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スキル『マンション』で異世界無双 〜不労所得で一生ダラダラします。  作者: 間宮芽衣


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21/34

【21】俺は異世界の『勇者』というより『魔王』かもしれない。


「…畑をやりたい、ですか。それってもしかして農家のミラノさんって方ですか?」


俺が尋ねるとザイルさんが顔を上げた。


「はい!! そうです! カワグチ様、ご存知だったのですか?」


「あ、いえ。村に迎えに行った時にハンナさんがチラッと言ってたなぁ…と。…確かに日当たりが悪いと厳しいですよね。ちなみに、他に農業やりたいって言ってる人はいますか?」


すると、ザイルさんは考え込む。


「そうですねぇ…。五人くらい、ですかね。元々農業をしていた者達も働く場所があるならペロモールの方がいいという若者も多くて…」


(うーん…確かに。そりゃそうだよなぁ。)


「…一度僕の方でできる事がないか、考えてみます。

 

 その、僕の能力は、レベルが上がる度に出来ることが増えるみたいなのですが。


 実は今回レベルが上がって得た能力を全部まだ確認しきれていなくて。」


ちなみに、本当は面倒だから見ていなかっただけだが、そんな事は言えない。


 すると、二人がピシッと固まった、


「…あれ以上に何かできるかもしれないんですか?」


「…まあ。ちょっと確認してくるんで二人で話しててください。ペロ、行くぞ。」


俺の言葉に二人は固まったまま頷いた。


「「…はい。」」


俺は自分の部屋に一旦戻ってからタブレット画面を出す。


「あの場でタブレット画面を出したらまずかったのかの?」


ペロが不思議そうな顔で聞いて来た。


「いやー、一応個人情報だからさ。俺も知らん能力をいきなり他人に見られるのは嫌じゃん?」


タブレットにはこう表示されている。


…………………………………

 川口 ナツキ(28)

HP:350

MP:600

スキル:『マンション』『言語』『鑑定』『アイテムボックス』『通信』『物体移動』『公共物生成』NEW!『構成物変更』


レベル:3

スキルレベル:3

RC造マンション(エレベーター付)

スキルポイント:30

…………………………………


(あ。レベルがまた一つ上がってる。またなんか増えてるんだけど。)


そんな事を思いながら『マンション』の文字をタッチする。


 すると、レベルが上がったので、建てられるマンションがデフォルトでRC造マンションでエレベーター付になったようだ。


(つまり、普通のマンションを作る分にはマジックポイントの消費だけでいけるようになったっていうことか。)


…………………………………

マンションLv1:木造アパート

マンションLv2:RC造りマンション

マンションLv3:エレベーター付き

マンションLv4:テナント解放(SP2消費)

マンションLv5:タワーマンション(SP5消費)

マンションLv6:ショッピングモール(SP10消費)

マンションLv7:リゾートホテル(SP20消費)

マンションLv8:テナント単体作成(SP5消費)・建物のグレードアップ(SP5消費)


マンションLv9:???

マンションLv10:???

…………………………………


そして、下の方を見ていくとなんと、今まではマンションと一緒にしか作れなかったテナントが単体で作れるようになっていた。


 そして、どうやら既存の建物を他の建物に変更することも可能になったらしい。


「まじ?! やった。…まあ、コスパはそんなに良くないけどな」


テナントを試しにクリックすると、コンビニ、スーパー、ファミレス、郵便局の他に、ケーキ屋やパン屋、飲食店や服屋、オフィス、保育園、病院など選べるものが圧倒的に増えていた。


 しかも、『オート』モードか『マニュアル』モードか選択出来る。


 『マニュアル』だと貸出してテナント料をもらう事が出来、『オート』なら今までのコンビニと同じように従業員さえ雇えば回るような仕組みらしい。


 ただし、テナントによってはオートモードには出来ないらしい。


(すげぇな…、何でもありじゃん)


そんな事を思いながら面倒くさくて今まで見てなかった他の能力を見ていく。


 ──まとめるとこんな感じだった。


『言語』はこの世界の言語が理解でき、『鑑定』は物体や相手のステータスを念じると読み取れるらしい。


 そして、『アイテムボックス』は時間経過なしで荷物を持ち運べる。


 『通信』はスマホで異世界と連絡を取ったりコンテンツを見られるということらしく、この世界の人と自由に連絡を取れるというわけではないらしい。


(まあ、ここら辺は思ってた通りだな。さてと、増えた能力は何ができるんかなっと)


