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second life  作者:
86/112

8月上旬、莉奈と一緒に家の前で待っていると、1台の車がやってきた。

「お待たせ」

「すっごい久しぶり、麻理恵!」

麻理恵と会うのは一年ぶり以上だった。

清楚な雰囲気はそのままだったが、前よりもはるかにキレイになっていた。

愛花はこれから麻理恵の車で莉奈と3人で海へ旅行に行く。

中学のメンバーでこうやって会うこと自体が久しぶりだったので楽しみだった。

なおかつ、友達同士で旅行に行くのも初めて。

遊び方は高校生の頃と比べて、少しずつ変わってきていた。

麻理恵が運転し、愛花は助手席、莉奈は後部座席に乗っている。

「みな実もくればよかったのにね」

中学3年の頃、愛花は莉奈、麻理恵、みな実の4人で行動をしていたので

みな実も誘ったが、海というので断られた。

真面目なみな実は水着になることを嫌がったのだ。

それなら海じゃないところ…と考えたが、やはり夏は海に行きたい。

みな実に申し訳ないと思ったが、3人は海へ行くことを選択した。

ビーチの目の前にあるホテルに到着して、早速チェックイン。

部屋で水着に着替えて、愛花は鍵網のニットを羽織った。

莉奈はパーカー、麻理恵はTシャツをそれぞれ羽織り、ビーチサンダルを履いて

ビーチへ向かった。

目の前がビーチだと、こういう行動ができるので嬉しい。

「結構混んでるね」

「シーズンだもん、仕方ないよ」

ロッカーに羽織っていたものをしまい、裸足で砂浜を歩いた。

「熱い!でもこの感触っていいよね」

莉奈は楽しそうだ。

麻理恵も賛同して砂浜の感触を楽しんでいる。

それを見た愛花はふと考えた。

そういえば海に来たのなんて陸の頃の小学生以来だ、何十年ぶりだろう…。

一瞬、自分がすごく年を取っているように思えた。

本来なら37歳の年になっていたのに…。

ダメ、もうわたしは愛花なんだって!

陸のことは考えない、なんのためのけじめだったんだ!

すぐに気持ちを切り替えて、莉奈と麻理恵を置いて先に波際へ走った。

押し寄せる波が足元に流れてくる。

「キャー、気持ちいい!莉奈も麻理恵も早くおいでよ」

手招きすると、2人も海に入り、3人で久々の海を楽しんだ。

浮き輪でプカプカ浮いたり、砂で遊んだり、思いっきり海を満喫している。

そこへ例によって男たちが声をかけてきた。

「よかったら一緒に遊ばない?」

「ごめんなさい、彼氏いるから」

麻理恵が軽くあしらう。

大抵は引き下がるが、中にはしつこい男もいたが、結局は諦めて去っていった。

予想はしていたが、この日は5回もナンパされ、若干うんざりした。

それに、莉奈と麻理恵は本当に彼氏がいる。

いないのは愛花だけだった。

ナンパについていこうとは思っていないが、少し寂しい気がした。

夕方になり、ホテルへ戻る。

夕食を食べてから再びビーチへ。

今度は花火だ。

手持ちの花火でキャーキャー言いながらはしゃぎまわった。

そしてまたホテルへ戻り、一日の疲れを癒すために温泉へ入った。

このメンバーでお風呂に入るのは中学3年の修学旅行以来だ。

たかが4年しか経っていないのに、莉奈も麻理恵も大人の身体になっている。

もちろん愛花も同じだ。

もう子供じゃないんだもんね、今は一緒に遊んでいるけど、

これが終わったら次に3人で遊ぶのは何か月後だろう?

昔のように毎日遊ぶことはできない。

こうやって人って大人になっていくんだ…

「愛花、どうしたの?」

「え?なんでもないよ!それにしても足が伸ばせるっていいよね」

愛花は湯船で思いっきり伸びをした。

深く考えるのはやめよう、今は今を思いっきり楽しむんだ!

部屋に戻り、3人は深夜まで恋愛トークをしてから眠りについた。


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