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second life  作者:
17/112

林間学校

林間学校初日、バスで3時間ほど走ったところが宿舎だった。

部屋は4人部屋、陸は運よく凛・みな実・綾と同じだったので

夜が楽しみで仕方ない。

荷物を置いて、広場に集合すると、この日はオリエンテーリングだった。

懐かしいなと思いながら、オリエンテーリングを楽しんだ。

夕方になり、男子は食事前にお風呂、女子は食事後にお風呂ということだったので、

女子は食事までにベットメイキングをすることになった。

みんな初めての経験で苦戦している。

そういえば昔やったな…

そんなことを思い出したが何年もやってなかった陸も初めてと同じようなもので

みんなと同じように苦戦しながら終わらせた。

「できたー!」

まだ食事まで時間があったので4人でおしゃべりをしていると、

すぐに食事の時間になった。

楽しいと時間が経つのは早い。

食事を食べ、あっという間に入浴時間になった。

以前の陸だったら、恥ずかしくて耐えられなかっただろう。

しかし今の陸は微塵も恥ずかしいと思わない。

愛花として半年生活したことが陸を愛花という女の子に変えたのだ。

みんなと一緒に裸になって堂々とお風呂に入り、楽しい入浴を経験した。

部屋に戻り、自由時間を経て夜の9時に消灯となった。

といってもこんな早く寝る子はいない、

まして全員が仲のいい4人ならなおさらだ。

布団に入って話で盛り上がっていると、ふいに凛が恋愛話をし始めた。

「ねぇねぇ、クラスで好きな子できた?」

最初に答えたのはみな実だった。

「私、島田くんいいなって思ってる」

島田竜哉、サッカーをやっているスポーツタイプの少年だ。

爽やかでモテそうな気もする。

「島田くんかぁ…ライバル多そうだね。綾は?」

「んー…特にいないけど強いて言うなら安藤くんかな」

安藤智、明るくて面白い人気者だ。

綾は以前から明るい人が好きと言っていたので納得だ。

「愛花は?」

「私?私は…」

陸はまだ隼人が好きだ。

正直に言えば、あの頃よりは少しだが気持ちが薄れている。

しかし、それは仕方がないことでもある。

この時期の子供は目まぐるしいほどいろんなことを経験していく。

特に女の子は身体の成長もあるので、いつまでも昔のことを考える隙間がない。

つまり、今を生きるので精いっぱいだった。

「愛花は前から好きな人いるからね」

綾が陸の代わりに言ってくれた。

転校が決まった直後からの陸の行動で、隼人が好きというのは

当時のクラスみんなに知れ渡っていた。

もちろん凛とみな実は「誰?」と聞いてくる。

凛もみな実も友達だから話すことにした。

「転校した田辺くん」

2人は「ああ」と反応した。

「でも転校しちゃったら会えないよね」

「うん、次を探したほうがいいんじゃない?」

失恋したわけではないので、次は考えていなかった。

けど、時とともに隼人を忘れて他の男子を好きになるかもしれない。

そんな予感が薄々だがあった。

「そのうちね…それより凛は誰が好きなの?」

「内緒♪」

「ずるいよ、それ!」

盛り上がっていると早苗が部屋にやってきた。

「コラ、静かにしなさい」

「ごめんなさい…」

「もう消灯時間でしょ!って言いたいところだけど、こんな早く寝られるはずないよね。

おそらく恋愛話とみた」

「正解、先生さすがだね」

「私だってみんなくらいのときはそうだったからね。

○○くんいいよね、とかかっこいいよねとか。

けどね、話すなら静かに話してね。

そしたら今度先生も混ぜてもらうから」

「本当?」

「うん、先生もみんなと同じ女だもん、恋愛トーク大好きだし

みんなが誰を好きなのか知りたいしね。

じゃあ、おやすみなさい」

「おやすみなさーい」

早苗がいなくなって少し話をしてから眠りについた。

早苗はやっぱり私たちを同じ女として見てくれている、

心強い素敵な先生だということを改めて知った陸だった。


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