高校最初の夏休み
久々に前書きの項目に書きます。
ずっと止まっていたリ、更新が遅れたりで、
完結するまでの予定が大幅に遅れてしまいました。
作品自体は先日完結したので、ハイペースで更新していきます。
ご了承ください。
チアリーディング部の夏休み中の部活は週3回しかなかったが、
野球部は相変わらずの週6回、なので隼人と遊べる日は普段と変わらなかった。
なので陸は仁菜以外に中学の友達と遊んだりして、夏休みを楽しんだ。
「麻理恵!久しぶり!!」
「愛花!元気だった?」
この日は麻理恵と遊んだ。
麻理恵と会うのは卒業式以来だったのですごく懐かしい。
前以上に大人っぽくなった気がする。
「髪切ったんだ」
「かなり前だよ、バッサリいっちゃたんだけど結構伸びてきたの」
「へー、噂の彼氏はどうなの?」
「うん、順調だよ」
「いいなぁ」
「麻理恵も作ればいいのに、間違いなくすぐできるよ」
「だって女子高だから出会いないもん」
そんな話をしながらショッピングモールをブラブラする。
女同士の遊びはこういうのが多い。
目的もなくブラブラして物を見ながらくっちゃべる。
男では考えられないが、陸にとっては当たり前のことになっていた。
次の日は莉奈と一緒に家にいた。
何をするわけでもなく、テレビをつけながら2人で横になってダラダラする。
「んー、どっか行く?」
「暑いし、今日はいいんじゃない」
「だよね、それより莉奈は出会いないの?」
「うーん…特にないかな、クラスの男子はピンとこないのばっかりだし」
「そうなんだ、わたしが男だったら莉奈にアタックするのに」
「あはは、わたしも愛花が男だったら真っ先に告白するよ」
なんて会話をしながら一日を過ごした。
その日の夜…
「プール?」
「ああ、ただし4人でなんだけど…」
隼人に来週の日曜日、プールへ行こうと誘われた。
しかし2人きりではなく、仁菜と春樹も誘ってということだった。
「わかった…仁菜に聞いてみる」
どうせ行くなら2人がよかったな…
そんなことを思いながら仁菜に電話をした。
「本当に春樹ってバカ、普通2人で行かせてあげるのに」
「でもせっかくだからさ、仁菜も行こうよ」
「まあ愛花がそう言うならいいけど」
仁菜が承諾してくれたので、今度は隼人に電話をした。
「仁菜もOKだって」
「よかった、その代わり再来週の花火大会は2人で行こうな」
「ホント?絶対だよ!」
「ああ、約束する」
陸のテンションは一気に高くなった。
しかしそれとは別に考えていたことがあった。
「プール行ったらさ、春樹くんに仁菜の水着姿だけを褒めてあげさせて」
「なんだそれ?」
チアのユニフォームもそうだが、好きな人に見せる水着姿は特別なものだ。
陸はその水着姿を隼人だけに見てもらいたいし、
仁菜もきっと春樹にだけ見てもらいたいと思っている。
こないだのように軽い感じで自分たち2人セットで言われれば仁菜はガッカリするだろう。
しかしこれを隼人に言っても理解されないだろうし、
理由をすれば陸から隼人に褒めてほしいと言っているのと同じことになってしまう。
こんなこと女の子の口からは絶対に言えない。
「いいから、わかった?」
「いや、分かったも何も意味が…」
「いいの!じゃないとわたしも仁菜も即帰るからね!」
「わ、わかった…」
たまに強い口調で言うと隼人は驚いて言いなりになる。
言わなくてもわかってよ…隼人のバカ!
そう思いながらも陸は楽しみにしていた。
陸は仁菜と買い物に来ていた。
もちろん水着を買うためだ。
それ以外に陸は浴衣も買うつもりだ。
まずは水着売り場へ向かった。
「仁菜、こういうのいいんじゃない?」
「こんなの無理だって!愛花みたいなスタイルならいいけど。
愛花がそれにしなよ」
「やだこんなの」
「なんで嫌なのを人に勧めるの?」
「あははは」
こんな話で盛り上がりながら水着を選んでいた。
陸が選んだのは白地にピンクの花柄のバンドゥビキニだった。
胸元にはフリルがついているので谷間はほとんど見えない。
プールに行けばたくさんの人に水着姿を見られることになる。
そこにはもちろん男も大勢いる。
なので陸は露出が低いものを選んでいた。
「愛花、これだと隼人くんガッカリするんじゃない?」
「だって…隼人以外には見せたくないんだもん」
「はいはい、そういうことね。だったらわたしもそういうのにしようかな」
「それって春樹くん以外に…」
「残念、わたしの場合は胸が大きくないからそれを隠すためでした」
それは嘘だと思った。
なぜなら仁菜はそれほど胸が小さくないからだ。
サバサバしているが、根は乙女というのを陸は知っている。
だからこれ以上は何も言わなかった。
そんな仁菜も同じようなタイプで黒の無地を買い、このあと浴衣を買って家に帰った。
あとはプールに行く日を待つだけだ。




