Stage.01 空襲の雨
『嶽尋!おいっ!聞こえてないのか!!墅賀咫嶽尋!!』
『は、はいっ!先生!』
僕は間抜けにも、授業中居眠りをしていた。
いつ空襲警報が鳴るのかもわからないのにだ。
もし、空襲警報が鳴ったのに気付かず寝ていたら、今頃死んでいたかもしれないと言うのに。
今日の授業は3時間。
平日なのにだ。
今日はあの有名な空爆機、ストロークレインが空襲に来ると言う噂だからだ。
ストロークレインってのは、過去に日本の東京、大阪、新首都王伺を爆撃し、たった一分で荒野にしたんだ。
普通の空爆は、ミサイルが飛んで来る単純なものだ。
だけどストロークレインは、ミサイルを積んではいないんだ。
変わりにレーザー兵器を積んでいる。
昔、このレーザー兵器の元となる者を作ったのは日本だった。
だけど、その技術は簡単に盗まれ、さらに強力な兵器をアメリカが生み出した。
その威力を実験すべく北朝鮮に向け、撃った。
実験は大成功。
北朝鮮は跡形もなく塵一つ残らず消し炭になった。
そして、その兵器を実戦に初めて出した。
その時にその兵器を積んでいたのがストロークレイン。
僕は、背筋がゾクッとした。
うぅぅぅぅぅぅ〜
『空襲警報発令!空襲警報発令!状況はアメリカ軍ストロークレイン1機、イギリス軍戦闘機25機、ロシア軍サンダーブレイン5機。空襲脅威度SS級。速やかに地下シェルターへ避難してください!』
僕は走った。
噂が本当になったのだ。
しかもロシアのサンダーブレインまで来たのだ。
これはただ事じゃない。
下手をすれば日本全土が荒野になりそうだ。
そんなの嫌だ!
『空襲のバカヤロー!!』
僕は地下シェルターに向かいながら叫んでいた。