てるてる坊主
雨嫌いな人がいなくなればいいなと思って書きました。
明日は待ちに待った旅行の日。
だけど外は雨模様。
これじゃあ明日の旅行はまた延期になるかもしれないな。
それだけは絶対に嫌だなぁ。
僕の力でどうにかなるだろうか・・・
人間はあまり雨が好きじゃない。
雨が降っては荷物は濡れるし、一番の問題は傘を手に持ってなきゃいけないことだ。
人間は手が2つしかないから1つが使えなくなるのは大変不便なことらしい。
そこで僕は考えた。
ラジコンヘリを改造して、頭の上を常に飛んでいるマシンを作ればいいじゃないか。
人間の頭の上を飛び、人間の頭を感知して自動で人間を追跡。
そしてヘリのプロペラの上に傘を取り付ければ今までの傘を持つといった面倒事は一気に解決。
そこで僕はそれを使って外に出てみた。
だけど外に出た瞬間失敗だと直感。
ヘリを飛ばすためには大量の風をヘリの下に送らないと飛ばない。
しかしその風により人間の頭にはすごい圧力を受ける。
これは辛い。
さらにヘリの面積分の雨しか防げず無風の時以外は、斜めからの雨によってずぶ濡れになった。
僕は急いで部屋に戻った。
これはダメだ。
改良しなくちゃ使えない。
まず機体を飛ばす方法をプロペラではなく上から空気を吸い込み機体の下に噴出させる方法に変えてみる。
そして機体を平な円盤状にしてその外周から吸い込んだ空気を噴出する。
これで噴出した空気は人間の体の外を流れ頭への風がなくなり、同時に噴射した風で斜めからの雨も防ぐことができるんじゃないか。
実際に飛ばしてみると、
空を漂うクラゲのような
頭の上にUFOが飛んでいるような
天使の輪のような機体で僕の頭にはしっくりくる。
そしてしっかり雨を防いでくれた。
雨にも濡れずなかなかいい気分だ。
街の人間は僕のそれを不思議がって見つめていた。
すると一人の小さな人間が好奇心を押さえることができず、近寄って僕の作ったマシンを観察し始めた。
その小さな人間はキラキラした目でそれを見つめ、ついにははしゃぎだした。
するとどうしたんだろう。
僕のマシンも小さな人間と一緒にはしゃぎ始めた。
この小さな人間は僕のマシンに何をしたというのかな。
僕はマシンを観察してみた。
するとこのマシンは僕を認識していなく小さな人間を追跡していた。
なるほど。
こいつは気付かなかった。
僕はまた部屋に戻り改良を加えた。
人間とすれ違ったり、近くに人間が通ると、僕ではなくその人間を感知してしまう。
そこで機体が僕を感知する方法を電波を受信して位置を特定する方法に変えてみた。
電波を発信する装置を肩に取り付けて、その電波をマシンが常に受信し続けることで僕の上空を飛び続けられるように改良した。
これで完璧だ。
しかしよく考えると旅行先の室内ではこれは邪魔になり、さらには傘よりも場所を取る。
荷物にならずに街を移動する時濡れない方法を考えることが先だった。
そこで僕は考えた。
街全体の歩道にドーム状の屋根を取り付ければいいじゃないか。
そこで雨を防ぐ屋根を作るために柱を歩道にたくさん作る。
柱には雨を感知する機能を付け、雨を感知するとビニールを柱と柱の間に展開する仕組みにする。
これで歩道を雨から防ぐことができるだろう。
街にそれらを取り付けると僕はとりあえず街を歩いてみた。
しかしまた失敗だと確信した。
柱からビニールが展開するのはいいがそれにより街が暗くなり歩道を歩きずらい。
そしてなにより柱により街の見栄えが悪いし街全体が狭く見えてしまった。
そこで僕は考えた。
雨を防ぐビニールを半透明にして光りを取り入れ、そこに様々な模様を描き、柱に色とりどりの小さなライトを取り付けることで雨の日に外を歩くのが楽しくなるようにした。
