第67話 お食事会
さあ、大変!
隠形鬼の胃袋を満たすことは出来るのか?
大妖達の連携プレイが光る!
今、僕は忙しい。
ひじょ~に忙しい。
なんせ、食堂のウェイターだからだ。
お客様は大変大喰らいな方ばかりで、さっきから、空の皿を退いては料理を出すのを繰り返している。
一人一人に出していられないので、テーブルの中央部に大皿で提供し、各々好きな料理を取って食べてもらう方式だ。
そうじゃないと回らない。
だって、みんな鬼なんだもん。
食べる食べる。
飲み物とスープはリントとミレイユに担当してもらい、僕や大妖達でウェイターやウェイトレス、調理担当に分かれ、隠形鬼チームに食事を提供しているのだ。
ちなみに、雲外鏡にも料理を提供している。
無機物でも、付喪神なら食事出来るんだよ。
鏡面が口になってるというか、亜空間に繋がってるというか……咀嚼している風にも見える。
いつも気になって、ついつい見ちゃうんだけど、今はそんな暇はない。
ほらまた、いっさんのテーブルが空になりかけじゃん。
このチャーハンを持っていかないと。
超山盛りじゃん。
お、おもひ……!
幼児の身体じゃ持ち上がらないよぉ。
しゃーない……身体強化!
あああぁ……また失敗してるし。
また、前鬼パパに叱られるぅ。
12歳くらいかな?
でも、大皿は持ち上がるよ。
ひょいって。
「タマモ、タマモ!」
「なによ。
こっちは忙しいんだから……」
「事件にゃ!」
「はあ?……まあ!これもイケルわぁ」
「ショタ案件にゃ」
ゴンッゴンッ。
「「あいたっ!」」
振り返ると、後鬼がお盆を振り回してアヤメとタマモの頭を叩いてた。
???
「ちゃんと給仕なさい」
なんかわからないけど、二人が後鬼に叱られてる。
そんな二人はさておいて、大盛りチャーハンを一朗太のテーブルに持っていく。
「あら、可愛らしい少年が持ってきてくれたと思ったら、鈴木次郎様じゃありませんか」
鈴蘭が笑顔で迎えてくれる。
「これくらいじゃ、まだあどけなさが抜けないか。やっぱり」
「うむ。めいこい」
一朗太にまで言われた。
「この頃の同級生からは、大人っぽい顔立ちって言われてたんだけどね」
「そりゃまあそうでしょうけど……。
ねえ、鈴木次郎様。
その姿で年頃の婦女子の前にいかない方が良いと思う」
ああ、この頃からラブレターもらい始めたんだっけ。
「相手が成人してればセーフか」
「「(余計に)ダメ」」
年上の人からもらったことはまだ無かったけどなぁ。
???
「一部の男にもマズイかもなぁ」
いっさん、気持ち悪いこと言わないでよ。
「あ、僕。そういうのは一切受け付けないから大丈夫」
「なら、女性は関心ある?」
鈴蘭が突っ込んでくる。
「そりゃ、正常な男だもん」
「………………」
二人とも黙っちゃて、どしたの?
「鈴木次郎様。
この話は私と一朗太だけでとどめておきます」
いきなり鈴蘭が声を潜めて話しかけてくる。
???
「まあ、いいや。
お肉も持ってくるね」
ついでに空き皿を持って、撤収用ワゴンへと運ぶ。
そうこうしてる内に、ようやく食事会も終わった。
ふぅ~。今度はこっちがお腹空いたよ。
隠形鬼達は余り物を一切残さず食べきったから、僕らは簡単に、おにぎりと味噌汁、お漬け物。
これで十分。
屋敷のみんなもご苦労様。
アヤメとタマモ、ミレイユはウェイトレス、僕とリントがウェイター兼ワゴン運び。
真神もワゴン運びはしてくれた。
後鬼は調理の総括と食堂の様子見で厨房を出たり入ったり。
八咫烏が熱を操作して、前鬼がフライパンを振る係。
途中から牛頭と馬頭も来てくれたから、フライパンを振る係が増えてくれた。
意外にも牛頭が作るチャーハンが超絶美味しいらしい。
しかも手早く作る。
今度、食べさせてもらおう。
ヒルコが洗い物一切を引き受けた。
多数の触手が乱舞してたらしい。
烏天狗が食材を運び入れ、弁天とユキが食材のカットなどの下ごしらえと副菜作り。
キキは病院勤めなので免除。
意外なことに、八岐大蛇が炒め物担当。
八つの頭を手代わりに、調味料や菜箸、ヘラを掴み、器用に仕上げていたそうだ。
一番大変だったのは烏天狗だったかもしれない。
無尽蔵の胃袋を満足させる為に、何度食糧庫を往復したんだろう?
ホントは、スーパー料理人の後鬼ママが一人で出来ちゃったりするんだろうけど、今回は屋敷のみんなで隠形鬼達に感謝を示そう会でもあったので、良かったと思う。
僕達の朝ごはんが終われば、次は報告会と作戦立案だ。
でも、朝ごはんはしっかり食べる。
大事なことだよね。
あ~、お新香が美味しい。
余談
「あんた、さっきのことは誰にも言うじゃないよ」
「わかってる。
漏れれば、ここに血の雨が振るかもしれん」
「こんなとこで、妖大戦争なんてイヤだよ、あたしは」
「原住民も参戦するから、魔法も飛び交う」
「妖術と魔法が入り交じる戦は経験ないからね。
どこにどう避難すれば良いかもわかりゃしない」
「…………解決策が無いこともない」
「さすがはあんただ。
……で、なに?」
「鈴木次郎様が全て娶れば良い」
「一夫多妻かぁ。
現代の日本に私達もいたからわかるじゃない。
昔はそうでも現代は法律とやらで禁止になったって。
鈴木次郎様は現代っ子よ?」
「そうかあ?
あの方はそういうもんから逸脱しとるっちゅうか、たぶん気にせんぞ」
「そうかな?」
「ワシはおまえ一人がいれば良いけどな」
「あんた」
はいはい、ごちそうさま。
軽いショタ案件が発生した模様(笑)。
次郎の変化はまだまだですね。
お次は作成立案なんですが……ちょっとした事件が起こります。
お楽しみに♪
皆様、良いお年をお過ごしください。




