第39話 週間定例会議
新章の始まりです。
相変わらず、ほのぼのと物語は進みます。
一応、作者の中では区切りがあります。
お楽しみください。
皆さん、こんにちは。
かなり涼しくなって参りました。
お腹がムズムズする今日この頃です。
いや、おへその下辺りがゴニョってすると言うか、ムニムニってすると言うか、なんか変な感じ。
久しぶりにステータスボードを開いてみる。
やっぱりね。
スキルの妖召還の文字がいつも以上に光ってる。
と言ってもなぁ~。
今は特に必要性を感じないんだよな。
拠点生活も安定して、様々なものが充実し始めてるし。
あえて言うなら、土地が豊かなせいか、需要より供給の方がかなり多いくらいかな。
まあ、足りないより全然良いよね。
でも、僕のムズムズが止まらない。
ん~、みんなに相談してみよっ。
屋敷の会議室に誰も欠けることなく、全員が集まっている。
週に一度、定例会議を開くことにしている。
今までは、何か事件が起きた際に集まっていたが、それでは後手に回ってしまうことを懸念。
また、各チームの情報共有も図ろうという狙いもある。
ここに集まっている者達が、それぞれの管轄の住民達に伝達してもらうことになっている。
自分達の住んでる場所で何が起きて、何が足りないか等把握し、より愛着を持ってもらいたいのだ。
まず、作業チームごとに順番に作業内容と今後の計画を報告してもらい、次に各種族のリーダーが生活面での様子や変化を報告してもらう。
妖達も個別で気付いた点などを報告してもらう。
最後に、提案などがあれば発言してもらう。
ただ、質問や疑問に思う点があった時は、その時に発言してもらうことにしている。
よく会議のレジメで、最後にまとめて質疑応答コーナーが設けられているのあるが、あれはダメ。
誰かが質問したいと思ったとしても、最後の質疑応答コーナーまで発言意欲が保てるのか?
そこまで我慢した質問は大きな問題なのだろうし、落ち着いて話もまとまっているのだろう。
『今さら発言することもないか』『まあ、いいか』で消えてしまうことがあるのでは?
だが、その時点で大きいとは思えなかった疑問が現実になったことはないだろうか?
事件が起きてから、『ああ、やっぱりね』と思ったことは?
問題は小さい内に対応した方が良い結果が出る、と言うのが僕の持論。
まあ、問題が小さい内に潰していくから、華々しくは無いけどね。
そんな僕の持論はさておき、会議は進行していく。
レッドインパルスが、ちょっと大きめのイナゴの頭を蹄で潰してムシャムシャ食べていた、と言う馬頭の報告で一通り終わったようだ。
え?魔馬って虫も食べるの?草の見間違いじゃなく?
あ、そう。食べるんだ。
基本は草食だが、必要に応じて雑食にもなるのね。カルシウムが採れそうだね。
最後の提案コーナーだね。
「え~と、発言しても良いかな?」
「どうぞ」
進行役の前鬼に促される。
「実は、この頃ずっと、お腹の下のムズムズが止まらないんだ」
妖達に緊張が走る。
「お腹下したりしてませんか?」
「下痢かぁ?」
「安静にしとれ」
「まあ、いけませんね。あとで診察しましょうかぁ?」
妖達の反応とは真逆だ。
正義だけは厳しい顔をしている。
お互い同郷の仲ということで、彼には説明してあるからね。
「いや、言い方が悪かった。
丹田から沸き上がる力が多すぎて困ってる」
「「「「???」」」」
各リーダー達が一斉に首を傾げる。
「次郎様、抑える方法は?」
正義が冷静に言う。
「一つだけある。
妖を召還すれば治まる」
差し迫った問題が無いのに、召還しても良いのかどうか。
この世界に、妖怪と呼ばれる者を召還するのは躊躇われるのだ。
今いる妖達は問題解決の為に召還した。実際に大いに助かってる。
「アヤカシの皆様に問題など一切ありませんが。
助けていただくばかりで、むしろ、ありがたい人達です」
ナターシャはいい娘にゃ、と聞こえてきたが今は無視する。
「その妖が制御出来ないモノだったら?」
「あなた達は、あちきらの戦いを見てきたのでしょう?
それでも、そんな暢気なこと言えるのでありんすかぁ?」
「うっ!」
ナターシャだけでなく、ハヤテやドアン、エリシャンテも額に汗をかいているのだろう。
ドアンだけは、拠点に保護するまでの護衛してもらったわずかな間でしか、妖の戦闘を見たことがない。
それでも、討伐した魔物の素材を一番手に取っているのがドアンだ。
想像するに堅くはないだろう。
厳しい顔をしている。
おや?正義が手を挙げている。
正義を見て、顎で促す。
「妖を召還すれば治まるのですよね。
ならば召還してください。
次郎様が万全な状態の方が、住民全体が安心出来ます」
正義は住民全体と来たか。
「正義、よく言った。
自分も正義の意見に賛成致しますぞ。
なあに、そこらの有象無象なぞ、蹴散らしてくれるわ」
「うむ。我も賛同致す」
正義に続いて、八岐大蛇や真神も賛同してくる。
『主様。こうは考えられませんか?
今までは必要に応じて妖を召還為されて来ましたが、今回はこれから起こる事態に備えて事前の召還と』
「これから起こる事態って?」
『わかりません。
ですが、次郎様の為されることです。
間違いは無いと推察致します』
うぐっ、サトちゃんの絶大な期待が重い~。
「ご主人様、あなたのお好きになさい。
何があっても、私はあなたの味方です」
後鬼の眼差しは優しいままだ。
前鬼は、セリフを盗られた、みたいな顔をしてる。
フフッ、みんな優しいなぁ。
僕を心配してくれてるだけじゃん。
変な妖を召還した時の対策論になってないよ。
八岐大蛇が言ってるのは根性論だからね。
「あ、あの。
わ、わたしも出来ることをします。
ジロー様のおそばにいます!」
各リーダー達も次々賛同していた。
ナターシャ、やっぱり油断にゃらない娘、と聞こえてきたが、やはり無視する。
「心配してくれて、ありがとう。
召還してみるよ」
ヒルコがピョンピョンと跳ねて来て、僕の頭の上に乗る。
そこでピューイピューイと歌い出した。
任せろってか。
妖召還は、準備のことも考え、三日後とすることに決まった。
さてさて、次はどんなのが召還されるのでしょうか?




