バット納め 前編
秋も深まり、毎年恒例のこの行事がやってきた。
引退した3年生をバット納めで見送る季節だ。
大夢は楽しみにしていた。
1年の時は風邪で欠席、2年は言うまでもなく野球部には居なかった。
だから、大夢にとっては最初で最後の中学バット納めということになる。
中学最後の野球生活を気持ちよく締めくくろうと人一倍張り切っていた。
キャプテンの後閑は野球を続けるかどうか迷っていた。
一時は選手生命に関わる負傷をしており、高校でも続けようかためらっている。
続けるとしても、硬式野球は考えにくい。
3年生は11人。2年生は14人。1年生は14人。計39人。
誰一人欠けることなく全員参加だ。
1回戦は2年生対1年生。大波乱が起きた。
1年生チームエースで4番、佐藤遼太郎による大活躍で1‐5の圧勝だった。
2年生のレベルはいつになく高いらしいが、1年生がそれを上回るのは凄いことだ。
それだけ成長しているのだろう。
さぁ決勝は3年生対1年生。
3年生のオーダーは次の通り。
1番右翼後閑亘秋
2番投手坂上大夢
3番遊撃中嶋悠平(旧姓森)
4番捕手木下拓海
5番一塁玉置真哉
6番三塁山村恭一郎
7番二塁高橋義貴
8番中堅柏崎要
9番左翼斎藤雅也
ベンチ 中山淳斗、島崎諒太
先発は大夢だ。しかし、場合によっては複数人の継投も視野に入れている。
本来なら主力であるはずの中山は、今回は代打の切り札だ。
島崎はどのポジションに入っても良いように心の準備をする。




