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スキル『マンション』で異世界無双 〜不労所得で一生ダラダラします。  作者: 間宮芽衣


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【41】敵軍=テロリストと認識したようです


【管理人権限:多数のテロリストに包囲されています。防犯レベル3作動。──実行しますか?】


 街の皆は地下に避難して誰も人はいない。

 ここで街にさえ入らせなければ俺達の勝利が確定だ。


(あ、テロリスト扱いなんだ。草)


『カワグチ様。街の中までは入り込んでおりませんが、近くまで少しずつ包囲されている模様です』


 今日に至るまでに、セインさんの派遣してくれた魔導士も街の近くに潜んでいる者達を監視してくれていた。


『あー、大丈夫大丈夫。囲ませといて』


 そして、経過は俺の耳にも入ってきていたが、一気に叩くため、そして油断させる為にわざと囲まれた。


「よし、それじゃ、いきまーす」


YESを選択すると、アルカディアの街全体が光り出す。


「…なんだ?!」

「何が起こった!!」

敵兵が戸惑った声を上げる。


 その瞬間、敵将が叫んだ。


「怯むな!! アルカディアは包囲した! 撃てぇーーー!!!!!!」


 パンパンパンパンパン!!!!


 その瞬間、一斉に四方八方から敵の放った銃声がした。


「か、カワグチ殿! 本当に大丈夫なのか?!」


グレインさんが焦った声を出す。


 確かに言葉で大丈夫と言われても不安なのだろう。


 ちなみに、俺には自分が使ったスキルだからか、何故か『大丈夫』という自信があった。


 隣でペロがウズウズした顔で尻尾を振っている。


グレインさんとクリスさんをはじめ、騎士団の人達が念の為盾を構え、魔術師はシールドを張った。


 パアアっと金色のガラスのようなものが魔術師の目の前に浮き出てくる。


(おお!! 魔法っ!!)


地味に初めて魔法を見る俺は少しワクワクした。


 ──だが敵の攻撃はそもそも届くことなく光の膜が波紋のように波打って飲み込んでいき、消えてしまった。


 決して俺達のいるペロモールの屋上やアルカディアに何かが入り込むことはない。


「な、なんだこの膜は?!」


敵が怯んだ瞬間、ペロが前にクリームパンを盗んだ時よりもさらにけたたましい警告音が聞こえてきた。


ビー!! ビー!! ビー!!


『──テロリストを拘束しますか?』


俺はYESを選択する。


 すると、シールド膜からまるで触手のようなものが出てきた。そして、ものすごい勢いで敵兵に巻き付いていく。


「なんだこれはっ」

「身動きが取れんっ」


(…え、自分の魔法なのになんかキモい…)


俺がそう思って自分のスキルにドン引きしてしまった。味方であるラングスチアの兵達も直立不動でその様子を見ている。


「こ、これは…!!」

「まるで生きているモンスターか何かのようだ!」


そして、触手に押さえつけられて、隠れていた敵軍の人間の姿も明確になった。


(あれまあ…結構隠れてたんだな…)


 その場所に向けて、ペロモールやスカイファームタワー、ペロマートや役場など、あらゆるアルカディアの建物の壁から、ジャキッと銃が出てきた。


 バリバリバリィイイイイイ!!!!


 銃口からは無数の電撃が出てきた。


 恐らく人を検知してピンポイントでその場所を電気で攻撃しているのだろう。


「「ギャアアアア!!!!!」」


敵の驚いた叫び声が響く。触手に締め付けられ、電気ショックを与えられ、敵の大半が失神寸前だ。


「…え。これ大丈夫だよね?」


俺がボソリと呟くと、タブレットに


『死なない程度に調節してあります』


と表示された。


「なんという圧倒的な力だ…!!」


味方からも驚いた声が上がる。


(…もう大丈夫かな?)


そう思いかけたときだった。


「…くそぉおおおおお!!!! これでも食らえ!!」


敵兵のうち一人が、ものすごい跳躍をして触手を大剣で切り刻みながら前に進み出てきた。


 バシュッ! バシュッ!


 彼は黒い髪をたなびかせ、物凄い筋力で味方の戦車などをクッションにしてこちらに鬼神のごとく迫ってきた。


 普通の剣では恐らく攻撃が吸収されるところを、彼の剣は凄まじい速さのため触手が切れてしまうようだ。


(…え!! この人凄いっ)


するとグレインさんが目を見開く。


「あれは…!! ヴァラ共和国最強の剣聖! ヴィクラム!!」


 キイイイイイイイン!!!!


