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スキル『マンション』で異世界無双 〜不労所得で一生ダラダラします。  作者: 間宮芽衣


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【1】スキル【マンション】で異世界大家デビュー。

「おいっ! 川口!今日これから200万積んでこいや」


夜の21時、静まり返ったオフィスで、上司の久間口さんに肩を叩かれた俺は固まった。


「え。帰ろうと思ってたんですけど。というか僕、今月もう達成してるんですけど。」


「何言ってんだっ! 新卒のあきちゃんとミユキちゃんに負担かけさせられるわけねぇだろ! 組織が達成するまで、お前が積んでこいや!!」


あきちゃんもミユキちゃんも申し訳なさそうに頭を下げたが──俺は知っている。


 二人とも久間口さんとデキていることを。


(久間口のやつ……。同じオフィスで同時に手出ししやがって!! 男性ホルモン分泌過多で禿げろ!!!)


そう思いつつ、俺はヘラヘラ笑いながら電話をかける。


「もしもし田中さん、まだいらっしゃいました? 例の広告、買ってくれません?」


『ええー!? こんな時間じゃ上司の許可降りないから決済できないよ〜』


「ですよねぇ……」


メールを送りまくり、電話をしまくり、なんとか70万積んだ。


 ──買ってくれたクライアントは、半分同情、半分は恩を売る為だった。


 時計を見ると、既に23時過ぎ。


(あー……だるい。缶コーヒーでも買うか。誰もいないし、ビール飲みながら仕事したいわ)


自販機のボタンを押した瞬間──


『当たり!』


(は? 別に2本いらないし。そんなのより、あと130万なんとかしてくれよ)


そう思い、ため息をついた瞬間、自販機がピカーッ!と光った。


「……は?」


気づけば俺は、ふわふわした雲みたいな床に立っていた。


 そこには真っ白な髪、金色の目の美女が、真っ白なソファに座って足を組み、俺に笑いかけている。


「こんにちは、川口ナツキくん。あなたは今、『異世界召喚』に大当たりしました。


 ──あなた、疲れてるでしょう? もう現実逃避して、異世界で好きなことだけして生きたらどう?」


「は? ……え、本当に?」


「ええ。どうする? チートもらって無双する? ハーレムでも作る? 好きなスキルを選ばせてあげるわ!」


俺は震えながら叫んだ。


「……やったー! 永遠の有給じゃないですか! 俺、異世界でダラダラしたいです!! 何もしたくないです!!」


女神は固まった。


「は? …え。せっかくなんだから色々やればいいじゃない。この前の子なんか毎日魔力枯れるまで訓練して──」


「いや! なんで異世界でも頑張んなきゃいけないんですか! 現実でも頑張って、異世界でも頑張れって……。無理に決まってるじゃないですか!」


女神は口を閉じた。


「じゃ、じゃあ……クラフト系は? 料理なんてどう…? ゆっくりできるし……」


「いや! そういうのも要らないです! ──俺はダラダラしたいんです!!


 でも衣食住と金がないのは困るんで、不労所得になりそうなスキル……。あ、良かったら、スキルのリストがあったら見せてもらえませんか?」


渋々、女神はモニターを展開した。


 すると、エクセルのスキル一覧が出てくる。


「…ん? この『マンション』ってなんですか?」


「これ? 前任の神が冗談で作ったスキルよ。マンションを出せるだけの、よくわかんないやつ」


「詳細お願いします」


女神が見せた詳細を見て、俺は目を輝かせた。


「最高!! 水道光熱費無料! Wi-Fi無料! メンテ費無料! これで部屋貸して家賃稼ぎます!」


女神は疲れた顔でため息をつく。


「……わかったわよ。『マンション』あげるから。


 ほんと、異世界っぽくないわね…つまんない…」


額に触れられた瞬間、スキルが流れ込む。


「やったー! 女神様最高! 美人で優しくてさすがですー」


俺がテキトーに褒めてヨイショすると、女神は苦笑いで言った。


「言語・鑑定・アイテムボックススキルもつけてあげる。…ついでに『通信』もつけてあげるわ。


 とりあえず、マンションを建てられそうな、辺境に飛ばすわね。…行ってらっしゃーい」


「はーい!ありがとうございますっ!」


(さようなら、積めなかった130万!こんにちは!異世界)


