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<EP_011>スパルタ純情伝

兵舎に戻ろうと、いつもの木へ向かうと、木の根元にはガイウスがいた。

「ガイウス隊長!」

思わず声が出そうになるが、ガイウスは口に手を当てて喋るなと指示を出した。

ガイウスが首で木の上を示すと、そこにはテリウスが手を伸ばしてくる。

ガイウスに押し上げられ、テリウスに木の上へと引っ張り上げられると兵舎の壁へと降りる。

その下にはセンティウスなど隊員たちが待っており、壁から落ちてくるペイトを受け止めてくれた。

テリウスとガイウスが降りてくると、隊員たちに抱えられながらペイトは寝所に戻っていった。

「おめでとう、やったんだな、ペイト」

寝所に寝かせられ、隊員たちから温かい祝福を受ける。

「ええ。でも、どうして?」

「ガイウス隊長がお前の帰還ルートを知っていてな。多分、ボロボロで帰って来ると思うから待ってたんだ」

「ああ、あのリーザ要塞を攻略するにしても、失敗するにしても五体満足じゃないだろうからな」

「それに、お前が攻略してくれたおかげで、夕食のナッツがしばらくは俺たちの隊で総取りなのさ」

隊員たちは口々に笑顔で言ってくる。

どうやら、ペイトの挑戦は兵士たちの間で賭けの対象になっていたようだった。

「ペイト。よくやった。お前も一人前の兵士だ。明日からはしばらく訓練は軽めにするから、まずは身体を休めろ。いいな」

最後にガイウスの言葉を受け、ペイトの意識はプツリと切れた。


翌日の兵舎では「ついにリーザ要塞が攻略された。しかも攻略したのは新兵!」というニュースで持ちきりになった。

しばらくの間、リーザ要塞を攻略した勇者に挑もうとペイトは兵士からパンクラチオンの勝負を挑まれ続け、勇者と絆を深めようという誘いもひっきりなしだった。


その後、新しい脱出ルートを開拓したペイトはリーザの元へと通うこととなる。

リーザの元に通った後のペイトは唇を腫らし、ピュトンに巻き付かれたような痣を作っていたことは言うまでもなかった。


【スパルタの中心で、愛を叫ぶ 新解釈ギリシャ神話・スパルタ純情伝 〜Fin.〜】


「スパルタの中心で、愛を叫ぶ 新解釈ギリシャ神話・スパルタ純情伝」に最後までお付き合いいただきありがとうございました。

この物語はフィクションですが、スパルタの生活や結婚様式はプルタルコスのリュクルゴス伝をなぞったものです。

この物語に石を投げたい人は私にではなく、プルタルコスかリュクルゴスに投げて下さい。

この物語はスパルタで一途な純情を貫いた二人の物語です。

純愛?

純愛なのだろうか?

純愛と言ったら純愛なんだい!

純愛とはいったい……

そんな疑問を持った方はコメントなど下さりますと今後の執筆活動の励みになりますので、よろしくお願いいたします。

では、また会える日を楽しみにしております。

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