これならもしも雨が降ってもあんなことをされることはないだろう。
仲間の未練を思い浮かべると僕の心に雨雲が浮かんだ・・・
さらに柱は歩道の脇の地下に収納できるようにして、歩道の中央には特別なパネルを敷く。
そのパネルを踏むとそのパネルと前後のパネルの脇の柱が地下から飛び出して、そこにだけビニールが展開。
これで人が歩いた場所のみ雨を防ぐ屋根ができることになり、人間がいない時に街の外観を損ねることはない。
さらにパネル自体も光るようにしてパネルを踏んだ時にも点灯するようにした。
これで街が鮮やかになり雨の日が楽しくなるでしょう。
これで街の歩道は完璧だ。
だけど歩道を雨で濡れないようにしてもキャンプや山登りや海水浴なんかをするときはやっぱり濡れるのは嫌だよね。
歩道より地面を濡らさないようにすることが先だったかな。
そこで僕は考えた。
雨雲の少し下に傘みたいなものを作り、雨を地面に落とさないようにしたらいいんじゃないのか。
まず娯楽地の至るところに雲よりも高いビルを立て、そのビルの間をレールで連結。
そしてビルが雨雲を感知するとレールにビニールが走る。
そうすれば雨はビニールによって阻まれ地上に降り注ぐことはない。
そしてビニールに降り注いだ雨は周囲のビルに運ばれ、ビルがダムのような役割を果たし、地下からビルの間の草花を潤す。
そしてビルの中には雨水を浄化する装置を内臓させて、ビルに付いた蛇口をひねれば自由にビルに貯まった水が使えるようにする。
これなら雨の日が嬉しくなる人間が増えるだろう。
僕はそのビルの間を歩いてみた。
しかし重大な失敗に気づいた。
雨がいっぱい降るとビニールでは受け止めきれず破けてしまう。
さらにもしも雪や雹[ひょう]が降った時は必ず破けてしまうだろう。
さらに見落としていた重大な問題は鳥の存在だ。
鳥のクチバシとカギヅメはこのビニールを意図も簡単に突き破っていた。
さらにさらにビニールの位置より低い雨雲の雨は防げなかった。
そこで僕は考えた。
雨を防ぐビニールを透明なアクリル板に変更。
これならいくら雨が降っても以前のように破れる心配はない。
さらにアクリル板の内側に電気を走らせることで、雪が降った時アクリル板を温め、雪の堆積によるレールの崩壊を防ぐ機能も搭載。
そして鳥の群れが襲い掛かってきた時は電気でアクリル板を光らせ威嚇し、追い払う機能も付けた。
そしてそして高度の低い雨雲が発生した時のために、ビルにアクリル板を上下方向にも移動することができるレールを取り付けた。
これでどんな雨雲にも対応できる。
これで人間の嫌いな雨対策は完璧だ。
僕は地上に雨が降らない世界を堪能しながら街を歩いた。
『こんな装置があればもし明日雨が降っても許してくれるだろうか。
もしも僕が動けたならこんな装置を作るのにな。』
っと、僕は窓に映る雨雲を見つめながら妄想した。
もういっそのこと雨雲を吸い込む装置を作ってしまえばいいと考えたが、雨そのものを無くしてしまうと僕たちの存在理由がなくなってしまう・・・
雨が降るから僕たちは作られる。
しかし人間は晴れを望み僕たちの居場所を無くしてゆく。
僕は晴れを願っているが、僕の存在には雨が必要なのだった。
そしてもしも次の日雨が降ったら、僕たちは首をチョン切られてしまうんだ。
人間はなんて残酷な生き物なんだろう。
今まで何人の仲間が首をチョン切られたのだろうか。
僕は考えることを止めた。
そして僕の心に降りそうな雨をぐっとこらえながら願った。
『あ〜した天気にな〜あれ。』
しかし地球上の雨を止めることなど出来ないただの白い布地の僕は、ただただ震えながら天に祈りを捧げ続けるのだった・・・
ーおわりー
てるてる坊主の歌知らないと最後のところ分からないな( ̄▽ ̄;)




