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second life  作者:
14/112

その後の日々

次の日、陸は髪をポニーテールにしてみた。

ゴムはリボンが付いているかわいいやつだ。

いつも髪を下ろしているだけなので、雰囲気が変わる。

それに合わせて服もショートパンツにニーソックスにした。

これからは学校でもこういう感じで行こうと決めていた。

隼人に見てもらいたいというのが一番の理由だが、女の子を楽しもうという

考えも生まれていたのだった。

完全に18歳のプライドを捨てた陸は、陸ではなく愛花だった。

「おはよー莉奈」

「おはよう愛花、どうしたの?その髪とか服」

「変?」

「全然、可愛い!」

「ありがと、せっかく女の子になったんだから、

これからはこういうのも楽しもうと思ってね」

「愛花変なのー、もともと女の子じゃん」

「だよね!それより小沢くんに渡した?」

「うん、ありがとうって貰ってくれたよ」

「よかったねー!」

「愛花は?」

「ちゃんと渡したよ!」

「やったじゃん」

2人は楽しそうに会話をしながら学校へ行った。

教室に入ると、陸と仲がいい子たちが可愛いと褒めてくるのが嬉しかった。

そこへ裕美が小声で聞いてきた。

「昨日はうまくいった?」

「うん」

陸は笑顔でピースをした。

「なになに?」

麻衣が興味津々に話を聞いてくる。

あまり隼人が好きなことを知られたくないので

「裕美がポニーテールにしたらって言ったからしてみたって話だよ」

と嘘をつき、「なーんだ、でも似合ってるよ」と返してくれた。

そんな話をしていたら隼人が教室に入ってきた。

「おはよー、田辺くん」

「お、おう」

隼人は少し顔が赤くなって席へ向かった。

逆に陸はチョコを渡したことで自信がつき、自然体でいられるようになっていた。

いつも通り楽しい学校が終わると、帰る直前、隼人がすれ違いざまに

「すごくおいしかったよ」と言って去って行った。

渡してよかったと心の底から思えた瞬間だった。


家に帰り、夜になると希美が帰ってきた。

昨日は希美が夜遅くに帰ってきたので、結果を話せなかったので話に部屋へ行った。

「ポニーテール自分でやったの?」

「うん、意外と上手にできたよ」

「愛花もすっかり女の子だね、今の愛花なら喜ぶかな?」

そういって大きな袋を陸に手渡した。

「開けてみて」

開けると、中身は大きなクマのぬいぐるみだった。

「女の子の部屋なのに、ぬいぐるみくらいないと殺風景だからさ」

「ありがとう、お姉ちゃん」

陸はぬいぐるみをほしいと思っていたので

嬉しくてぬいぐるみを抱きしめた。

「で、どうだったの?」

「ちゃんと渡したよ、すごく喜んでくれた」

「よかったねぇ、協力した甲斐があった」

「うん、髪型も可愛いって言ってくれたんだよ!」

愛花として生活するようになって約4か月、正直ここまで陸が愛花になるとは

思っていなかったが、それはそれでよかったと希美は思っている。

そして約1か月が過ぎた3月12日の金曜日、陸は学校で隼人に呼ばれた。

「明後日さ、野球の試合があるから見に来ない?ルールなんてわからないと思うけど…」

これはある意味デートだと思った。

しかも明後日というとホワイトデーだ。

陸に断る理由はない。

「行く!ルールもわかるから大丈夫!」

そういってバットを振るふりをした。

「おお!じゃあ1時から河川敷の球場だから。

もし一人が来づらかったら裕美とか呼んでもいいし」

確かに一人は気まずい、そうなると誘えるのは莉奈か裕美の2択になる。

それを考えると隼人と幼馴染の裕美のほうがいいだろう。

早速そのことを裕美に伝えた。

「ええ…面倒くさいよ、それに野球知らないし」

「お願い!裕美しかいないんだもん…」

「しょうがないなぁ…今回だけだよ」

「ありがとう!」

持つべきものは友達だ。

陸は裕美に感謝した。

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