仲間で、誰もマリーを女の子だなんて言ってくれた事もなかったのに、こんな上品な綺麗な男の子がそんな風に言ってくれるだなんて。
(いやいや、貴族のお坊ちゃまは、誰にだってこんな風に言うのよ、きっと)
ぶんぶんと首を振っているマリーを見てくすっと笑い、シリルは彼女の手を取って立ち上がる。二人は泉の水を飲み、木の実をとって食べた。そうやって二人はなんの屈託も見せずに陽が傾くまで花畑で遊んだ。
帰る前にシリルが言った。
「きみの花畑から、一本だけ花を貰っちゃ駄目かな?」
「一本くらい、いいよ。でも、どうするの?」
「押し花にするんだ。今日の楽しかった事をいつでも思い出せるように、とっておきたくて」
マリーは、可愛いピンクの花を選んで摘んで渡した。その花言葉が、初恋だなんて、その時は知らずに。
◆◆◆
もう、二度と会えないかも知れない――お互いにそう思いながら名残惜しく別れたけれど、それから一年程して、マリーがまたあの木に登っていると、シリルがこちらに向かって歩いて来るのが見えた。
「シリル!」
「マリー! ああ、来てみてよかった。きみって、毎日この木に登ってるの?」
「そんな訳ないじゃない。あの時も今日も、たまたま父さんが休みをくれたのよ。そんな時にあなたが来るなんて」
「きみにまた会えたら、って願いながら、一年ぶりに抜け出してきたんだ」
二人は顔を見合わせて笑い、そしてまた花畑で半日を過ごした。
「あのう、シリル、あなたって、決まった結婚相手だとか、いるんじゃない? あなたは貴族なんでしょ? 貴族の若さまは、あなたくらいの年齢ではみんなそうだ、って聞いたけど」
シリルが身元について話したくなさそうなのには気付いていたけれど、マリーは聞かずにいられなかった。シリルは、貴族かという問いには答えずにただ、
「いないよ、そんな相手」
とだけ答えた。
「ほんとう?」
「ほんとうだよ。きみこそ、恋人はいないのか」
「あはは、いないよ~! 周りの友達は結婚したりしてるけど、あたしはまだそういう気にならなくて」
「なんで?」
「えっ、なんでって……」
シリルのことが忘れられないから、とは言えない。だって身分も違うし、そもそも会うのも今日が二度目なのに。でも、それがマリーの気持ちだった。シリルはこんなに素敵で、あたしは美人でもなんでもないただの村娘なんだし、とも。
けれど、言い淀んだマリーの俯き気味な横顔ばかりを見ていたシリルは、急に彼女を抱き締めた。
「あっ、シリル」
「マリー。きみにそういう気がなくても、ぼくはきみが好きだよ」
「えっ、だって、あたしなんか」
からかっているの、と思ったけれど、そのままキスをされてマリーはぼうっとする。
「あの押し花をいつも持ち歩いてた。そしたらいつかまたマリーに会えるかも、と思って。そしたら、ほんとに会えた。この花はきっと魔法の花だ。会いたい、って強く願ったら、ぼくらを引き合わせてくれる」
「でもシリル、あたしじゃあなたの相手なんか出来ないよ」
「いまはぼくには自由がないけど、いつか自由になったら迎えに来る。空から降って来たマリー、花が好きなマリー、きみは囚人みたいに生きて来たぼくに希望をくれたよ」
金の髪の若者が優しく微笑みかけると、マリーはすっかり舞い上がってしまう。
「だって、あたしなんか」
「あたしなんか、なんて言わないで。ぼくを信じて待ってて欲しい。二十歳になったらあの木のところに来る。丁度一年後の今日に」
「ほんとうに、信じていいの?」
「信じて」
その日から、シリルはマリーの王子さまになった。
◆◆◆
そしてまた一年が過ぎた頃、マリーの村にも、都のお祭りの知らせが舞い込んで来る。
「王さまも二十歳におなりだから、これからは、大臣任せじゃなくって、ご自分で政治をなさるらしいよ」
「そのためのお祭り?」
「そうだよ。お小さい時からお身体が弱くって、おまけにお母さま、前の王妃さまは暗殺されたって噂だしね。ずうっとお城の奥に引き籠ってらっしゃったらしいけど」
「王さまは誰も信じられないって口癖だったそうだけど、大臣が説得して、やっとみんなの前に出てお妃さまを貰う事も承知なさったらしいよ」
マリーはあんまり興味はなかったけれど、母親が街で配られていた記念の姿絵を手に入れて来て見せてくれた。
(シリル……?!)
精巧に描かれたその絵は、あまりにもシリルに似ていて。
(そんな、別人に決まってる。絵なんてあてにならないわ)
(信じていいって言ったもの)
(でも、二十歳になるって)
(王さま……だったの? 身体が弱くて、閉じこもってた、王さま?)
