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second life  作者:
65/112

高校生活2度目の夏

7月になった。

7月といえば高校野球の時期だ。

隼人は2年生だったがレギュラーになることができた。

陸は試合に出る隼人を応援できることが嬉しかった。

今まで以上に練習に熱が入る。

「愛花先輩、気合入ってますね」

「当たり前でしょ、理沙ちゃん!だって愛しの隼人くんが試合に出るんだから」

「仁菜も理沙ちゃんも冷かしてないで真面目に練習して!」

陸は照れ隠しの意味で2人を怒り、練習に励んだ。

理紗が入部して約3か月、最初は理沙のことを面倒くさがっていた仁菜だったが、

意外と仲が良く、息も合っている。

2人は隼人のことで冷かしてくることも少なくなかった。

そしてもう一人、練習に気合が入っている子がいる。

「小陽も頑張ってるよね」

「小陽先輩も彼氏が試合に出ますからね」

小陽は隼人の紹介で同じ野球部の野口啓太と付き合っていた。

啓太も2年生ながらレギュラー、小陽の気合が入るのも当然だった。

ところが試合前日、予想外のアクシデントが隼人を襲った。

「肉離れ??うそ…」

「本当だよ、こんな大事なときにクソ!」

練習中に肉離れを起こしてしまった隼人は当然試合に出ることができない。

せっかく掴んだレギュラーの座を自らふいにしてしまった。

そんな隼人に陸はなんて声をかけていいかわからなかった。

「ごめんな、せっかく応援するために練習してくれてたのに…」

「ううん、気にしないで!わたしなんかより隼人のほうが辛いのわかってるから…」

「ありがとう、愛花…その代わり、来年は来年こそは絶対に試合に出るから!

そのときは応援頼むな」

「うん、隼人が出る試合は全部応援する!約束するよ」

「ああ、期待してるよ」

隼人が出られなくなったのはとても残念だったが、ケガでは仕方ない。

それでも陸はチアリーディング部として野球部を精いっぱい応援する。

それが陸の役目だ。

野球部は去年の初戦敗退とは違い4回戦まで進んだが、ここで敗れてしまった。

やはり隼人が出場していない試合は陸にって物足りないものだった。

「愛花先輩、負けちゃいましたね…」

「うん、でも精いっぱい頑張った結果だから…」

この日でチアリーディング部の3年生も引退する。

学校で最後の挨拶が終わってから次期キャプテンの話になった。

そこで3年生たちが指名したのは意外な人物だった。

「え、わたしですか??」

それは仁菜だった。

予想していなかった本人が一番驚いている。

「やったね、仁菜!」

「無理無理!そんな器じゃないから!!」

「そんなことない、仁菜なら絶対にみんなをまとめられるよ」

「愛花、余計なこと言わないでって」

しかし賛成したのは陸だけではなく、他の2年や1年も同じだった。

「わたしも仁菜先輩なら適任だと思います」

「理紗ちゃんまで…わかりました、キャプテンやります!」

みんなに言われ、やっと仁菜は決心してくれた。

このときから仁菜を中心とした新生チアリーディング部がスタートした。

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