──その瞬間。

 ついにヴィクラムの剣がセキュリティバリアに届いた。


 今のところ弾かれているが、何度も何度も剣を打ちつけられるうちに、その部分だけ少しずつ膜が薄くなっている。


(え…これ、破られんじゃね…)


不安になった瞬間、タブレットに文字が表示される。


『MP全てを消費して、全てのテロリストの持っている武器をチョコレートにしますか?』


(俺がヤバいってバレるかもだけど、まあ死ぬよりはマシかな…)


俺がYESを選択した瞬間。


 シュウウウウウ…


 敵軍の握りしめている剣や大砲、そして戦車までもが一瞬で茶色くなっていく。


 パキッ!!!!!


「──なんだ?!」


その瞬間、ヴィクラムの剣が粉々に飛び散って、チョコレートの残骸が俺とペロの前に落ちた。

 

 そして、元の厚さに戻ったバリアがヴィクラムを触手で拘束していく。


「…っ、私の伝説の剣がっ!」


ヴィクラムの悲痛な声が響く中、呑気な声が響く。


「おお、なかなか美味いチョコレートだのう」


ペロがバリバリと元大剣だったチョコレートを拾い食いする。


「…なっ!!」


ヴィクラムが目を見開きながら触手と共に地面に向けて下がっていく。


「ペロ、あんま拾い食いはよくないぞ? 砂とか付いてたら汚ないからな」


 剣士や兵は盾や剣、魔銃、鎧、戦車や砲弾、弓にいたるまで全てチョコレートになってしまい戸惑っている。


「皆さーん。鎧、お菓子になっちゃったんで脱がないと下に着てる服がベタベタになっちゃいますよー」


俺の言葉で、何人かがハッとした顔をした後、渋々と戦意喪失して鎧を脱ぎ出した。


(うん、人間じゃなくて武器だけど、リアルで『お菓子になっちゃえー』をやってしまった…)


 すると、魔術師だと思われる人達がなんとか触手を焼き切ったようでヤケクソでボンボンと光る玉のようなものをバリアに打ちつけ出した。


 ──だが、それも全てバリアに飲み込まれていく。


「…そ、そんなぁああ…」

 

泣きそうな顔で魔術師だと思われる女の子が一人へなへなと座り込んだ。


 どうやら連打してたのでMPも使い切ってしまったようだ。


 ちなみに魔導士の杖もチョコレートになってしまったようだ。


「──完敗だ。降伏させてもらう。みんな、攻撃をやめろ」


敵将だと思われる人がヨロヨロとこちらに向かって来た。


 とりあえず、万が一武器を隠し持っていたとしてもそれもチョコレートになっているので大丈夫かと思う。


「…凄い、本当に無血で終わらせてしまった」


そう言ってグレインさんが呆然としている。


 スキルのAIもそう判断したのかバリアの膜が晴れていく。


 ただ、拘束している触手だけは残ったままだ。


「カワグチ殿。行きましょう」


グレインさんにそう言われて、エレベーターを使って一階に降りる。


「やー、どうもこんにちは。お名前伺って良いですか?」


俺はとりあえず挨拶しに行った。


 後ろには騎士団のメンバーや魔術師がいる上に相手の武器はチョコレートだ。


 全然怖くはない。


「──ヴァラ共和国騎士団長のニッケルだ。其方が敵将か。完敗だ。俺の首を取れ」


 そう言ってスッと首筋を俺に晒してきた。


(いやいや! 怖いから!)


思わず俺の顔が引き攣る。


「いや、別に首とかいらないんで」


「いや、どうか差し出すから他の者を助命して欲しい」


その言葉に俺は「はぁ」と溜息を吐く。


「最初から命取る気なんてないですから。今回、シンワ共和国の人はいないんですか?」


「…ああ。彼らはこのような小さな街、我らだけでどうにかなる…と思っていたようだ」


「──そうですか。うーん、とりあえず貴方達には捕虜になってもらいます。

 僕達も結果を国の偉い人に報告しなきゃいけないので。とりあえず、このまま兵舎にある囚人用の寝泊まりする所に行ってもらいますね」


俺の言葉にニッケルさんは暗い顔で頷いた。

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― 新着の感想 ―
強い。強すぎるぞ。セキュリティシステム。 敵の攻撃を寄せ付けないシールドに、敵を捕縛する触手、建物の壁から飛び出す電撃銃。 敵の武器を全てチョコレートにする機能に至っては、私の予想の遥か上を飛び越えて…
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