(だったら……村娘なんか迎えに来る筈ない。お姫さまと、結婚……?)
ぐるぐると思考が回っていくうち、マリーはつい、悪い方へと考えを巡らせてしまう。もしも、シリルが王さまなら。騙されてた、マリーが勝手に思い込んでた、それだけ。
どうしても確かめたい。マリーは両親に頼んで、祭りの花売りの仕事をかかえて都へ行く。マリーの村から遠くない。朝に出る馬車に乗ったら、昼前には都に着いた。
広くて立派な大通りを、王さまの馬車が護衛に護られて進んでいく。マリーは必死で人混みをかき分けて前に出る。
「それにしても、人嫌いの王さまが、また思い切って外に出られたものだね」
「最近とくに人嫌いがひどくって、家来衆も些細な事でご機嫌を損ねては牢屋に入れられるって噂なのにな」
「まあ、隣の国のお姫さまをお出迎えする約束を大臣がしたらしいからな」
人々の話し声が頭の上を通り過ぎる。前も見えずに人波に押し流されていくと、不意に目の前が開けた。ちょうどそこを、王さまの馬車が通りかかる。
「シリル!」
思わず叫んだその声に、窓を開け放った豪華な馬車の中にいたひとの笑顔が固まった。マリー、というかたちに唇が動いた、と思った。
でも、一瞬のうちに馬車は遠ざかってゆく。思わず追いかけようとしたけれど、兵隊に突き飛ばされて埃っぽい街路の上に転がった。
(やっぱり、そうなの?)
(なんで。嘘を言ってるようには思えなかったのに)
(でも、嘘なのね。あたしを好きだと言ってくれたのも、迎えに行くと言ったのも、嘘……)
泣き崩れて立ち上がれないマリーを、気の毒がったおじさんが助け起こしてくれなかったら、そのまま群衆に押し潰されていたかも知れなかった。
◆◆◆
(どうしても、直接会ってシリルに聞きたい。嘘だよって一言言ってくれたら、諦めるから……)
(会えなくて、牢屋に入れられてそのままになるなら、それでもしかたない)
決心したマリーは、売り物の花を持ってお城の裏の通用門へ行った。お祭りでお城はごった返していたので、花商人のところの小間使いと思われて案外にあっさりお城の中に入れた。
そのまま、賑やかな商人たちの一行とは離れて、ただ勘だけを頼りに、見た事もない立派なお城の中の通路を静かに進んでいく。自分でもびっくりする程マリーの心は落ち着いていた。シリルはきっとあの花を持っているから、あの花が自分をシリルのところに連れて行ってくれる筈。
迷路のようにしか思えない通路を、何度も兵隊に出くわしそうになりながらもその都度不思議な勘が働いて避けて、操られるような足取りで進んでいくと、不意にお城の奥庭みたいなところに出た。向こうから、男の人の声がする。
「だからわたしは誰も近づけたくなんかない。隣国の女なんてもってのほかだ!」
「姫は陛下のお妃になる為に来られるのですから、悪いことなどなさる筈がありません」
「いいや、誰も信用なんかできるか。おまえの事だって信じられんぞ、大臣!」
男の声なのにやけに甲高くて耳障り。でも、金の髪に縁どられた、あの顔は、マリーが幾度も夢に見た……。
「シリル!」
思わずマリーは飛び出した。やっぱり王さまはシリルだった。きっとあの馬車の時みたいに、マリーと呼んでくれる。そして、嘘だよって、それとも嘘じゃないよって、言ってくれる。シリルはお姫さまとの結婚を嫌がっている。
けれど、若い王さまは茂みの中から飛び出した花売り娘の姿にただぎょっと驚いた。
「く、曲者だ! 若い女がわたしの命を狙ってる! 誰かつかまえろ!」
「シリル? あたしよ、マリーよ! 命なんてとんでもない、ただ会いに来たの。迷惑なんかかけないわ」
王さまはマリーの言葉なんて聞いていない。やつれてこけた頬に、疑い深くぎょろつく瞳。誰の事も見ていない瞳は、シリルのものとは思えなかった。マリーから希望を貰ったと言って笑ったシリルのものとは違うように感じた。でも、顔かたちはたしかにシリルと同じで。
「あたしよ、マリーよ!」
「曲者だ、女の殺し屋だ。兵士たち、早く捕まえろ。牢屋に入れて明日には縛り首にしてしまえ!」
「アンリ陛下、どうか落ち着いて下さい! ただの小娘のようですよ!」
駆けつけた兵隊たちに取り押さえられて、大臣の声も遠くなる。マリーは縄をかけられて引っ張っていかれる。暗い黴臭い地下牢へ。どうして、シリル? あたしはただ、会って話をしたかっただけなのに?