俺がタブレット画面をさらにタッチして詳細を見る。


 『物体移動』は異世界に存在する物質をなんでも自由に動かせるらしい。


(あー、この能力とアイテムボックスを二つ持っていたから畑や家も手ぶらで移動出来たのか。


 つまり、組み合わせて応用も出来るってことね)


『公共物生成』は前回使ったようにゲームのように公共物を自由に作成する能力らしい。


 噴水や柵や看板、生垣や道路や街路樹や街頭、池や公園などその種類は何十種類にも及ぶ。


(で、これが今回新しく加わった能力か。)


──『構成物変更』をタッチする。


すると、どうやらこの能力は物体の素材を自由自在に形を変えたり、構成している素材を変更できるらしい。


(え…これって。自分で作ったものじゃないものもいけるってこと…?)


俺は恐る恐るそこにあった綿のワイシャツを『ポリエステルになれ』と念じてみた。


 すると、


『ワイシャツをポリエステルに変えますか?

 消費MP:5』


と出て来たのでYESを選択する。


 するとシャツが光り輝いてノンアイロンタイプのポリエステルのワイシャツになった。


「…す、すっげぇえええええ!これ、え、やばくない?」


そんな俺にペロはキョトンとした顔をしている。


「ん?シャツの質感を変えただけじゃろ?どこがヤバいのかワシにはよくわからんが…。」


(ペロが少しアホな奴でよくわかってなくてよかった…!!


 こんなん知られたら…。


 ──まさかこれ『生き物』にも出来るのか?


 マジ念の為部屋に戻って来てからやって良かった!!)


そんな考えが頭によぎって背中に嫌な汗が流れる。


(もしみんなの前で建物の素材を変えることがあっても、この能力の本質については絶対に黙っていなければ。)


小さい頃見たアニメで敵キャラが『あははっ! みんなお菓子になっちゃえー!!!!』とやっていたのを思い出して戦慄する。


(もし俺の勘が当たってたらあれが、出来ちゃうってこと…だよな?)


俺は絶対に自分の能力を誰にも話さないと心に誓った。


(一応あとで、虫とかで確認してみっか。


 ──それはそうと、この能力があるなら農地の問題も解決出来るな…)


俺は日本にいた時になんとなく営業トークで使おうと勉強した『あること』を思い出して頷く。


「よし、ペロ。とりあえず農家さんの件は解決できそうだ。ゲイルさんとグレイスさんのとこに戻るぞ。」


俺はそう言うと、ペロと二人でカフェテリアに戻った。


 戻ると二人は何やら熱心に話していた。どうやら、村人達の希望や今後の展望について話していたらしい。


「お待たせしましたー」


俺の言葉で二人が振り向いた。


「お疲れ様です。──その。どうでした?」


恐る恐る尋ねてくる二人に俺は笑顔で答える。


「うん。なんとかなりそうです」


俺の言葉に二人がホッとした顔をした。


「そうですか」


「とりあえず、村人達がマンションからラミアタウンに全員引っ越したら農業できるようにしますんで。


 それじゃあ、また明日何かあったら相談してください!」


俺の言葉に二人が頷いたので俺は笑顔でペロと一階に降りていく。


(あーあ。のんびりしたくて異世界きたのになんだかんだ言って忙しくなって来たな…)


──そんな事を考えつつも、俺には今早急に確認しなければならないことがある。


「悪い、ペロ。ちょっとここで──コンビニで待っててもらっていい? ほら、このアイス奢るから」


そう言って前からペロが気になると言っていたクレームブリュレアイスを買ってあげた。


「あ、カワグチさん。最近忙しそうだね」


話しかけてくるハーマンさんの声もどこか耳を滑っていく。


「そうっすねー。まあでもハーマンさんも面接でこれから忙しくなりますよ? あ、でもその代わり給料これから家賃免除で金貨三十枚にあがりますんで。」


「え、本当に?! やったー!!」


そんな事を軽く伝えてから一人で外に出てキョロキョロとマンションの裏で小さな生き物を探す。


 そして、見つけた小さな虫に


『金属になれ』と念じてみる。


 ──すると、タブレット画面に


『この虫を、金属に変えますか?』


と出て来て慌ててキャンセルする。


 心臓がバクバクと嫌な音を立てた。


(…やっぱりできんのかよ!!


 ペロが異世界から来るのは勇者とか言ってたことがあったけど…。

 

 ──こんなの異世界の勇者ってより『魔王』だろ!)


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