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second life  作者:
47/112

隼人と2人で

チアリーディング部は月~土で日曜は休み。

土曜だけ体育館の半面を使えるので、そのときはいつも以上に大きな動きの練習になる。

土曜になって、陸と仁菜も全体練習に加わるようになり、

やっと正式に部員になれた気がした。

隼人が所属する野球部も、月~土、日曜は休みだ。

普通の野球部なら日曜もある。

北高ももちろん大会間近とかであれば例外もあるが、

基本的には進学校なので日曜まで部活はさせないのだ。

それにレベル的に甲子園には絶対に行けない。

県大会もいいところまで行ってベスト16だ。

それでもみんな、野球を精いっぱい頑張っている。


日曜日、部活がないので隼人と遊ぶ約束をした。

まだ付き合っていないのに張り切りすぎるのもどうかと思ったので、

ロンTにパーカー、下はショートパンツという比較的にラフな格好で遊びに行った。

「お待たせ!」

「やっときたな」

「そんな遅れてないじゃん」

「10分遅刻」

たかが10分とはいえ、遅刻は遅刻だ。

素直にごめんと謝った。

「よろしい、では3択です。

どこがいいか決めきれなかったから愛花に選んでもらう。

1、公園を散歩 2、ショッピングモールをフラフラ 3、ボーリング

さあ、どれがいい?」

どうやら決めきれなかったとみた。

陸は隼人と一緒ならどこでもいい。

けど、3は却下した。

まだ体が痛い、重いボーリングのボールを持つのだけは嫌だった。

今日はポカポカして気持ちいい、春らしく行こう。

「1で!」

「OK」

公園には花がたくさん咲いていて、散策しているだけ癒される。

まわりには家族連れやカップルもたくさんいる。

私たちもカップルに見られているだろう。

シートを敷いてお弁当を食べている家族が視界に入った。

「最初から公園っていってくれれば、お弁当用意したのに」

「愛花って料理できるの?」

言われてから気づいた。

そうだ、料理なんてほとんどしたことないや。

料理もできるようにならないとな…。

「できない…」

「じゃあダメじゃん」

「できないけど頑張るもん!」

そう、隼人のためなら…

2人でセルフィーをしたり景色を撮ったりして、

のんびりとした日曜だったが気持ちのいい1日だった。


夕方に帰ってから莉奈と電話で話していたら会ったほうが早いといって、

莉奈が家まで来た。

支度さえできていれば1分で来る。

親友がすぐ近くに住んでいるというのはいいことだ。

「ねえ、それってデートじゃん」

「やっぱりそう思う?」

「うん、写メ見せてよ!」

「えー…恥ずかしいよ」

と言いながらも見せてしまう。

本当は見せたかったのだ。

それを素直に言えないのは若い証拠かもしれない。

「これ田辺くん?ずいぶんカッコよくなったね」

莉奈は指でスライドしながら写真を見て楽しんでいる。

「これさ、普通に恋人じゃん。この写真の顔の距離なんて近すぎだし」

「そ、そうかな?あまり意識してなかったんだけど」

2人は友達と言っておきながら、無意識に恋人同士のような感覚になっていたことに

陸も隼人も気づいていなかった。

それはお互いが両想いで通じ合っているからだろう。

「莉奈は学校で何かないの?」

「今のところなーんにも、誰か紹介してよ」

莉奈は笑っているので本気で言ってはいなかったが、

どっちみち紹介できそうな男子はいない。

基本的には隼人以外の男子と話すことはあっても、そこまで親しくはない。

そんな男子を親友の莉奈に紹介なんてできるはずがなかった。

そんな中、隼人以外で仲がいい男子が思い浮かんだ。

それは春樹だ、毎日必ず隼人と一緒に2組に来て騒いでいるので、仲はよくなっていた。

でもアレは無理。

「そのうち誰か紹介できるようにするよ」

「うん、あんま期待しないで待ってる」


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