地下牢にはひとがいっぱいいるようだった。呻き声や啜り泣き。みんな処刑を恐れているようだった。でもマリーは絶望して、もう早く縛り首になってしまいたいとさえ思うばかりで。
「ああ、シリル! さようなら!」
牢に押し込まれながらそう叫んだ時。
「……マリー?」
どこかから、声がした。
「なんできみが。ああ、畜生、この花がきみを連れてきたのかな……」
声は、隣の牢から聞こえた。
「シリル?」
「マリー。ああ、ごめんよ。信じてと言ったのに、約束を守れそうになくて。花の似合うきみを、こんなところに!」
訳がわからない。王さまのシリルは大臣と一緒にいる筈なのに。でも、
「勝手に喋るな! ぶちのめされたいか!」
と牢番が叫んだので、それ以上話す事も出来なかった。
◆◆◆
「恩赦だ。全員出ていい」
いよいよ縛り首かと思った翌朝、地上への扉が開いて大臣の声がした。
囚人たちは飛び上がって喜び、我先にと出口へ走る。
「よかった! おれは王さまのコックだったけど、風邪をひいた王さまに、いつもとスープの味が違う、毒が入ってると言われて牢屋に」
「おれはうっかり王さまのお昼寝中にお部屋の前を通っただけで暗殺者と言われて」
「おれなんか物陰で田舎からの手紙を開いていたら、暗殺の指令書だろうと言われて」
みんなは口々にそんな事を言っている。王さまのシリルが、そんな酷い事する訳ないのに。
マリーは、あの声の主を探そうとしたけれど、あまりに牢に入れられていた人が多かったので、遂にそれと思う人を見つけられず、そのまま村に帰るしかなかった。
◆◆◆
村に帰ったらみんなが噂してた。疑い深い王さまは、隣国のお姫さまを暗殺者だと喚きたてて、怒った隣国の騎士に殺されたんだと。お姫さまの一行はそのまま引き上げてしまって、王さまの跡は歳の離れた小さないとこが大臣に助けられて継ぐのだと。
王さまが誰に代わるかなんて、マリーにはどうでもよかった。ただ、シリルが殺されたのならば、もう生きていたくもないと、そんな気持ちばかり。最初にシリルに出会ったあの木の上から飛び降りたら、シリルの所に行けるかな?
翌朝早く、木の所へ行ったら、
「マリー。遅くなってごめん」
と金の髪の若者が待っていた。
「え……シリル?」
「そうだよ。酷い目に遭わせて、本当にごめん」
「だって、あなたは隣国の騎士に、殺されたのでは」
シリルは苦笑いした。
「そう、死んだのは、本物の王さま」
「どういうこと?」
「ぼくは、人間不信の王さまの影武者だったんだよ。顔がそっくりだからって、十歳の頃からお城に連れて行かれて、逆らったら家族を殺すって言われてさ。引きこもりの王さまの代わりに暗殺されてもいいように王座に座っていたんだ。でも、ただ王さまそっくりでいればいいって言われて、何一つ自由はなかった」
「……」
「ぼくは元々この近くの村の生まれでね。二年前のあの日、ぼくに同情してくれた従者の助けで一日自由を貰って、なんとなくこっちへ来たんだ。村に戻って知り合いに会う訳にはいかないから、近くに。そして、きみに出会った」
「あなた、あのシリルなの? あたしを助けてくれた」
「そうだよ。でも、ぼくの方こそ助けられた。なんの自由もなく、王さまじゃないのに王さまの義務だけさせられて、苦しくてたまらなかった。大臣は、王さまが二十歳になってお妃を娶ったら、もう替え玉はいらないだろうと言っていたから、ぼくはそのつもりできみを迎えにいくと言ったんだけど……お祭りのパレードのあと、お暇を貰いたいと言ったら、王さまは即座にぼくを裏切者だと言って、牢に入れたのさ」
「まあ……じゃあ、シリルは、あの、あたしを迎えに来るって言ったのは、嘘ではなかったの?」
「もちろん。王さまが死んでしまわなければ叶わないことだったけど、でも可哀相だけど自業自得だよ。ねえマリー、ぼくはもう王さまでも貴族でもないけど、隣村に畑は持ってるよ。ぼくのお嫁さんになってくれる?」
――こうして、花売り娘と元王さまは手を取り合って夫婦になった。
大臣がシリルの数年間の働きに見合う給金をくれたので、それを元手に商いをして、豊かに過ごすことが出来た。
綺麗な花畑の傍に瀟洒な家を建てて、子宝に恵まれて、ふたりはいつまでも幸せに暮らした。