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second life  作者:
59/112

作戦決行!

日曜日、陸は隼人とDVDを借りてから家に戻った。

「お邪魔します…って誰もいないの?」

「うん、お父さんもお母さんもお姉ちゃんのところに行ってて

夜の9時くらいまで帰って来ないの」

「あ、そうなんだ…」

隼人は何を思っただろう?

チャンスと思ってくれていればいいけど…

陸の部屋へ行き、とりあえずDVDを再生する準備をする。

借りてきたのはラブコメとアクション、陸は迷わずラブコメを再生した。

隼人はお菓子を食べながら笑ってDVDを見ている。

おかしいな、何もしてこない…

陸は隼人の隣にくっつくように座ってみた。

すると隼人は肩を抱き寄せてきた。

陸はドキドキしていた。

しかしそれだけだった。

隼人はその状態で映画を楽しんでいる。

あれ?わたしより映画に夢中??

DVDダメだった?単にうちで遊ぼうだけにしておけばよかった??

結局何も起こらないまま映画は終わってしまった。

「面白かったな、次の観るか」

いやいやいや、もう一作見たら夕方だよ!

そりゃ両親はまだまだ帰って来ないけど…

そう思いながらも「うん」と返事をしてしまい、

結局次も映画が終わるまでなにもなかった。

こんなはずじゃないのに…うーん。

本当はわたしからこんなことしたくなかったけど…仕方ない!

「隼人」

「ん?」

陸は隼人に抱きついた。

「どうしたんだよ、急に」

陸は抱き付きながら隼人を上目づかいで見つめた。

ここまでサインを出して気づかなかったら…いや、隼人に限ってそんなことはない!

隼人はそっとキスをして、そのまま陸をゆっくりと押し倒してきた。

「いいのか?」

「聞かないでよ…バカ」

だって…聞かれると恥ずかしいんだもん。

隼人はぎこちない手つきで攻めてきた。

上手いか下手かと聞かれれば圧倒的に下手だろう。

褒めるつもりはないが、経験豊富だった伸也のほうが上手だった。

それでも隼人からは愛情がしっかりと伝わってくる。

陸はそっちのほうが嬉しかった。

「痛かったら言って、初めては痛いって聞くから…」

「大丈夫…初めてじゃないから…」

「そっか…」

処女じゃないと知った隼人はどう思っただろう?

しかし隠してもバレてしまうことなので仕方がない。

そして希美の言葉を思い出した。

「いい?愛花、失ったものはもう戻らないの、過ぎちゃったことは仕方ないの。

でもこれだけは忘れないで、世の中そんな男ばっかりじゃないから、

絶対に愛花のことを心の底から愛してくれる人がいるから、

そのときに愛花のすべてを捧げてあげればいいの。

処女かどうかなんて関係ない、そのときの愛花を捧げれば相手は安心してくれるから」

そう、わたしのすべてを隼人に捧げる…だから受け止めて、隼人。

「きて…隼人」

陸は隼人と一つになった。

やっと一つになることができた。

伸也のときとは違う、これが本当に好きな人とするエッチなんだ…

陸は少女から女性になった、そんな気がした。

「愛花、大好きだよ」

「わたしも…隼人が好き、大好き」

裸で抱き合っていたら外から車が止まる音がした。

時計はまだ夜の7時半、彰たちが帰ってくるまで一時間以上ある。

違うだろうと思っていたら玄関が開く音がした。

「うそ、もう帰ってきた!」

陸と隼人は慌てて服を着た。

「愛花、誰か来てるの?隼人くん?」

「う、うん!今降りるから待って」

なんとか着替え終わり、2人で階段を下りてリビングへ行った。

「お、お邪魔してます」

「いらっしゃい、何してたの?」

疑う感じではなく、単に聞いただけな感じだ。

「DVD借りて観てたよ、それより早かったね」

「あまり遅くまでいると希美も疲れちゃうかなと思って」

そんな会話をしていたら彰も戻ってきた。

「おお、隼人くんか」

「こんばんは、じゃ、じゃあ僕はそろそろ帰るので」

「そうか、気をつけて帰りなさい」

「はい、ありがとうございます。じゃあ愛花…」

「うん、また明日ね…」

彰はひょっとしたら気づいたかもしれない。

けど何も言わず、そっと見守るような感じだった。

男親とはそういうものかもしれないと思った。

隼人を見送ってから部屋に戻った。

やっと隼人とエッチできたことで、本当の恋人になれた気がして

陸は一晩中舞い上がっていた。


その日から10日後、隼人から部活終わったら家に寄ると連絡があった。

陸はこの日が何の日かわかっている。

隼人がちゃんと覚えていてくれたことが嬉しかった。

先に部活が終わった陸は家で待機。

その1時間半後、隼人から着いたと連絡が来たので玄関の外に出た。

「誕生日おめでとう、愛花」

「ありがとう、隼人」

「はい、プレゼント」

「わぁ、なんだろう…」

開けてみると中身はかわいいデザインの腕時計だった。

「かわいい!ありがとう!!」

陸は早速付けてみた。

「どう?」

「うん、似合っててよかったよ」

「えへへ」

陸は仁菜とかからもプレゼントをもらっていたが、

隼人からのが何よりも嬉しい一番のプレゼントになった。

隼人の誕生日もちゃんと祝ってあげなきゃ!

しかし隼人の誕生日は4月上旬、付き合う前に過ぎていたので、しばらく先のことだった。

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