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second life  作者:
95/112

とりあえず

祥吾が、ほぼ毎日メールを送ってくるので、

やり取りをするのが日課のようになっていた。

日常の出来事、中学の頃の話題、内容はたわいもない話がほとんどだ。

それでも、続けているうちに当たり前のようになり、

楽しくなってくるのだから不思議なものだ。


2月に入って少し経った頃、祥吾から初めて誘いのメールがきた。

(佐久間が暇だったら、今度の土曜日にご飯でも食べに行かない?)

スケジュール帳を見てみると、ちょうど空いている日だった。

うーん…あれだけメールのやりとりしてるし、ご飯くらいはいいかな。

(いいよ!どうせなら、おいしいもの食べたいな)

(だったら、いい店があるんだ!そこに連れて行くよ)

(うん、期待してるからね)

愛花は、密かにちょっとだけ楽しみにしていた。


食堂に行くと、たくさんの学生で混雑していた。

愛花と千夏は、なんとか席を確保することができたので、

そこでランチを取りながら会話をしていた。

話はもちろん祥吾のことだ。

「愛花のこと狙ってるの見え見えだね」

「だよね、向こうも期待しちゃうかな?」

「そりゃするでしょ。でも愛花だって嫌いじゃないんでしょ?」

「うん、嫌いではないかな。メールしてても楽しいし」

そう思ったから食事の誘いを受けたのだ。

「今度の土曜ってさ、バレンタインの前日じゃん。どうせならチョコあげれば?」

「えー…そんなことしたら向こうは本当に期待しちゃうよ!」

「でもさ、あげないのも可哀想じゃない?」

千夏が言うことも一理ある。

迷った結果、愛花は自分なりに結論を出した。

食事をして、楽しかったらチョコをあげよう。

ただ、これは義理だ。

付き合っているわけではないし、まだ愛花の中で祥吾は友達だ。

友達以上になれそうだと思ったら渡す。

それを千夏に話すと「愛花って慎重だよね」と言われたが、

過去の苦い経験を考えれば慎重にもなる。

帰りに、デパートに寄ってチョコを買ってから家に帰った。

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