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second life  作者:
42/112

2人の気持ち

お昼のお弁当を食べながら、陸は仁菜に隼人のことを話した。

「へぇー、愛花の初恋の相手だったんだ」

「そんなはっきり言わないでよ!恥ずかしいじゃん」

久々に顔が赤くなっているのが自分でもわかる。

それが余計に恥ずかしかった。

「で、会った感想は?」

「懐かしかった…かな」

「それだけなはずないでしょ、また恋心が蘇ってきたんじゃない?」

「それはないって!だって5年ぶりだし、あのときは小4だったし」

「カッコよくなってた?」

「ん…背が大きかった、でも面影はちゃんとあったよ」

「愛花ってはぐらかすのうまいよね」

「はぐらかしてないよ」

「でもさ、愛花が田辺くんだっけ?

彼と付き合えばバカな男子どもも諦めるんじゃない?」

「そんな付き合うなんて…」

「だって両想いだったんでしょ?」

「だからそれは小4のときで…もうこの話は終わり!」

あれほど隼人のことを忘れていたのに、今は隼人のことで頭がいっぱいだった。

授業中、当時の隼人のことを思い出していた。

最初はガリ勉女とからかってきて、それがある日いじめられているのを助けてくれて、

家まで送ってくれたり…バレンタインあげたときの喜んだ隼人の顔は嬉しかったなぁ。

「佐久間、佐久間!」

「は、はい」

「ちゃんと聞いてるのか?」

「すいません…」

浮かれていたわけではないが、授業がまったく耳に入っていなかった。

いけない、ちゃんと授業受けなきゃ!


「お前、知り合いだったなんて聞いてないぞ!」

「俺もさっき佐久間が同じ学校だって知ったんだから仕方ないだろ」

「佐久間なんていうんだ?」

「愛花…佐久間愛花」

「愛花ちゃんかぁ、可愛い名前だなぁ」

春樹は一人で浮かれている。

それにしても、まさか同じ学校だと思わなかった。

あの頃の恋心が蘇ってくる。

無意識に当時の愛花と今の愛花の顔がシンクロしていた。

俺はまだ好きなのか?バカな…小4の話だぜ。

自分自身に言い聞かせていると、横では春樹がずっと騒いでいる。

「なあ、どういう関係なんだ?」

「どういうって小学校の同級生だよ、4年のときのな。

向こうは4年の10月に転校してきて、俺は4年の終わりに転校、それ以来だよ」

「半年しか一緒にいなかったのによく覚えているな」

「まあ、最初は隣の席だったしな」

「それだけか?初恋とかじゃないのか?」

「そんなはずねーだろ!」

「ムキになるところが怪しいな、まあいいや。紹介してくれよ」

「嫌だ」

「なんで?いいだろ」

「嫌なものは嫌だ」

「なら今日一緒に行く」

「来るな」

「お前が紹介しないから自分で売り込むんだよ」

「いいか春樹、もし来たらぶっ飛ばすからな」

「なんでだよ?」

「2人で久しぶりに話したいからだよ、つまり春樹は邪魔なんだ」

「本当はそれだけじゃないんだろ」

「ああそうだよ、佐久間は…俺の初恋の相手だ」

「やっぱりな、なら今回は仕方ない。

そのかわり愛花ちゃんに彼氏ができるまで俺は諦めないからな」

「どうぞ、ご自由に」

春樹のことは放っておいて、自分自身の心に問いかけていた。

俺はまだ…佐久間愛花が好きなのか?


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