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<EP_003>難攻不落の処女峰。ヒュアキンティアの奇跡

リーザに続き、複数の少女が入場し舞を見せていく。

少女たちも鍛えられており、引き締まった筋肉と女性らしい丸みを帯びた、しなやかな肢体が踊っていく。

しかし、リーザの舞踊は彼女たちとは一線を画すように、力強く雄々しい動きを見せていた。

リーザの肌は、太陽を受け、数多の男をなぎ倒してきた汗によって、最高級のオリーブオイルのような輝きを放っていた。

それはまるでアポロンの祝福を一心に受け止めているようでもあった。

ペイトの目はリーザに釘付けとなり、その後ろで踊る年頃の少女たちの舞は目に入らなかった。

「あの歳でまだ処女ってのは信じられないな……」

「なんでも、この前のチャレンジャーは背後からのチョークスリーパーで絞め落とされて屋敷の外に朝まで寝かされたらしいぞ……」

「その前は両腕を粉砕骨折させられたんだっけか?」

「そうそう。さすがは『難攻不落のリーザ要塞』だよなぁ……」

見学している兵士たちの間からはそんな声が漏れ聞こえてきた。

(だ、だ、だ、大丈夫……リ、リ、リーザはボクを受け入れてくれるはずさ……多分……)

周囲の言葉にペイトの頭には不安がよぎったが、ペイトは必死にそれを打ち消した。


ペイトとリーザは幼馴染である。

スパルタ市民は生まれたと同時に部族の長老から面接を受け、そこで弾かれた者はタイゲウス山の洞窟へと遺棄された。

それを乗り越えると、6歳までは親元で育てられる。

ペイトの父親は兵舎を出る前に戦死しており、母親も病気でペイトが幼い時に亡くなっていた。

そのため、ペイトは祖父同士が戦友であった、ヴォルス家でリーザと共に育った。

スパルタの子供たちは男子は7歳になると学舎へと強制的に入学させられ、以降18歳の入隊までは学舎にて共同生活を送ることになる。

女子も学舎へ入学することとなり、男女問わずに舞踊や音楽、読み書きなどが教えられ、全裸での厳しい訓練が課せられていた。

ペイトが学舎に入学する頃には祖父母ともに亡くなっていた。

ペイトが学舎へと入所する直前に、リーザは涙を浮かべて言った。

「ペイト。私、ペイトのお嫁さんになるからね。だから、ちゃんと迎えにきてね。約束だよ」

そう言って涙ぐむリーザをペイトは今でもハッキリと覚えていた。

(リーザ。大丈夫、ちゃんと迎えに行くからね)

筋肉に血管を浮き上がらせ、光り輝く肉体を見せつけながら踊るリーザを見てペイトは拳を握りしめた。


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