専属契約
「今日はダンテ商会と専属契約を結びたくてやって来ました。」
「専属契約ですか?なぜ、ダンテ商会なのか聞かせて頂いても?」
「ええ。まずは貴方も知っている通りフレイム家の評判は最悪です。先代当主である父が亡くなりその時に家臣達は皆辞めて行きました。つまりはフレイム家は今私一人です。
私には幾つものアイデアがあります。しかし、幾らアイデアがあっても私一人では何もできません、だから貴方に力を貸して欲しいのです。フレイム家のために、貴方のために、何よりもフレイム領の民のために!!」
俺は自分の気持ちを正直にぶつけた
俺は口が達者ではない、難しい駆け引きなんてできやしない
「それに俺には味方は1人もいません。
この町に来ていろんな人に聞きましたが、どの人もダンテ会長が一番信用できると言っていました。貴方をこの国一番の商人にしてみせます。だから私に力を貸していただけませんか?」
全てぶつけた
これでダメなら仕方がない
「・・・・貴方には夢はありますか?私にはあります。ダンテ商会を国一番の、いやこの世界で一番の商会にしたい。それが私の夢です。」
俺の夢は
「・・・・わかりません。私にはまだ夢はありません。今は家と領地を立て直すことで精一杯ですから。けれど、一つだけ言えることがあります。・・・歴史に名を残したい。どんな形でもいい、この国の、この世界の歴史に名を残す。それが今の夢?みたいなものですかね。」
まだ夢はわからない
けれどいつかきっと見つけてみせる
俺にしかできない夢を
「歴史に名を残す、ですか。
ふふ、ふふふふ、あはははは!」
な、なんだ急に笑い出して
そんなにおかしかったか?
「ふふふ、すいません。わかりました、貴方に協力しましょう。いや、貴方の家臣にして下さい。貴方が歴史に名を残す時、その時は私も貴方と共に名を残すでしょう。
この世界で一番の大商人として。」
「ありがとうございます!後悔はさせません。これからよろしくお願いします。」
よっしゃ!
まさか、家臣になってくれるとは
これで色々はじめられるぞ!
絶対に歴史に名を残す!
その時はこの日が始まりと呼ばれるんだろうな・・・