──こうして光に包まれ、俺は異世界へ放り出されたのだった。


◇◇


 異世界に着くと、どうやら女神の言っていた通り、ここはどこかの辺境らしい。


 だだっ広い大地に草っ原が広がっている。


「うーん、土地の権利とかどうなってんだろ? ま、誰もいないからテキトーに建てちゃってもいいか」


とりあえずもう疲れたのでマンションを出して寝ることにした。


 俺が手を翳すと、タブレットのような画面が出てきた。


 そこに俺の今の能力や強さ、スキルのレベルなどが表示されている。


…………………………………

 川口 ナツキ(28)

HP:150

MP:300

スキル:『マンション』『言語』『鑑定』『アイテムボックス』『通信』

レベル:1

スキルレベル:1 木造アパート

スキルレベル:1

スキルポイント:10

…………………………………


ちなみに、スキルポイントとは、どうやら建てられるマンションのレベルを上げる為に必要らしい。


 備考を見ると、スキルのレベルによってデフォルトで建てられるマンションが違うようだ。


…………………………………

マンションLv1:木造アパート

マンションLv2:RC造りマンション(SP2消費)

マンションLv3:エレベーター付き(SP5消費)

マンションLv4:テナント解放(SP10消費)

マンションLv5:タワーマンション(SP20消費)

マンションLv6:ショッピングモール(SP30消費)

マンションLv7:リゾートホテル(SP50消費)

マンションLv8:???

マンションLv9:???

マンションLv10:???

…………………………………


 ちなみに( )内が必要なスキルポイントであるようだ。


「階段で登るとか絶対疲れるし。エレベーター付き一択だな。今の時点でテナントって何選べるんだろ」


呟きながら、『テナント』という文字をタップすると、選べるお店がずらりと出てきた。


 コンビニ、スーパー、ファミレス、郵便局から選べるようだ。


(うーん、ちょっとスーパーより売ってるものの値段は高いけど、日用品とか一通り揃いそうだし…。やっぱりコンビニだな)


俺はスキルポイントを使用して、『マンション』のスキルレベルをLv.4にする。


 そして、テナントにコンビニを選んだ。


 すると、画面に


『マンション生成を実行しますか?

 消費MP:200』


と出てきたので『YES』を選ぶ。


 ──その瞬間。


ゴオオオオオオオオオ!!


 物凄い音がして一階にコンビニが入った立派な新築マンションが出てきた。


「おおっ!! 凄いっ」


俺が早速コンビニに入ると、レジだけスーパーのようなセルフになっていた。


(まあ、確かに店員いないしな)


俺はとりあえず、ビールとチーズとたこわさ、そして明日の朝の分のおにぎりとヨーグルトを籠に入れると、セルフレジでスマホ決済した。


「よーし、これで今日はダラダラしようっと」


ATMをいじってみると、ちゃんと現金も、現地のお金か日本円か選んで引き出せるようになっていた。


(…なんだこのボタン)


俺は『物品現金化』というボタンを発見した。


 間違って押すと、なんとたまたま左手に持っていたスマホが吸い込まれて行ってしまった。


 すると『10万8000円に換金しますか?』と出たので慌ててキャンセルする。


(モノを現金に出来るのはすごいけど、流石にスマホなくなったらやばいわっ!)


「さて…と。じゃあいよいよマンションだな。

 ちゃんと入れるといいけど」


マンションのエントランスは生体認証になっているようで、すんなり入れた。


 丁寧に最上階の701号室に『管理人』と札が貼ってあったのでエレベーターで7階に向かう。


 ──ドアに手を翳すとロックが解除された。

 

 恐る恐るドアを開けると、3LDKの新築の部屋の中に、必要最低限の家具や電化製品、着替えなどがきちんと用意されていた。


 テレビの前には最新のゲーム機まである。


「やったー!至れり尽くせりだ。とりあえず風呂入ってビール飲んだら寝ようかな」


ベッドはフカフカで、柔軟剤のいい匂いがした。


──こうして俺は、異世界で最初の『快適すぎる夜』を迎えることになった。



こんにちは。作者です。

徹底的に頑張らない主人公を書きましたw

よく考えたら異世界に行ってまで頑張りたくないなぁと。カワグチと一緒にゆっくりダラダラして下さい。

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